40代以降の女性が「セックスすると痛い」を放置してはいけない理由
どう意識して婦人科系の健康を守るのか。やはり婦人科検診です。「閉経したら婦人科は必要ない」と思っている方も実はいらっしゃるのですが、それは誤りです。通いやすい婦人科のかかりつけ医を今のうちに見つけておき、年に一度は定期検診を受けることをおすすめします。性交痛がある場合は、検診の有無に関わらず、自己判断せず、痛いことを医師に伝えて受診してください。特に問題なければ、ここで初めて「セックスの卒業/継続」の判断もご自身の気持ちを大切にしながら選択できるのです。
アレルギーの可能性も
婦人科系疾患のサイン以外では、ラテックスアレルギーも考えられます。天然ゴムに含まれるラテックスタンパク質が引き起こすアレルギーです。COVID-19の影響で、ゴム手袋の着用が義務化される職場もあり注目です。このアレルギーはゴム製品に接触して肌が赤くなる、かぶれる、かゆくなるなどの皮膚障害を起こします。まれにですが、重篤なアレルギー症状を引き起こすことも。今までラテックスアレルギーがなくても、天然ゴム製のゴム手袋などの常時着用などゴムと肌の接触頻度が高いと発症リスクが上がると言われています。詳しくは消費者庁・厚生労働省・経済産業省ニュースリリースを参考にしてください。ここでお話したい性交痛とのつながりは、コンドーム。市販されているコンドームのほとんどがラテックス素材です。もし、アレルギーがある場合はラテックス素材のコンドームが触れたところが赤みやかゆみがでたり、性交時に痛みを伴うことがあります。対策としては、ラテックス素材以外のポリウレタンやイソプレンラバー(アイアール)素材のコンドームへ切り替えることで回避できます。しかし、ゴム製品の接触でかぶれるなど異常が現れた時は、普段の生活でも対策が必要かと思います。速やかにアレルギー検査を医療機関で受けて下さい。
セックスの痛みを「年齢的な問題かな」とか「このまま卒業しちゃおう」とそのままにするより、からだの声として受け止め、健康管理のために医療機関にかかることの大切さを知って頂けたらと思います。
※参考資料 消費者庁・厚生労働省・経済産業省ニュースリリース
ライター/小林ひろみ
メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。日本性科学会会員。性と健康を考える女性専門家の会 理事。デリケーゾーンブランドYourSide、潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛について情報発信を行う。幅広い性交時の痛みに関する情報サイト「Fuan Free (ふあんふりー)」を運営。
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