誰でもできるエコな暮らし|ゼロウェストを目指すためにできることとは
最近よく耳にすることの多い「ゼロウェスト」。ゴミをどう処理するかということではなく、ゴミを出さない社会を目指しサステナブルな世の中を実現していこうという取り組みです。『環境』『エコ』と聞くと「何だか難しそう…」と思いがちですが、実は身近なことから簡単に始めることができるのです。
ゼロウェストとは
「ゼロウェスト」とは、英語のZero Wasteがそのまま日本語として使われています。Waste(ウェスト)は、日本語では「廃棄物」「浪費する」「無駄にする」と訳され、ゼロ(数字の0)ウェストとは「ごみをゼロにする」ことを目標にした活動のことを指します。
大量生産、大量消費の現代社では、たくさんの便利なモノが安価な値段で手に入ることが可能な時代です。一方で、私たち人間が出し続け増え続けるゴミは着々と地球や私たちの暮らしを脅かしています。
ゴミを出さないことが豊かな暮らしに繋がる
家庭内のごみを極限まで出さないという発想から生まれたシンプルなライフスタイルは、アメリカ在住のフランス人のベア・ジョンソンさんの著書『ゼロ・ウェイスト・ホーム ーごみを出さないシンプルな暮らし』によって、日本のミニマリストやエココンシャス(環境問題や自然に関心の高い人々)の間で広まりました。
大人2人と子ども2人の4人家族は、2008年からゼロウェストを目指す暮らしを始め、現在では1年間で出すゴミの量は1リットル分のみ。
結果だけを聞くと「そんなの生活無理に決まっている!」と多くの人が思うかもしれません。けれど、実際のベアさん一家はシンプルですが、とても豊かな暮らしを送っていることがTED(テッド)の動画からも分かります。
誰でもできるゼロウェスト
暮らしをシンプルに
ごみの発生を防ぐために一番最初に行いたいことが毎日の暮らしをシンプル化すること。家にあるものを、ひとつひとつ見直して、本当に必要なモノだけを身の回りに残すようにします
・使えるモノ?(期限は切れていない?)
・同じモノが2つ以上ない?
・健康に害はない?
・義理で持っているモノではないか?
・周りに流されていない?
・価値のあるモノ?
・再利用可能なモノ?
筆者が自分の暮らしをシンプル化した際には、上記のような質問を自分に投げかけながら「断捨離」を実践。不必要なモノを手放すことで部屋が片付き暮らしがシンプルになると同時に、気持ちもスッキリしました。ただし、断捨離でゴミを出すのは考えもののため、セカンドハンドとして新たな使い手に渡るようにするのがおすすめです。
必要のないモノには「No」と言う
礼儀や礼節を重んじる文化の私たちにとって、親切にされたことに対して「No」と断ることは決して簡単なことではありません。しかし「No」と言わない限り、大量消費社会を生きる私たちが必要のないモノを買ったり受け取る度に、社会はその行動を「需要」として判断し、無駄なモノを作り続けてしまいます。
毎日の暮らしを振り返り、自分が「Yes」と言うべき場面、そして「No」と言うべき場面をしっかり分けるようにしましょう。
◆「No」と言うモノ
・レジ袋
・ペットボトル消費
・街中で配られる配布物(チラシ、ポケットティッシュ、ボールペン等)
・スーパーでは包装された食材
・プラスチックカトラリーや使い捨てのお箸
◆「Yes」と言うモノ
・エコバックを持ち歩く
・マイボトルを持ち歩く
・バラ売りの食材を購入する
・バルクストア(量り売りショップ)で買い物をする
再利用
使い捨てのものは必要のないモノというのが、ゼロウェストの考え方。身の回りのモノは再利用できるものへシフトしていくようにしましょう。使い捨てのモノは、無くなってしまった後は買い足さなくてはいけません。再利用できるものを選ぶことで、モノを大切に使うことや、お金や時間の浪費を防ぐことにも繋がります。
選ばない行動やモノ
・着れなくなった洋服を捨てる
・愛着があるモノをいつまでもタンスの中にしまっておく
・使い捨てアイテム(料理用ラップ、スポンジ、使い捨て容器など)
選ぶ行動やモノ
・着れなくなった洋服で布巾や子どもの洋服作りをする
・使わないモノはセカンドハンドショップや、フリマ、寄付へ回す
・再利用可能なアイテム(布、木や金属製のたわし、蜜蝋ラップ、ガラス瓶、ガラス容器)
ゴミ箱を撤去する
再利用できるモノに囲まれていれば、ゴミ箱を自宅に置いておく必要もなくなります。筆者も、暮らしをシンプル化しゼロウェストな暮らしを実践し始めてからゴミ箱を減らすことに成功しました。またゴミが出た場合も適切に処理することで、資源を無駄にすることにも繋がります。ゴミの分別はしっかり行うことも持続可能な暮らしを実現するために大切な方法の一つです。
ゼロウェストな暮らしを実現するために
便利な現代社会では、自分ではそんなつもりなくとも実はたくさんのゴミを出していることもあります。「知らなかった」では済まない時代がすぐそこまできています。
ゴミを出さない暮らしと言うと、常にゴミのことばかりを考えている人とちょっとストレスが多そうなイメージもありますが、実は誰でもできるシンプルな暮らしを送ることで限りなくゴミを最小限に押さえることが可能に。一人でも多くの人がちょっとの心がけをするだけで、持続可能な世の中を実現していくことができるのではないでしょうか。
ライター/桑子麻衣子
シンガポール在住8年のライター/Webクリエイター/ヨガインストラクター(全米ヨガアライアンスRYT200保持)。3歳の娘Emmaと夫と3人暮らし。妊娠、出産、育児を経験しヨガを深めたいとインスタクターの資格を取得。Webメディアを中心に記事を執筆しながら、人にも地球にも優しいサステイナブル(持続可能)な暮らしの実践を目指すウェブメディア「House of Emma」を運営。ヨガの教えに基づいた「誰でもどこでもできる」をキーワードに、それぞれの暮らしに寄り添ったエコフレンドリーなファッション、ビューティー、ライフスタイル、ヘルスケア、旅行の提案をしている。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
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