日常生活でできる「未練や執着」をスッキリ手放す秘訣とは|龍村修氏にインタビュー

 日常生活でできる「未練や執着」をスッキリ手放す秘訣とは|龍村修氏にインタビュー
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「心の修業」で偏った心を整えよう

普段は関わらない人と話したり、行ったことのない場所へ行く

自分とは真逆の考えを持つ人と会うなど、自分の視野を広げ、心の偏りに気づかせてくれる体験してみましょう。昔から「可愛い子には旅をさせよ」と言いますよね。新しい場所でさまざまな体験したり、多様な価値観、モノの見方に触れることは自分の偏りやとらわれを気づかせてくれます。

例えば失恋をしてものすごく悲しい思いをしたり、大切に築いてきた自分のキャリアを奪われて憎しみが沸いている時に、海外に訪れ、自分よりも貧しい生活をしている人を目の当たりにしたらどうでしょう?自分がどんなに恵まれた世界で生きているかわかりますよね。自分よりも波乱万丈な人生を懸命に生きている人の話を聞いたら、勇気づけれるはずです。

自分自身を内観し、心のコリや歪みに気付く

自分を観る、自分に問うということが大事です。物にあふれた部屋を前に、なかなか断捨離が進まない時は「なぜ捨てられないのか?」を自問自答してみて。実は物を通じてとらわれていた思いがあるのかもしれません。そんな心のコリや歪みに気づくことが大事なのです。

この自分を観るということは冥想行法の1つ。冥想というのはあらゆるモノの見方、考え方を自分が取り入れて、時代や環境の制約、とらわれ、偏りから自分を解放し、人知を超えた世界を知っていくこと。だからこそ奥深い、人知を超えたという意味をもつ「冥」の字が使われているのです。脳のリラックス法として知られる瞑想(メディテーション)とは似て非なるものですね。

冥想は仏教の3つの教え、止観(一切の妄念を止め、正しい知恵で対象を観察すること)・禅定(心を静めて一つの対象に集中する)・三昧(精神を集中し、雑念を捨て去ること)と同じ意味を持ちます。

今という瞬間に意識を集中させることで、過去への執着、未来への不安から解放されます。不自然な心の偏り、とらわれを取り払い、ただ観察することで真実を観る目を養います。そうすることで、モノや人への執着や未練から離れることができるのです。

次回は龍村先生の実体験を基にした、モノや人への執着や未練を手放す生活のアドバイスをお届けします。

お楽しみに!!!

教えてくれたのは…龍村修先生
龍村ヨガ研究所所長。NPO法人沖ヨガ協会理事長。NPO法人日本YOGA連盟副理事長。国際総合生活ヨガ研修会主宰。1948年兵庫県生。早稲田大学文学部卒。
学生時代の演劇活動の中でヨガに出会い、73年求道ヨガの世界的権威、沖正弘氏の内弟子になる。以後、師に同行し世界10数カ国以上でヨガ指導経験を持つ。1985年師の没後、沖ヨガ修道場長を経て1994年独立。ヨガや東洋伝統の英知を活用する心身づくりを提唱している。ヨガの講座と並び、最近では瞑想の講座も人気を博し、全国で瞑想の素晴らしさを伝えている。主な著書に、『眼ヨガ』『指ヨガ健康法』(以上、日貿出版社)、『体の中からキレイになる 龍村修のヨガ教室』(日経ヘルス)、『深い呼吸でからだを癒す』(PHP研究所)など多数。

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Photos by Kenji Yamada
Text by Nobue Suzuki



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