尿漏れ、湯漏れ…女性のデリケートな悩みに【きつくない】骨盤底筋トレーニングの簡単なやり方
咳・くしゃみをしたときの尿漏れや、湯船からあがったあとのお湯漏れ。さらには、下腹ぽっこりといったボディラインの崩れ…。骨盤底筋が緩むと、デリケートな悩みが急増します。ですが、骨盤底筋も筋肉なので、トレーニングによって鍛えることは可能。今回は、骨盤底筋に弾力性をつけ、さまざまな悩みの予防・改善にアプローチするトレーニングの方法をご紹介していきたいと思います。
人の体には、大小600を超える筋肉が存在
筋肉は、体や臓器を動かすための原動力。体を守ったり基礎代謝を上げたり、血液・リンパの流れを促したりと、生命活動を維持するうえでも重要な役割を担っています。
そんな数ある筋肉の中から、今回は女性の健康と大きな関係がある骨盤底筋をフォーカスしたいと思います。
骨盤底筋とは…?骨盤底筋についてのおさらい
骨盤底筋とは、骨盤底を構成する筋肉のことをいいます。深会陰横筋(しんえいんおうきん)・尿道括約筋(にょうどうかつやくきん)・肛門挙筋(こうもんきょきん)・尾骨筋(びこつきん)をはじめとする筋肉の総称で、膀胱・尿道・子宮・直腸などの腹部の臓器を支え、ハンモックのようにつないでいるのが骨盤底筋です。
厚みは20代の女性で5~9cmほど。骨盤底を下から見ると筋肉の一部が肛門でひとまわり、尿道・膣でひとまわりといったように8の字型を描いているのが特徴で、肛門・尿道・膣を下から引き締める役割も果たしています。
そんな骨盤底筋なのですが、加齢や妊娠・出産経験などによって衰えてしまうと、失禁・頻尿・便秘・腰痛・生理痛・膣の緩み・ボディラインの崩れなどの原因になることも…。また、ここ最近では定期的に運動をする習慣がない、足を組んで椅子に座っている時間が長い、座っている時脚がパカッと開いている、骨盤が後傾した姿勢で座りがち(猫背の姿勢)という方も少なくないようですが、このような生活習慣も骨盤底筋を衰えさせてしまうので、気をつけたいところ。
すでに上記の悩みが生じている方もそうでない方も、骨盤底筋のトレーニングをおこない強化することによって、改善・予防する効果が期待できます。今回は骨盤底筋トレーニングの方法をご紹介していきたいと思います。「運動は苦手…」という方でも取り入れやすいものをピックアップしているので、リラックスしながら一緒におこなっていきましょう。
運動が苦手でもOK! きつ過ぎない骨盤底筋トレーニング
骨盤底筋のトレーニングをする時は、息を吐くときに尿道・膣・肛門の3ヶ所を締め上げる~息を吸うときに緩めることを意識します。はじめのうちは感覚がつかみにくいこともあるので、おしっこを我慢するときのような力の入れ方をしてみるといいでしょう。
トレーニング①・・・仰向けでおこなうトレーニング・3つのバリエーション
<バリエーション1>
1)仰向けになり、ひざを立てる。
ポイント:足は腰幅程度に開き、ひざの下にかかとがくるようにします。脇の下には卵1個分のすき間を作り、腕は体の横にそわせておきましょう。
2)お尻を床から持ち上げる。呼吸を5回繰り返す。
ポイント:息を吐きながら、ゆっくりとお尻を持ち上げます。股関節を突き上げるようにして、無理のないところで姿勢をキープ! 腕と手、足裏でしっかりと体を支えましょう。
<バリエーション2>
バリエーション1の姿勢からスタート。ひざの間にクッションやヨガブロックのような厚みのあるものを挟み、呼吸を5回繰り返す。
ポイント:クッションやヨガブロックを落とすことがないようにひざをしっかり閉じて、太ももを中央に寄せるように意識しながら姿勢を保ちましょう。
<バリエーション3>
バリエーション1の姿勢からスタート。
1)右足を床から持ち上げる。右ひざを外側に開いたらくるぶしを左ひざの上に乗せ、呼吸を5回繰り返す。
ポイント:お尻が下がってこないように意識しながら、ゆっくりと呼吸を繰り返しましょう。反対側も同様におこないます。
トレーニング②・・・マラーサナのポーズ(ヨガ)
1)足を肩幅程度に開いて立つ。足先は、45~90度外側に開く。
ポイント:腰が反りすぎないように、尾骨をグーッと引き下げておきます。手は、体の横。
2)股関節から上体を前に倒す。両手を床につく。
ポイント:息を吐きながら、ゆっくりと上体を倒します。
3)お尻を床のほうへ下ろして、しゃがむ。
ポイント:足裏全体をしっかりと床につけて、目線を上げます。
4)胸の前で合掌し、呼吸を5回繰り返す。
ポイント:ひじでそれぞれのひざの内側を押すようにして、外に開きます。座骨をまっすぐ床に向け、お尻の力を入れたまま姿勢を保ちましょう。合掌をすると、姿勢がグラグラするようであれば、手は床につけたままでもOK。
骨盤底筋は上記のようなポーズを取っていないときでもトレーニングをすることができるので、息を吐きながら締める~息を吸いながら緩めるという習慣を体に覚えさせてしまってもいいかもしれません。生理中やそのほかにも不調がある場合などは、体の様子を見ながらおこなってください。
AUTHOR
高木沙織
ヨガインストラクター。「美」と「健康」には密接な関係があることから、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。ヨガインストラクターとしては、骨盤ヨガや産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスなどボディメイクをサポートし、野菜や果物、雑穀に関する資格も複数所有。“スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ボディメイクや食に関する記事執筆・イベントをおこない、多角的なサポートを得意とする。2018~2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。
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