Netflixヒット作『アイ・アム・マリス』主人公「摂食障害、鬱から私を救ったヨガを伝えたい」

Maris Degener

Netflixヒット作『アイ・アム・マリス』主人公「摂食障害、鬱から私を救ったヨガを伝えたい」

ヨガジャーナルアメリカ版の人気記事を厳選紹介!1990年代中盤以降に生まれた「ジェネレーションZ」の期待のヨギたちを紹介しよう。彼らはヨガと瞑想から学んだ平和と愛と思いやりを通じて世界を変えつつある。

四六時中スマホを手放さず、個人主義的な「最近の子供たち」に、眉をひそめる人は多いだろう。だが彼らはジェンダー・アイデンティティから権力構造に至るまで、あらゆるものに対して伝統にとらわれない最も多様な考えを持つ世代であり、想像以上に真面目だ。特に今回紹介する新進ヨガティーチャーを知れば、それが真実だとわかるだろう。

マリス・デグナー(21歳・カリフォルニア州サンタクルーズ在住)

"Yoga Helped Me Remember Who I Am ー and Dream about Who I Want to Be"
ヨガは自分が誰なのか、誰になりたいのかを思い出させてくれる

不安症とうつと摂食障害を抱え、命の危険も伴っていたマリス・デグナーは、生きる理由を見いだせずにいた。やがて彼女はヨガに出会い、彼女の癒しの旅を記録したドキュメンタリー「I Am Maris( アイ・アム・マリス)」は、Netflixのヒット作となった。

理想とするヨギ

スザンナ・バーカタキ。社会を変えるためにヨガを教えることに献身しているから。

これまで成し遂げたいちばん大きなこと

摂食障害から回復した、と自信を持って言えること。

教えていて良かったと思う瞬間は?

生徒たちが自分自身の教師になれるような安全な場をつくれたと感じる時。

2030 年には何をしている?

それまでに学んだことを生かして、ベストを尽くしていると思う。

ヨガとは?

ひとつになること。

ヨガではないことは?

競うこと。

ヨギたちに望むこと

練習は癒しや思いやりにつながるための手段であって、自分を「修復」したり、自己価値を下げるものではないと気づいてほしい。

好きなマントラ

「難しいことも私はできる」。

大切にしている格言

「弓形の道徳世界は長く延びているが、それは正義に向かって曲がっている」マーティン・ルーサー・キング牧師。

毎日自分に言い聞かせていること

最善を尽くし、思いやりを持ってそれを行う。

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Maris Degener 

摂食障害による入院生活での出会い

数日だけ退院が認められた私は、自宅のベッドに横たわりながら、そもそもなぜ入院する必要があったのかと考えていた。当時私は13歳。3週間の入院中に医師や看護師からベッドのまわりの機械が示す衰弱した身体機能の数値を見せられても、自分がどれだけ不健康なのか、食べないことで体がどれほどダメージを受けているのかわからなかった。そこで私は、退院後に安静の指示がでていたにもかかわらず、腕立て伏せをやってみることにした。自分は大丈夫だと確信したかった。

ベッドからはい出て、ナイトテーブルの横のカーペットに膝まずいた。それがどんなに大変だったことか! それからゆっくりと両手を肩の真下の床につき、両足を少しずつ後ろにずらしてプランクポーズに入った。が、すぐに膝をついてしまった。プランクで自分の体を支えることすらできなかった。そのまま全身を床に横たえてから、なんとか起き上がった。その瞬間、私の中でスイッチが入った。精神疾患は気を引くためのゲームじゃない。生死にかかわる問題だ。私はずっと自分を傷つけていたと気づいた。それが癒しの旅の始まりだった。

はじめまして、ヨガ。私はマリス。入院していた時、医師や看護師たちからは、激しい運動をせずに体力を回復するようにと言われていた。ヨガはまさにぴったりだと思った。偶然にも家の近所にオープンした新しいスタジオで、日曜の朝に無料ヨガクラスが開かれていると知り、私は母に参加したいと頼んだ。

スタジオに早く着きすぎて手持ち無沙汰だった私は、レッスン前にジェニー・ウェンデルに話しかけてみた。彼女はスタジオのオーナーで、クラスの担当講師だった。この日ジェニーのクラスで得られた感覚は、一生忘れないだろう。初めて受けるクラスの前や最中に張り詰めていた気持ちが、驚くほど和らいだのだ。自分の体とのつながりが再び感じられ、今ここにいる感覚を味わうことができた。クラスでは次々とポーズを試みたり、いろいろなサンスクリット語を耳にしたりと、新しいことばかりで目まぐるしかったけれど、生まれて初めて圧倒されずに向き合えている自分がいた。ヨガのおかげで、すべてを理解しなくてもいいと思えた。それにジェニーはありのままの私を受け入れてくれた。

学ぶことは山ほどあるし、ゴールもない。競ったり、人と比べる必要もない。これらのヨガの美しい教えを大切にするスタジオにめぐりあえて、本当にラッキーだと思っている。
その最初のクラスの後、ジェニーはヨガマットをプレゼントしてくれた。私という存在が尊いものであることを私に気づかせるためだった。ジェニーは、また私がクラスに参加するかどうかを気にしていた。自分のビジネスのためでなく、心から私のことを気にかけてくれているのがわかった。今だからわかるが、幼い頃にうつや不安症を患うと(私は両方抱えていた)、自分の存在を気にする人などいないと思い込んでしまう。だからジェニーが(しかも初対面なのに)私を気遣ってくれたことに、とても驚いた。

by Meghan Rabbitt
photos&styling by Ashley Turner
photos by Lisa Vortman
hair&make-up by Rachelle Blanco & Sonia Reshetnikova
translation by Sachiko Matsunami

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