「不安を感じる…希望を持てない」見えない未来より今日を生きる「考え方のヒント」【精神科医Tomyの処方箋】

「不安を感じる…希望を持てない」見えない未来より今日を生きる「考え方のヒント」【精神科医Tomyの処方箋】
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「私の人生、このままでいいの?」Xフォロワー数約40万人!大人気の精神科医Tomyが贈る「人生の停滞期」に一歩踏み出すためのヒント。書籍『人生迷子 - 立ち止まったときの処方箋 -』(ワニブックス)より、内容を一部抜粋して紹介します。

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社会全体が悪くなっていくように感じて、希望を持てない。

その気持ち、よくわかります。私も年を重ねるごとに、どんどんそう思う機会が増えてきました。ただ、本当に社会全体が悪くなってきているのかというと、そうでもないと思うんです。戦争、災害、経済不安といったニュースに日常的に触れていると、人は自然と「これから先は良くならない」と感じやすくなります。これは悲観的な性格のせいではありません。脳にはもともと、危険や損失を優先的に察知する仕組みがあるとも言われています。

心理学ではこれをネガティビティ・バイアスあるいは損失回避傾向(Loss Aversion)と呼びます。人は「得たもの」よりも「失ったもの」「失うかもしれないもの」に強く心を奪われやすいのです。若いときは口にしなかったのに、いつしか口にするようになっていた言葉ってありませんか? 私にとっては「昔は良かった」という言葉がそれにあたります。私だけでなく、周りの人間も結構口にしています。私は若いとき、この言葉に良い印象を持ってはいませんでした。ネガティブですし、なんだか若さへの嫉妬のようなニュアンスも感じ取っていたからです。しかし、最近はこう考えています。どの時代を生きた人も、多かれ少なかれ「昔は良かった」と感じているはずだ、と。これは記憶の偏りによるものです。人は過去を振り返るとき、つらかった細部を忘れ、安心感のあった部分を強調しやすい。

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その結果、「今は悪い時代だ」という感覚が、どの世代にも繰り返し生まれます。つまり、「時代が特別に悪いわけではない」ということです。昔のほうが良いことも、今のほうが良いこともあるはずです。ここで、はっきりさせておきたいことがあります。実は、希望とは、社会の動きの中に探すものではありません。社会全体を見渡そうとすると、人は無力感を感じやすくなります。これは、自分ではどうにもできない問題ばかりが目に入るからです。一方で、視野を「自分の人生」に戻すと、希望は現実的なものになります。つまり「なんとかできそう」なことが希望なのです。また、ちょっと視点を変えることも大事です。「社会全体がダメになっている」と感じるとき、「実は心身がかなり疲れているのではないか?」と考えてみてください。

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疲労が強い状態では、脳はネガティブな情報を拾いやすくなります。これはうつ状態や強いストレス状態でもよく見られる特徴です。この段階で無理に「前向きになろう」「希望を持たなきゃ」と考える必要はありません。必要なのは、考えることをやめて、休むこと。休息によって脳の状態が整うと、同じ現実を見ていても、感じ方は自然と変わってきます。大事なのは自分の「今日一日」をどう生きるかです。人生は、一人ひとりに与えられている「生まれてから死ぬまでの時間」に過ぎません。うまくいく日もあれば、思うようにいかない日もある。それは誰にとっても同じです。遠い未来が見えなくても、今日一日を、少し穏やかに過ごせたなら、それは立派な「前進」です。

一つでもいいので、「今日はこれをやった」というものを作るのもいいかもしれません。無理はしすぎず、「今日」の目標を持って動く。あまり先のことは見据えない。むしろそのほうが明るい希望が持てるはずです。

『人生迷子 - 立ち止まったときの処方箋 -』(ワニブックス)
『人生迷子 - 立ち止まったときの処方箋 -』(ワニブックス)

  この本の著者…精神科医Tomy

1978年生まれ。東海中学・東海高校を経て、名古屋大学医学部卒業。医師免許取得後、名古屋大学精神科医局に入局する。3 9万フォロワー突破のX(旧・Twitter)が人気で、テレビ・ラジオなどマスコミ出演多数。著書『精神科医Tomy が教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)に始まる「1 秒シリーズ」は、累計36万部を超えるベストセラーに。『精神科医Tomy の気にしない力』(だいわ文庫)、『精神科医Tomy が教える30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)、『うつ未満 。 「大丈夫」と言えない日の相談室』(秀和システム新社)ほか著書多数。X:@PdoctorTomy

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『人生迷子 - 立ち止まったときの処方箋 -』(ワニブックス)