「老後が怖い」「貯金が足りない」40代から急増する"お金の不安"の正体|お金の不安のプロが指摘

「老後が怖い」「貯金が足りない」40代から急増する"お金の不安"の正体|お金の不安のプロが指摘
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岸原麻衣
岸原麻衣
2026-06-04

社会的に活躍し、経済的にも恵まれているはずなのに、なぜかお金のことで心が揺らぐ——。衝動買いや罪悪感の裏にあるのは、意志の弱さではなく「心のサイン」かもしれません。お金の不安に“寄り添う”専門家・ファイナンシャルセラピストの岸原麻衣さんが、お金の使い方を通して本当の不安を紐解く連載です。今回は「老後資金」についての不安が40代から急激に広がる原因をお話しします。

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「老後資金が足りない気がして心配」「なんとなく将来が怖い」——40代後半から、こうした訴えが増えてきます。収入も安定しているのに、なぜか不安が消えない。そんな経験はないでしょうか。

それは、脳の変化かもしれない

実は、この時期に生じる不安には、ホルモンの変化が深く関わっている可能性が指摘されています。更年期に起こる女性ホルモン(エストロゲン)の変動と低下は、脳内で恐怖や不安を司る扁桃体の働きに影響を与え得ることが、近年の神経科学の研究から分かってきています。

つまり、年齢を重ねるなかで自然と生じる脳機能の変化によって、お金にまつわる不安が過剰に呼び起こされてしまっている側面もあるかもしれません。更年期に出やすい症状としては、ホットフラッシュ、肩こり、イライラ、不眠などがよく知られています。それらに加え、理由のない恐怖や不安が喚起されやすくなるという変化も起こり得ることを、ぜひ知っておいていただきたいのです。

同時に押し寄せるもの

一方で、40代後半は、現実的な経済的変化が重なりやすいことも事実です。自身のキャリアと収入が天井に達する、子どもがいれば教育費がピークに差し掛かる、親の介護が少しずつ始まる——。目を背けたくなるようなリアルな資金繰りの問題も押し寄せてきます。

銀行口座や証券口座の残高、何枚も使い分けているクレジットカードの利用明細、とりあえず取ってあるレシート。存在は認識しているけれど、整理する暇なんてない。何か手を打った方が良い気はするものの、結局、誰に相談したら良いかわからない。

それに、こんなことで相談するのは恥ずかしい。

後回しにしても大きな問題が起こらなかったという経験も相まって、専門家に相談するには至らない人がほとんどだと思います。

感情の「鎮痛剤」としてのお金

不安を感じることは、あなたの失敗でも弱さでもありません。しかし、こうした不安を放置すると、想定外のところで問題が表出する場合があります。不安がある状態を、私たちはストレスフルだと感じるからです。その結果、このストレスを紛らわせるために、無意識にお金を使ってしまう。衝動買いなどはその典型的な例です。

こうしたお金にまつわる「分かっちゃいるけどやめられない」行動は、お金の不安や、それを誰にも相談できない孤独感に対する自己治療であることが少なくありません。問題は、お金の管理だけではなく、その背景にある感情が放ったらかしになっていることにもあるのです。

不安に、耳を澄ます

ヨガには、体の感覚を通じて今この瞬間の自分の状態に気づく実践が古くから根付いています。その姿勢を、お金の不安にも応用することができます。

あなたが抱えているお金の不安を心の中で思い浮かべながら、身体の内側にゆっくり意識を向けてみてください。胸のあたりが締まる、お腹が重い、肩に力が入る——どこかに不快感や違和感を感じる場所はないでしょうか。その位置を特定したら、そこにそっと意識を向けます。

次に、不快感や違和感が「ここにある」とただ認めること。ざわつきや落ち着かなさも消そうとしなくていい。気づきを出発点にするという姿勢は、ヨガとファイナンシャルセラピーに共通しています。

お金の不安は、解決すべき問題であると同時に、理解すべき感情です。その不安に向き合おうとする姿勢そのものが、次の一歩につながっていくのではないでしょうか。

お金と心の関係について、もう少し深く考えてみたいと感じた方は、私が所属するIPPにお気軽にご相談ください。

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