更年期に整えたい!心身の健やかさを育む3つの骨盤底筋群トレーニング
骨盤底筋群がゆるむことで尿漏れなど日常の生活が困難になるだけでなく深刻な健康被害を招く可能性があります。いくつになっても心と体が健やかであるように3つの筋トレでセルフケアしましょう。
骨盤底筋とは
骨盤底筋はハンモックのようにぶら下がっている筋肉です。細かい筋肉が集まって表層・中間層・深層の3層を構成しているので正しくは骨盤底筋群と言います。
骨盤の前面で腹筋の深層筋である腹横筋と接しており、骨盤後ろの尾骨では脊柱の深層筋である多裂筋と接しているので、ハンモックのようでありながら体幹を支持し、骨盤内の内臓を支える重要な役割を担っています。ゆるむと咳やくしゃみ、ジャンプをした瞬間に尿漏れが起こりやすくなります。また、ひどくなると子宮、膀胱、直腸などが膣の方に押し出されてきてしまう骨盤内臓器脱という症状になることもあるため鍛えておく必要があるのです。
昔は長い廊下を雑巾がけや和式トイレを使用するなどスクワットの姿勢が日常の中にありましたが、現代社会ではそれがなくなりつつあり、骨盤底筋問題が深刻です。特に女性は出産時にダメージを受け、更年期で女性ホルモンの低下が原因で弾力が衰えやすいので注意が必要です。デリケートゾーンのため気軽に人に相談できず心の健康にも影響します。更年期以降の女性の健康を守るためにも積極的にエクササイズすることがおすすめです。
自宅で簡単にできる骨盤底筋トレーニング
今回は自宅で簡単にできる骨盤底筋トレーニングを3つご紹介したいと思います。
なお、このエクササイズは月経中に行うと下向きのエネルギーを阻害するため月経中以外に行うようにしましょう。
スクワット姿勢で行うエクササイズ
1つ目は骨盤底筋に充分重力を感じるスクワットの姿勢でおこないます。
やり方
1)スクワットの姿勢でお尻を床ギリギリまで下ろします。
2)息を吸う時に骨盤底筋群を上に引き上げるイメージで膣を引き締めます。息を吐く時に緩めます。
3)これを10回ほど繰り返し行いましょう。
4)うまくできるようになったら息を吐きながら膣を引き締め、息を吸いながら緩めるのように呼吸と動きを逆にします。
骨盤底筋群を引き上げる感覚があることが大切です。
仰向けで行うエクササイズ
2つ目は仰向けで膝を立てておこないます。
やり方
1)足を腰幅に開きつま先はそとをむかないように真っすぐにします。
2)膝の間にヨガブロックかエクササイズ用のボールを挟み、息を吸いながら骨盤を床から引き上げ腰を上げていきます。そのまま呼吸を続け膝の間のブロックを引き締めます。
仰向けで行う場合はあまり強くお尻を締めすぎないように注意しましょう。足元をしっかり踏ん張ることとみぞおちから恥骨までの腹直筋の中心線のラインを意識するとより効果的に鍛えられます。
座って腹筋と一緒に鍛えるエクササイズ
3つ目は腹筋を使って行う方法で腹筋群の深層筋である腹横筋を一緒に鍛えることができて一石二鳥です。
やり方
1)ヨガのシッダアーサナのように膝を横に開いてあぐらの姿勢で座ります。
2)両手を下腹部にあて、鼻から息を吸います。
3)息を吐く時は口から吐き、下腹部を背骨の方へ強く引き入れます。これを繰り返し行ううちに、骨盤底筋も一緒に引き締めたい感覚が徐々に芽生えてくるので一緒に引き締めます。
恥骨に腹横筋と骨盤底筋群の両方が付着しているため、下腹部を意識すると骨盤底筋も一緒に引き締めたいという感覚が出てくると考えられ、この繊細な感覚が感じられるようになると骨盤底筋群に筋トレが効いているということになります。
意識したいのは呼吸
骨盤底筋群を鍛えるために意識したいのは呼吸です。息を吐く時は口をすぼめて吐き、息を吸う時は鼻からの呼吸を意識します。
AUTHOR
綾
ヨガインストラクター、食養生コーディネーター。幼少期からクラシックバレエ、ダンスなどの身体活動を経験、2004年よりヨガを練習し始める。ヨガの呼吸とバランスの取れた動きと疲れた心身を回復する絶大な効果に感銘を受け、ヨガをライフワークにするためにインストラクターとなる。2005年~2021年までの間スタジオを中心にヨガインストラクターとして活動。現在はオンラインのグループレッスンとプライベートレッスン、対面の産後ヨガ、シニア向けのヨガを教えている。専門は「女性のためのヨガ」であり、女性の様々なライフステージをヨガでサポートするためのクラスやワークショップを開催。精神の学びにはまず体と心の健康が欠かせないという気づきから、食養生とアーユルヴェーダを学び実践中。真の健康と美しさを探求している。
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