【愛する人との食事が血糖値の急上昇を防ぐ?】研究が示す人とのつながりと体の反応
親しい人がそばにいることで、食後の血糖値だけでなく、体温調節やストレスへの反応も変わる可能性が示された。
親しい人がそばにいる時の生理的反応を検証
これまでの研究でも、社会的なつながりが強い人ほど心身の健康状態が良好で、寿命が長く、生産性が高く、全体的な幸福度も高いことが示されている。
今回の研究では、血糖値、体温調節、ストレス反応など、それぞれ異なる生理的反応を検証する4つの実験を行い、親しい人がそばにいることで生理的な反応が改善するかどうかを調べた。
各実験において、参加者は2つの条件で検査を受けた。1つは1人で検査を受ける「単独条件」、もう1つは親しい人と一緒に検査を受ける「社会的条件」だった。一緒に過ごす相手は実験によって異なり、恋愛関係にあるパートナー、または乳児の実験では母親だった。同じ参加者が両方の条件で検査を受けたため、同じ人の生理的な反応を、親しい人がそばにいる場合といない場合で比較できた。
4つの実験の中でも、最も大規模でより厳密に設計されていたのは血糖値の実験だった。この実験では炭水化物を50g含む白パンを摂取し、食前、食後15分、30分、45分、60分、90分、120分に血糖値を測定した。参加者はそれぞれ1人の場合と、恋愛関係にあるパートナーがそばにいる場合の両方で1回ずつ検査を受けた。それ以外の実験では、寒さにさらされたときの反応やストレス反応などを調べた。
親しい人の存在が血糖値や体温、ストレス反応に影響
結果、親しい人がそばにいると、血糖値や体温、ストレスの程度などを一定の範囲内に保つ「恒常性」の調節が、より効率的に行われることが示された。4つの実験すべてで、1人でいる場合よりも、親しい人がそばにいる場合のほうが体内の状態をより効率よく一定に保てていた。
血糖値の実験では、炭水化物を含む食事を取った際、1人で食べた場合に比べ、恋愛関係にあるパートナーと一緒に食べた場合のほうが血糖値の上昇幅が小さかった。
体温調節を調べた実験では、参加者が寒さにさらされた際、親しい人がそばにいる場合のほうが、体温がより効率的に調節されていた。また、ストレスを与える実験では、成人と乳児のいずれにおいても、親しい人がそばにいる場合のほうが神経系の調節がより効率的に行われていた。
研究者らは、この現象を「社会的生理学(social physiology)」と呼んでいる。これは、血糖値や体温、ストレスの程度などが短期的に変化した際、親しい人がそばにいることで、体内のさまざまな生理機能がより効率的に調節される可能性があるという考え方だ。
ただし、今回測定されたのは短期的な生理的反応であり、こうした影響が長期的な健康上の利点につながるかどうかを明らかにするには、さらなる研究が必要となる。
人とのつながりが健康を支える可能性
2023年に学術誌「British Medical Journal」に掲載された研究では、50歳以上の成人は、1人暮らしの人よりも、パートナーと同居している人のほうが平均血糖値が低く、この傾向はパートナーとの関係が良好か、緊張を伴うものかにかかわらず見られた。
2021年にカタルーニャ・オベルタ大学とバルセロナ自治大学が行った研究では、デジタル機器を使わず、会話を楽しみながら家族と定期的に食事をする10代の若者は、満腹感をより適切に認識できることが示された。こうした食事の習慣は、肥満の予防にも役立つ可能性がある。
研究者らは、親しい人とのつながりは医療や栄養、運動に代わるものではないとしながらも、身近な人とのつながりも健康を支える一つの要素になり得ると指摘した。
出典
https://www.independent.co.uk/news/science/blood-glucose-levels-socialising-family-health-b3054177.html
https://www.eatingwell.com/eating-with-others-health-benefits-study-12155217
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