加齢とともに起こる頻尿・尿漏れやぽっこりお腹の原因「骨盤底筋」を鍛える簡単4ポーズ
骨盤内で内臓を正しい位置に保ち、排泄のコントロールに関わっている骨盤底筋。直接触ることができないので「衰えている」と言われてもピンとこないかもしれませんが、加齢・妊娠・出産によって次第に弱っていく筋肉です。ヨガのポーズで少しずつ使うことを意識していきましょう。
骨盤底筋の役割
骨盤底筋は恥骨・尾骨・坐骨についている筋肉です。骨盤内にある直腸や膀胱、子宮を下からハンモックのように支えてこれらを本来あるべき位置に保ったり、筋肉が緊張したりゆるむことで尿道や肛門を閉めて排泄をコントロールしています。
妊娠・出産・加齢によってだんだんとその筋力が衰え、下腹部が出ているように見えたり(ぽっこりお腹)、尿漏れや頻尿がおこりやすくなる他、骨盤底筋の弱さは骨盤周辺の血流の悪さにもつながり、冷えやむくみの原因にもなっています。
今回は骨盤底筋を使うヨガポーズをご紹介します。このポーズを取り入れることで筋力の衰えを少しずつ防いでいきましょう。
椅子のポーズ
内ももが弱いと膝をつけたままポーズをキープすることが難しいポーズです。ヨガブロックやクッションを太ももの間に挟むことで膝が外に広がるのを防ぎ、内もも(内転筋)から骨盤底筋の引き締めを意識することができます。
やり方:
1)山のポーズ(基本の立ち姿勢)で立ち、太ももの間にクッションやヨガブロックを挟む。息を吐きながらお尻を斜め後ろに下げて膝を曲げる。膝がつま先よりも前に出ないように気をつける。
2)息を吸って両腕を上げて目線を正面、または斜め上に向けて、呼吸を続けてポーズをホールドする。
3)吸いながら両脚をまっすぐに伸ばし、吐いて腕を体の横におろして山のポーズに戻る。
スクワット(花輪のポーズ / マラアーサナ)
肛門を引き締めるようにしながらお尻をおろしていきましょう。ここでも内ももをしっかりと働かせて、膝がつま先と同じ方向を向き続けるようにします。
やり方:
1)足を腰幅くらいに開いてつま先を外側に向ける。
2)息を吐きながら膝を曲げてお尻をおろしていく。足の裏全体に均等に体重を乗せて。
3)両手を胸の前で合掌し、胸を引き上げて目線を正面に向ける(目線が下がると背中が丸くなりやすいので注意)。
※ かかとが浮いてしまう場合は、丸めたヨガマットやタオルの上にかかとをのせてみましょう。
ハッピーベイビーのポーズ
スクワットでは膝への負担が大きすぎる時の代わりのポーズとしてもおすすめです。
やり方:
1)仰向けになって両膝を抱える。
2)膝を腰幅より広く開いて足の外側をつかみ、膝を曲げたまま足の裏を天井に向ける。
3)足首を90度に曲げ、膝をできるだけ脇の下に近づける。
4)お尻が浮きすぎないように、腰が床についた状態を保ち、肩の力を抜いてポーズをホールドする。
※ 両脚を上げるのがやりづらい場合は片脚ずつあげて行う。
仰向けの合せきのポーズ
骨盤底筋を働かせるポーズをした後は、骨盤周りの血行を促すポーズをとりながらリラックスしましょう。
やり方:
1)仰向けになって両膝を立てる。
2)膝を横に開いて足の裏同士をつける。
3)両腕は両腕の横に置いて手のひらを上に向けるか、片手をお腹に、もう片方の手を胸に載せて呼吸を感じながら休む。
4)終わったら両手を使って膝を中央に寄せ、体を横に向けてから起き上がる。
※ 膝を開くのがつらい時はクッションや座布団でサポートする。
AUTHOR
吉田加代子
オーストラリア・ブリスベン在住、東京都出身。日本とオーストラリアでの会社員生活を経て、2012年よりオーストラリアでヨガ講師としての活動を開始。ハタヨガやリストラティブヨガクラスの他、音響楽器シンギング・リン®を使ったサウンドセラピーも提供。ヨガや音の効果を活かして、クライアントの心身の健康をサポートしている。
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