YOGA PEDIA|スプタパダングシュターサナからアルダチャンドラチャパーサナへ
アルダチャンドラチャパーサナとは
アルダ=半分の
チャンドラ=月
チャパ=弓
アーサナ=ポーズ
→半月の弓のポーズ
ポーズの効果:ハムストリング、股関節屈筋、胸部を開く。自由な感覚を湧き上がらせる。自分の信じる道に向かって立ち上がる気持ちにさせる。
1 ウッティターパールシュヴァコーナーサナの左側の姿勢から右手を腰に当て、床に目線を向ける。深く息を吸いながら、右足を(15cmほど)前に踏み出し、左手を斜めに歩かせて、前足の左外側(25㎝ほど外側)におく。
2 右脚を上げながら、左足で床をしっかり踏んでバランスをとる。右脚を上体の斜め上に引き上げて、アルダチャンドラーサナ(半月のポーズ)に入る。右脚を上体と一直線にすること。こうすると、臀部や内腿の筋肉を酷使しないですむ。膝より上のあらゆる筋肉を引き上げることによって、立っているほうの脚を働かせる。右腕を床から垂直に上げて、目線を徐々に右手先に向けていく。立っている側の脚が震えてきたら、左臀部を下に引いて臀筋を伸ばすとよい。
3 ポーズが安定したと感じたら、右手で右足の甲をつかめるように、右膝を胸に引き寄せる。
4 右手で右足の甲をつかんだら、右膝をしっかり支えて後方に振る。このポーズを十分開くには、右膝を伸ばすつもりで右足を蹴り上げようとするとよい。右腰が前に出ないように注意しながら、左臀部を下に引く。曲げている脚の太腿(右太腿)を上体と一直線に保って、太腿の外側と内側を酷使しないようにしよう。3~5回呼吸する間この姿勢を保つ。ポーズを解くには、右手を右足から離して腰に当て、立っているほうの脚を曲げ、上げた脚全体を力強く伸ばして右足を床に下ろし、ウッティターパールシュヴァコーナーサナに戻る。反対側も同様に行う。
安全に行うために
アルダチャンドラチャパーサナによってハムストリング(特に、坐骨との付着部や、膝の裏側)が緊張することがある。ハムストリングに強い張りを感じる場合は、前の手の下にブロックを置いて、床と体の距離を縮めよう。またこのポーズでは、立っている脚のほうの臀部に震えを感じることもよくある。そうなったときは、臀部を引き下げて、脚を外側に向けてみよう。震えを解消するのに役立つ。
バランスをとる
チャパという言葉は女神ラリタが弓として使っていたサトウキビの茎を指している。一方、ラリタの矢は花で、ラリタの髪には半月(アルダ)が飾られている。このような姿から、ヒンズー教の研究とさまざまな宗教の比較研究を行っている私の師、ダグラス・ブルックス博士が、何年も前に(アルダチャンドラーサナのバリエーションである)このポーズをアルダチャンドラチャパーサナと名付けた。弓(チャパ)を手に持ったラリタには、機嫌のよさや愛想のよさから凶暴性や恐れまで、あらゆる感情が表れている。ラリタの複雑な感情は、私たちの入り組んだ性質とたいして変わらない。花の矢とサトウキビの弓を持ったラリタは優しくて控えめに見えるかもしれないが、悪霊が人を殺害する必要を感じると、この弓と矢が鋭い凶器に転じる。どんなヨギでも、内なる対立の中にこのような必要性を感じる可能性がある。機嫌がよくて愛想よくしていられるときもあれば、道徳的で正しいことに対して凶暴性と闘争心を露わにしてしまうときもある。
指導&モデル
エイミー・イッポリーティは、ヨガマットの上でもヨガマットを下りても、現代のヨギたちに古代の英知を伝える活動をしながら、地球環境の保全にも情熱を注いでいる。ヨガ教育の先駆者であり、ヨガ指導者を対象にオンライン指導と直接指導を行う90Monkeysの共同創設者である。イッポリーティは16歳からヨガ哲学、ヴィンヤサ、アライメントを重視したポーズを学び続けており、現在世界中で講座やワークショップを行っている。
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