更年期の今、手放したい5つのこと|3000件以上の相談を受けてきた私が考える、しんどさの背景
更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。
更年期を迎える頃になると、
「以前のように頑張れなくなった」
「思うように動けなくなった」
「なんだか自分が弱くなった気がする」
そんなふうに感じる方が少なくありません。
実際、これまで私自身も3000件以上の相談を受け、その中の約1600件のご内容を分析しましたが、多くの方が似たような言葉を口にされます。
けれど、お話を伺っていると、それは決して「弱くなった」わけではないように感じます。
むしろ長い間、頑張り続けてきたからこそなのです。
仕事。
家族。
子育て。
親のこと。
人間関係。
自分のことは後回しにしながら、その時々で必要な役割を一生懸命果たしてきた。
だからこそ更年期という時期は、「もっと頑張る方法」を探すよりも、「今まで抱えてきたものを少し下ろす時期」と考えてもよいのかもしれません。
今日は、更年期の今だからこそ手放したい5つのことについてお話ししたいと思います。
1. 元気だった頃の自分との比較
まず手放したいのは、「昔の自分との比較」です。
以前はもっと働けた。
夜更かししても平気だった。
多少無理をしても翌日には回復していた。
そうした経験があるからこそ、今の自分を見て落ち込んでしまうことがあります。
しかし、人は年齢とともに変化していきます。
それは悪いことではありません。
20代の自分と比べるように、40代や50代の自分を評価し続ければ、どうしても苦しくなります。
大切なのは、過去の自分に戻ることではなく、今の自分に合ったやり方を見つけることです。
2. 完璧にやろうとすること
ご相談の中で非常に多いのが、「ちゃんとやらなければ」という思いです。
食事も完璧に。
運動も毎日。
睡眠も整える。
仕事もきちんと。
家事も手を抜かない。
もちろん、それ自体は素晴らしいことです。
ただ、更年期の時期は体調や気分に波が出やすくなります。
そんな時に完璧を目指し続けると、
できない日がある
↓
自分を責める
↓
さらに苦しくなる
という流れが生まれやすくなります。
実際には、毎日100点である必要はありません。
60点の日があってもいい。
40点の日があってもいい。
「今日はこれだけできた」
そんなふうに考えられる方ほど、長い目で見ると安定していくことが多いように感じます。
3. 人からどう思われるかを気にしすぎること
更年期世代の女性は、とても責任感が強い方が多い印象があります。
だからこそ、
迷惑をかけたくない。
期待に応えたい。
嫌われたくない。
そんな思いを抱えていることも少なくありません。
けれど、人の評価は自分ではコントロールできません。
どれだけ頑張っても、全員に理解してもらうことは難しいものです。
にもかかわらず、それを目指し続けると心は疲れてしまいます。
これからの人生は、誰かにどう思われるかよりも、
「私はどうしたいのか」
を少しずつ大切にしてもよい時期なのかもしれません。
4. 情報を集め続けること
不調を感じると、多くの人が情報を探し始めます。
食事法。
サプリメント。
運動。
睡眠。
更年期対策。
情報を知ることは決して悪いことではありません。
ただ、相談の現場で感じるのは、「情報が増えるほど動けなくなってしまう方も少なくない」ということです。
どれが正しいのだろう。
何から始めればいいのだろう。
もっと良い方法があるのではないか。
そうして調べ続けるうちに、行動が止まってしまうことがあります。
本当に必要なのは、完璧な情報ではなく、小さく試してみることかもしれません。
5. 一人で何とかしようとすること
最後に手放したいのは、「全部一人で何とかしようとすること」です。
真面目な方ほど、人に頼るのが苦手です。
相談する前に自分で解決しようとする。
迷惑をかけないように頑張る。
弱音を見せない。
けれど、人は一人で生きているわけではありません。
家族。
友人。
職場の人。
専門家。
誰かの力を借りることは、決して甘えではありません。
むしろ長く元気でいるための大切な選択です。
最後に
更年期になると、
「何を足せばいいか」
を考えがちです。
けれど、これまで多くの方と関わる中で感じるのは、良くなっていく方ほど、何かを増やすより、何かを手放しているということです。
元気だった頃の自分との比較。
完璧主義。
人からどう思われるかという不安。
情報への執着。
一人で抱え込むこと。
そうしたものを少しずつ下ろしていくことで、心や体に余白が生まれていきます。
そして、その余白ができたとき、人はようやく自分の声を聞けるようになります。
今の自分でいい。
今日は少ししかできなくてもいい。
まずは小さく一歩進めばいい。
更年期は何かを失う時期ではなく、自分にとって本当に大切なものを選び直す時期なのかもしれません。
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