【スマホを置いて本を読もう】1日6分の読書でもストレス68%低下!共感力や認知機能にも好影響、最新研究が示唆

【スマホを置いて本を読もう】1日6分の読書でもストレス68%低下!共感力や認知機能にも好影響、最新研究が示唆
山口華恵
山口華恵
2026-09-30

最近、本を読んだのはいつ?スマートフォンや動画を見る時間が増える一方で、楽しみのために本を読む人が減っている。米国では、読書を娯楽として楽しむ人がわずか16%だったという大規模な研究も出ている。

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たった6分の読書でストレスが68%低下した研究も

英ケンブリッジ大学などの研究者らが、読書と脳の健康や認知機能、心の健康との関係をまとめた論文を発表した。これまでのさまざまな研究から、読書はストレスや孤独感、他者への共感、さらには加齢に伴う認知機能の低下とも関連していることが見えてきたという。読書のメリットとして、まず注目されるのがストレスとの関係だ。過去の調査では、リラックスするための方法として「本を読む」と答えた人が38%に上り、読書は人気の高い気分転換の方法だった。さらに2015年の調査では、わずか6分間の読書が、ストレスレベルの68%低下と関連していた。

なぜ読書でストレスが下がるのか?ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン名誉教授によると、本に没頭すると意識や注意が物語に集中するため、日常の悩みから一時的に距離を置きやすくなるという。スマートフォンでSNSを眺めていると、次々と新しい情報が目に入ってくる。一方、本を読むときは目の前の文章を追い、ひとつの物語やテーマに意識を向ける。そのため、悩みを何度も繰り返し考えてしまう「反すう」が起こりにくくなる可能性がある。

サハキアン教授は、こうした点で読書にはマインドフルネスに似た側面があると説明している。そして、読書のメリットは「リラックスできる」だけではない。

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小説を読むと「他人の気持ち」を理解しやすくなる?

読書は、人とのつながりとも関係している。これまでの研究では、本を読むことで「他人の考え方を理解しやすくなった」「他者への共感が高まった」と感じる人が多く、異なる価値観に対してより寛容になったとする報告もある。特に小説など、人間関係や登場人物の感情が豊かに描かれた作品では、登場人物の立場や気持ちを想像しながら読み進めることになる。脳画像研究では、こうした読書中に、他人の立場や感情を理解する「社会的認知」に関係する脳領域が活性化することも示されている。つまり、本の中で誰かの人生を追体験することが、現実の人間関係にも関係している可能性がある。

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64歳以上を14年間追跡した結果、読書と認知機能にも関連

年齢を重ねてからの読書にも、興味深い研究がある。台湾で行われた研究では、64歳以上の人を14年間追跡。その結果、読書をしていた人は、読書をしていない人に比べて認知機能の低下が少ない傾向がみられ、その関連は教育歴にかかわらず確認されたという。また、55歳以上の約5500人を対象とした研究では、読書を含む脳を刺激する余暇活動を頻繁に行う人ほど、5年間の追跡期間中に認知機能障害を発症する可能性が低かった。さらに別の研究では、新聞や雑誌、本を読むことが、アルツハイマー病のリスク33%低下と関連していた。

ただし、ここは誤解のないようにしたい。これらの研究の多くは、読書習慣のある人とない人を比較したものだ。そのため、「本を読めば認知症を防げる」と証明されたわけではない。もともとの生活習慣や健康状態など、読書以外の要因が関係している可能性もある。それでも、長期間の追跡研究を含め、読書と認知機能の関連が繰り返し報告されている点は注目される。

子どもの頃からの読書は、注意力やメンタルヘルスとも関係

読書の研究は大人だけを対象にしたものではない。ケンブリッジ大学の研究者らが1万人を超える子ども・若者を対象に行った研究では、幼い頃から読書を楽しんでいた子どもは、思春期になった時点で、注意力や記憶力、実行機能が優れている傾向がみられた。さらに、学業成績が良く、メンタルヘルス上の問題が少ないほか、睡眠時間が長く、スクリーンを見る時間が短い傾向も確認されたという。脳画像でも、言語や学習、感情のコントロール、意思決定などに関係する脳領域に違いがみられた。

では、大人はどのように読書を始めれば良いのか?「健康のために本を読まなければ」と考えて、いきなり分厚い長編小説を選ぶ必要はない。研究者も、自分が「読みたい」と思えるものを選ぶことが重要だとしている。小説でも、エッセイでも、趣味の本でも、雑誌でもいい。好きな映画やゲームに関連した作品から始めるのも一つの方法だ。

大切なのは、スマートフォンを置いて、本に意識を向ける時間をつくること。寝る前の数分間、休憩時間の6分間など、短い時間でも構わない。読書は、特別な道具も場所も必要としない。そのうえ、物語を楽しみながら、日常から少し離れる時間にもなる。「最近、本を読んでいない」と感じているなら、まずは好きな一冊を手に取ってみる。健康のために無理をして読むのではなく、たった6分、本の世界に没頭する。そんな小さな習慣が、心と脳にとって思いがけない時間になるかもしれない。

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出典:

The Surprising Health Benefits of Reading a Book

Reading Linked To Lower Stress, Better Brain Health

Reading for pleasure linked to better mental health and greater empathy

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