「歩くとふくらはぎが痛む」は血管のSOS?放置すると怖い「足の動脈硬化」を医師が解説
ふくらはぎに「歩くと痛い、休むと治る」といった症状があったら注意が必要かもしれません。血管の病気が隠れていることがあります。医師が解説します。
「年齢のせいかな」で済ませていませんか?
「少し歩くとふくらはぎが痛くなる」「休むとまた歩ける」。
こうした症状を、「運動不足かな」「年齢のせいかな」と軽く考えている方は少なくありません。
実際、外来でも、「歩くと足がだるい」「最近、長距離を歩けなくなった」という相談はかなり多いです。
ただ、その症状、単なる筋肉疲労ではなく、「血管からのSOS」のことがあります。
特に注意したいのが、足の動脈硬化です。
足の血管も「詰まる」
動脈硬化というと、心筋梗塞や、脳梗塞をイメージする方が多いと思います。
ただ実際には、足の血管にも動脈硬化は起こります。
代表的なのが、末梢動脈疾患です。以前は「閉塞性動脈硬化症」と呼ばれることも多かった病気です。
足の血管が狭くなり、血流が悪くなることで、歩行時の痛みなどが起こります。
特徴は「歩くと痛い、休むと治る」
この病気で特徴的なのが、「歩くと痛む」「休むと改善する」という症状です。
これは、歩行中に筋肉が酸素を必要とするのに、血流不足で十分な酸素が届かないためです。
特に多いのが、ふくらはぎの痛みです。
しばらく歩くと痛くなる。でも立ち止まるとまた歩ける。
この繰り返しがある場合、血管の病気が隠れていることがあります。
ケース①「運動不足だと思っていた」70代男性
70代男性で、「最近歩くと足が重い」という相談がありました。
本人は、「年だから仕方ない」と思っていたそうです。
ただ詳しく聞くと、「200mくらい歩くとふくらはぎが痛む」「少し休むとまた歩ける」という典型的な症状がありました。
検査すると、末梢動脈疾患が見つかりました。
もし放置していたら、さらに血流障害が進んでいた可能性もありました。
ケース②「湿布でごまかしていた」60代女性
60代女性で、「足がつる感じがする」と来院された方もいました。
最初は筋肉痛だと思い、市販の湿布で対応していたそうです。
ただ、「足先の冷え」「歩行時痛」「足の色の変化」もあり、検査すると血流低下が見つかりました。
本人も、「血管が原因とは思わなかった」とかなり驚かれていました。
怖いのは「足だけの病気ではない」こと
実は、足の動脈硬化がある方は、全身の血管にも動脈硬化が進んでいることがあります。
つまり、足の血管トラブルは、「全身の血管老化サイン」でもあるんです。
そのため、心筋梗塞や、脳梗塞のリスクも高くなると言われています。
こんな症状は要注意
特に注意したいのは、以下のような変化です。
「歩くとふくらはぎが痛む」
「休むと改善する」
「足が冷たい」
「足の色が悪い」
「傷が治りにくい」
「足の脈が弱い」
「年齢のせい」で片付けないことが大切です。
喫煙はかなり大きなリスク
外来で強く感じるのが、喫煙との関係です。
末梢動脈疾患の患者さんでは、喫煙歴がある方がかなり多いです。
タバコは血管を傷つけ、動脈硬化を進めます。
さらに、「糖尿病」「高血圧」「脂質異常症」もリスクになります。
「歩けなくなる」前に気づくことが重要
病状が進行すると、安静時でも痛みが出たり、傷が治りにくくなったりします。
重症化すると、最悪の場合、足の切断につながることもあります。
だからこそ、「まだ歩けるから大丈夫」ではなく、早めに気づくことが重要なんです。
検査は意外とシンプル
足の血流は、血圧を測るような検査で確認できることがあります。
代表的なのが、ABI検査です。
腕と足の血圧を比較し、血流低下がないかを調べます。
比較的簡単にできる検査ですが、動脈硬化発見のきっかけになることがあります。
医師として感じること
足の痛みというと、多くの方は「筋肉」や「関節」をイメージします。
もちろんそれも多いです。
ただ実際には、「血管」が原因のケースも少なくありません。
特に、「歩くと痛い、休むと治る」。これはかなり重要なヒントになります。
足は「血管の状態」を映す鏡
足の血流は、全身状態を反映しやすい部分です。
つまり、足の症状は、「血管全体の老化サイン」のことがある。
だからこそ、単なる疲れと思い込まず、体からのSOSとして受け止めることが大切です。
「少し歩くと足が痛い」。その違和感が、動脈硬化を早く見つけるきっかけになることもあるんです。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く






