夏の終わりの「豚しゃぶ」にのせるだけ。ビタミンB1と一緒にとりたい食材3選|管理栄養士が解説
9月に入っても、まだまだ暑い日が続きます。夏の疲れが出やすく、食欲が落ちているときには、さっぱり食べられる豚しゃぶが食卓に登場することも多いのではないでしょうか。豚肉は、たんぱく質だけでなくビタミンB1を多く含む食品です。ビタミンB1は、食事からとった糖質をエネルギーとして利用する過程に関わる栄養素で、不足すると疲れやすさや食欲低下などにつながることがあります。夏の間、そうめんやうどんなどの麺類で食事を簡単に済ませる機会が増えていた方も、残暑の時期こそ、豚しゃぶを取り入れてビタミンB1を意識してみてはいかがでしょうか。
豚しゃぶと合う食材は?
豚肉はビタミンB1を多く含む食品ですが、一緒に食べる食材によっては、ビタミンB1を体内で利用しやすい形にする成分をとることもできます。
豚しゃぶは、薬味を添えたり、たれに加えたりしやすい料理ですが、せっかくなら味のアクセントだけでなく、栄養面も意識して組み合わせてみましょう。
ここからは、豚しゃぶに合わせたい3つの食材を紹介します。
1.にんにく
まず取り入れたいのが、にんにくです。
にんにくを切ったり、すりおろしたりすると、アリインという成分に酵素が作用してアリシンが生成されます。アリシンはビタミンB1と反応してアリチアミンをつくります。アリチアミンはビタミンB1として体内で働き、ビタミンB1より腸管から吸収されやすいことが報告されています。
豚しゃぶなら、すりおろしたにんにくをのせたり、たれに加えたりして手軽に取り入れられます。刺激が気になる場合は、量を控えめにすると食べやすくなります。
2.ニラ
次におすすめしたいのが、ニラです。ニラも、にんにくと同じネギ属の野菜です。ニラに含まれる成分とビタミンB1を反応させた研究では、アリチアミンやその関連物質が生成されることが確認されています。
豚しゃぶに合わせるなら、細かく刻んでそのままのせるのがおすすめです。ニラの香りが加わり、さっぱりした豚しゃぶのアクセントにもなります。
3.玉ねぎ
玉ねぎは、豚しゃぶにシャキッとした食感を加えたいときにおすすめです。玉ねぎも、にんにくやニラと同じネギ属の野菜です。ただし、ビタミンB1との関係については、にんにくやニラほど明確な根拠はありません。今回は、豚しゃぶに合わせやすい香味野菜として取り入れました。
薄くスライスして豚しゃぶにのせると、豚肉と一緒に食べやすく、シャキッとした食感も楽しめます。
おすすめポン酢だれ
今回は、紹介した3つの食材のうち、にんにくと玉ねぎを使って豚しゃぶに合うたれを作ってみました。
【材料:1人分】
- 玉ねぎ 1/8個
- にんにく 1/4片
- 長ねぎ 5cm
- ポン酢 大さじ1と1/2
- ごま油 小さじ1/2
- 砂糖 小さじ1/4
【作り方】
- 玉ねぎは薄くスライスし、長ねぎは斜め薄切りにします。
- にんにくはすりおろし、ポン酢、ごま油、砂糖と合わせます
- 玉ねぎと長ねぎを加えて5〜10分ほどなじませれば完成です。
温かい豚しゃぶのつけだれにも、冷しゃぶのかけだれにも使えます。
実際に冷しゃぶにかけてみると、ポン酢の酸味にごま油のコクが加わり、少し中華だれのような味わいになりました。玉ねぎのシャキッとした食感も残り、さっぱりした豚肉によく合います。
今回は長ねぎを使いましたが、ニラを取り入れたい場合は、長ねぎの代わりに細かく刻んだニラを加えてもよいでしょう。香りがしっかりしているので、少量から加えると味のバランスを調整しやすくなります。
まとめ
豚肉は、ビタミンB1をしっかりとれる食材です。にんにくやニラなどの薬味を合わせることで、味に変化がつくだけでなく、ビタミンB1をより効率よくとることにもつながります。
豚しゃぶなら、薬味を切って添えたり、たれに加えたりするだけなので手軽です。まだまだ暑い残暑の時期こそ、いつもの豚しゃぶにプラスしてみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
文部科学省「食品成分データベース」
Fujiwara M, Watanabe H, Matsui K. “ALLITHIAMINE” A NEWLY FOUND DERIVATIVE OF VITAMIN B1. I. DISCOVERY OF ALLITHIAMINE. The Journal of Biochemistry. 1954;41(1):29-39.
Fujiwara M, Nanjo H, Arai T, Suzuoki-Ziro. “ALLITHIAMINE” A NEWLY FOUND DERIVATIVE OF VITAMIN B1. II. THE EFFECT OF ALLITHIAMINE ON LIVING ORGANISM. The Journal of Biochemistry. 1954;41(2):273-285.
万木庄次郎「Allium属植物成分とVitamin B1との反応に関する研究(I)Allithiamine様物質の検出と分離 その1」薬学雑誌. 1954;74(5):502-506.
万木庄次郎「Allium属植物成分とVitamin B1との反応に関する研究(II)Allithiamine様物質の検出と分離 その2」薬学雑誌. 1954;74(5):506-510.
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