「夏だから仕方ない」その一言で終わらせていませんか?更年期世代が夏の不調と上手につき合うために

「夏だから仕方ない」その一言で終わらせていませんか?更年期世代が夏の不調と上手につき合うために
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高本玲代
高本玲代
2026-07-10

更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。

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朝、目覚ましが鳴った瞬間、「もう少し眠っていたいなぁ」と思う。

夜は暑さや汗で何度も目が覚め、朝になっても疲れが抜けない。

ようやく仕事へ向かっても、午前中だけでぐったりしてしまう。

そんな毎日を過ごしながら、「夏だから仕方ないよね」と自分に言い聞かせている方はいませんか。

夏は、ただでさえ体力を消耗しやすい季節です。

暑さや湿度の影響を受けるのは自然なことですし、この時期に体調を崩す方が増えるのも珍しいことではありません。

実際に、私がこれまで多くの働く女性のご相談を伺う中で の働く女性からご相談を受ける中でも、夏になると寄せられる声は少し変わります。

「汗がひどくて眠れません。」

「朝から体が重くて、仕事へ行くだけで精一杯です。」

「帰宅すると何もしたくなくて、そのままソファで寝てしまいます。」

こうしたご相談は、この季節になると毎年のように増えていきます。

そして、多くの方が最後にこうおっしゃいます。

「夏だから仕方ないですよね」

私は、この言葉を聞くたびに思うことがあります。

確かに、夏という季節が体に負担をかけることはあります。

でも、「夏だから」という一言で片づけてしまうと、本当は気づけるはずだった体からのサインを見逃してしまうことがあるのです。

「頑張り屋さん」ほど、自分の変化に気づきにくい

これまで多くの方とお話をしてきて感じるのは、夏に体調を崩しやすい方にはある共通点があるということです。

それは、とても真面目で、頑張り屋さんだということ。

仕事では責任ある立場を任され、家庭では家族を優先し、自分のことはいつも後回し。

「忙しいのはみんな同じだから」

「もう少し頑張れば大丈夫」

そうやって毎日を過ごしているうちに、気づけば疲れが積み重なっている方が少なくありません。

だからこそ、不調を感じても、

「年齢のせいかな」

「夏だから仕方ない」

と、自分の体からのサインを後回しにしてしまいます。

でも、以前と同じように動けなくなった自分を責める必要はありません。

季節が変われば、体の感じ方も変わります。

年齢を重ねれば、これまでと同じ頑張り方が合わなくなることもあります。

変化があること自体は、ごく自然なことなのです。

「朝から疲れている」は、体からのメッセージかもしれません

夏のご相談で特に多いのが、「眠れない」というお悩みです。

寝苦しくて夜中に何度も目が覚める。

汗をかいて着替えることもある。

朝起きた時には、「ちゃんと寝たはずなのに疲れている」と感じる。

そんな状態が続けば、日中のパフォーマンスにも影響しやすくなります。

仕事中に集中できない。

ちょっとしたことでイライラしてしまう。

家に帰ると、夕食を作る気力も残っていない。

こうした変化が続くと、「気持ちの問題なのかな」「私の頑張りが足りないのかな」と考えてしまう方もいます。

でも、私はまず、「最近、ぐっすり眠れていますか?」とお聞きします。

睡眠は、体と心の回復にとって大切な時間です。

だからこそ、眠れない日が続いているのであれば、「気合いで乗り切ろう」とする前に、一度立ち止まってみることも必要です。

体調は、一つの原因だけで変化するものではありません。

仕事の忙しさ。

家庭での役割。

睡眠不足。

暑さによる疲労。

さまざまな要因が重なり合って、「今」の状態につながっていることも少なくありません。

だから私は、「原因はこれです」と一つに決めつけるのではなく、「最近の生活全体を一緒に整理してみましょう」とお伝えするようにしています。

汗をかく機会が減っていませんか?

もう一つ、相談を受ける中で感じることがあります。

それは、普段あまり汗をかく機会がない生活を送っている方が、とても多いということです。

一日中デスクワークで座っている。

職場も自宅もエアコンが効いていて、外へ出る時間がほとんどない。

忙しくて運動する余裕がない。

暑いから休日も家で過ごすことが増えた。

こうした生活は、今では決して珍しいものではありません。

もちろん、「汗をかけば体調が良くなる」と言えるわけではありません。

ただ、私のもとへ相談に来られる方を見ていると、このような生活スタイルの方がとても多いと感じています。

だからといって、「今日から運動を始めましょう」と言いたいわけではありません。

実際には、その一歩を踏み出せないほど疲れている方も多いからです。

「運動した方がいい」は分かっている。でも、それができない

「運動した方がいいことは分かっています。」

これは、ご相談の中で本当によく耳にする言葉です。

そして、そのあとに続くのは、

「でも、その元気がないんです」

という一言。

私は、この言葉を聞くたびに、「そうですよね」と思います。

体調がつらいときに、「今日からウォーキングを始めましょう」と言われても、それができるくらい元気なら、そもそも困っていないのです。

だから私は、最初から大きな目標を立てる必要はないと思っています。

たとえば、朝起きたら背伸びをしてみる。

仕事の合間に肩を回してみる。

寝る前に数分だけストレッチをしてみる。

そんな小さなことでも十分です。

汗をかける環境をつくれたら理想ですが、体調が思うように整わない時期には、それすら難しい日もあるでしょう。

だからこそ、「できなかったこと」に目を向けるのではなく、「今日できたこと」を一つ見つけてあげてください。

体は、急には変わりません。

でも、小さな積み重ねは、少しずつ次の一歩につながっていきます。

「今は通過点」と考えてみる

体調が思うようにならない日が続くと、

「このままずっと元気になれないのでは」

そんな不安が頭をよぎることがあります。

以前は普通にできていたことができなくなると、自分を責めてしまう方も少なくありません。

でも、私は相談者の方によく、

「今は通過点だと思ってみてください。」

とお伝えしています。

季節は変わります。

体調も変わります。

そして、体との付き合い方も、これまでとは少しずつ変わっていきます。

だからこそ、「以前と同じ自分」に戻ろうと頑張るよりも、「今の自分」に合った過ごし方を探していくことの方が大切なのではないでしょうか。

少し疲れた日は、少し休む。

眠れなかった日は、予定を詰め込みすぎない。

「今日はここまでできれば十分」と、自分に声をかけてあげる。

そんな日があってもいいのです。

一人で抱え込まないという選択肢も

「もう少し頑張れば何とかなる」

そう思いながら過ごしている方ほど、限界まで我慢してしまうことがあります。

でも、つらい状態が続くときには、一人で抱え込まないことも大切です。

更年期の症状が疑われる場合には、医療機関へ相談するという選択肢もあります。

症状や状況によっては、ホルモン補充療法(HRT)などの治療が検討されることもあります。

どの方法が合うかは人それぞれです。

だからこそ、「我慢する」ことを前提にするのではなく、必要に応じて医療の力も借りながら、自分に合った方法を見つけていくことが大切です。

「相談する」という行動は、決して弱さではありません。

これからの自分を大切にするための、一つの選択です。

「夏だから仕方ない」で終わらせないために

夏は、誰にとっても体力を消耗しやすい季節です。

だから、不調を感じること自体は特別なことではありません。

でも、その不調を「夏だから仕方ない」という一言だけで終わらせてしまうのは、少しもったいないように感じます。

「最近、眠れていますか」

「少し頑張りすぎていません」

「自分のことを後回しにしていませんか。」

そんなふうに、自分自身へ問いかける時間を持つことも、この季節を健やかに過ごすための大切な習慣です。

今の自分にできることは何でしょう。

5分だけストレッチをすることかもしれません。

いつもより少し早く布団に入ることかもしれません。

仕事の合間に深呼吸をしてみることかもしれません。

大切なのは、完璧を目指すことではなく、「今の自分にできること」を積み重ねていくことです。

もし今、思うように体がついてこなくても、焦る必要はありません。

今は通過点。

そう思いながら、自分の体の声に少しだけ耳を傾けてみてください。

夏を乗り切るために必要なのは、「もっと頑張ること」ではなく、今の自分を知り、その時々の体調に合わせて過ごし方を選んでいくことなのかもしれません。

その積み重ねが、この夏だけでなく、この先の毎日を少しずつ心地よいものに変えてくれるはずです。

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