日常生活でできる「未練や執着」をスッキリ手放す秘訣とは|龍村修氏にインタビュー

 日常生活でできる「未練や執着」をスッキリ手放す秘訣とは|龍村修氏にインタビュー
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マイナスの感情を手放せない人は、まず「変化」を受け入れよう

――憎しみや悲しみを手放したいのに、その方法がわからない…。そんな時はどうしたら良いのでしょうか。

気持ちを切り替えられない時は、無心になって自然を観察してみてください。木を見ていても同じ葉っぱがずっと同じ状態で存在しているわけではないですよね。自然は私たちのお手本です。常に変化し、その瞬間の中でバランスをとり、必ず安定している方向があるんです。ありとあらゆるものは変化しているというのが自然の法則です。

恋愛、友情、仕事…どんなに熱い思いを持っていても、その状態ずっと続くとは限りません。長くいれば嫌なものも見えてきたり、熱が冷めていくこともあるはず。苦しみというのは、自然の法則以上のことを望んだ時に起こります。自然ではないことを願ってもそれは叶わない…そういうことがはっきりとわかれば、だんだんとそのことから離れていくことができます。

お釈迦様のお話に、こんなエピソードがあります。

昔々、お釈迦様がある村に訪れた時のことです。一人の女性が泣きながら、「死んだ子供をなんとか生き返らせて下さい」とお釈迦様にお願いしました。女性は「この尊いお方ならば、きっと私の子供を生き返らしてくれるだろう」と思ったのです。お釈迦様は、「わかりました、やりましょう。ただし条件があります。この村の中で死んだ人がいない家からお米の粒をもらってきなさい」と仰いました。その女性は色んな家をまわりましたが、どこへ行っても死んだ人がいない家はありません。

そして女性は、どこへ行ってもみんな同じ苦しみを経験していることに気づきます。「「いつまでもどうにもならないことに執着して苦しんでいたら、今ここに在る自分の命も粗末にしてしまう」と。後にこの女性はお釈迦様の弟子になったそうです。

大切な人や物を失った時、仕方ないと頭ではわかっていても感情が収まらない時もあります。だけどこの女性のように、失うことが自然であることを認め、あるがままを受け入れる心を持つことで、苦しみから離れることができるのです。親であれ、子供あれ、友達であれ、どんなに大切な人も、永遠に一緒にいられるわけではありません。生まれてきたものは必ず死ぬというのが自然の法則であり、必ず別れはくるのです。

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Photos by Kenji Yamada
Text by Nobue Suzuki



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