「なりたい自分」になるために必要な3つの要素について公認心理師が解説
Willing 重要性を感じているか
人間はその変化が重要であると認識していないと変化はしません。例えば「もう少し痩せたいけど、彼氏は今の体型で良いって言うしな」と考えていれば「5キロ痩せる」ことの重要性を強く認識していない状態といえます。このような状態であれば「痩せる」という変化は起こらないといえるでしょう。
自発的に何かをしたいと思う場合はたいてい重要性を認識している状態ですが、他人から言われる場合は、自分自身が強く重要性を認識してない場合もあります。例えば、職場の上司から「この資格取って欲しい」と言われたけど、そこまで業務に必要ないし、興味も持てない等、自分としては重要性を感じていない場合もあると思います。
しかし、いつまでも資格を取らないと上司に叱られてしまうかもしれません。重要性の認識を高めるのならば、変化した時のメリットとデメリット、変化しなかった時のメリットとデメリットをノートに書き出してみましょう。あえて、変化した時のメリットを多めに書き出すことがポイントです。
Able 可能であるか
その変化は自分に可能なものでしょうか?無理な目標を立てていませんか?現在地を確認し、可能な目標を立てることが大切です。例えば、「10キロ痩せる!」という目標設定をすると実現できないと感じる方が多いと思います。しかし、「1キロ痩せる!」という目標設定ですと、実現できるに感じるでしょう。重要性を認識していても、心のどこかで「できるわけない」と思っているうちは変化しません。
「痩せたいし、痩せることが必要だと思っているけど、今までダイエットに成功したことないし私なんかには無理だ」と思っていると変化する可能性が低くなります。
このような場合は目標を小さくすることが有効です。例えば、10キロではなく、1キロです。この1キロの目標を立て、達成したら次の1キロの目標を立てます。大きな目標は小さな目標に分割することで、「自分にもできる」という感覚が高まり、実際に成功する可能性も高くなります。
Ready 準備ができているか
変化する準備は出来ていますか?よく「心の準備」という言葉を使います。この「心の準備」こそがReadyの感覚をよく表している言葉だといえます。重要性を認識していて、その目標が達成可能であると思っていても「心の準備」ができないと変化は始まらないのです。
心の準備をするには、環境を整えることも大切です。ダイエットのために週末ヨガに行くという目標を立てたときにウェアもマットもなければ足が遠のいてしまいます。ウェアを購入しカバンに入れておくこと、ヨガスクールに予約を入れること、カレンダーに記入し目に入るようにしておくことなどの環境の準備が、心の準備にもつながっていきます。
まとめ
「なりたい自分」に変化するための3つの要素について解説していきました。なりたい自分になるには「その変化が重要だと思っているか」「その変化が可能であると思っているか」「心の準備ができているか」という3つの要素が重要になってきます。なかなか変化することができないな、チャレンジできないなと悩む方は、自分には3つの要素のうちどこが欠けているのか考えてみることもおすすめです。
ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。
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