〈更年期〉人と比べてしんどくなるときに|更年期に起きやすい「思考のクセ」との付き合い方
更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。
ふとした瞬間に、人と比べてしまうことがあります。
SNSで誰かの投稿を見たとき。
職場で周りの様子を感じたとき。
あるいは、身近なコミュニティの中で。
「みんな元気に動けているのに、自分はできていない」
「あの人はうまくいっているのに、私は…」
そんなふうに感じて、気持ちが沈んでしまう。
そして最後は、「こんなふうに思ってしまう自分がダメなんだ」と、自分を責めてしまう。
こうした経験がある方は、決して少なくありません。
比較してしまうのは「性格」ではない
まずお伝えしたいのは、人と比べてしまうこと自体は、問題ではないということです。
多くの方が、
「比べないようにしなきゃ」
「ポジティブに考えなきゃ」
と思います。
けれど、無理にそうしようとすると、かえって苦しくなることもあります。
なぜなら、この「比較してしまう状態」は、単なる性格ではなく、今の心身の状態が影響していることが多いからです。
同じ人でも、状態によって全く変わる
実際に、心や体が安定しているときには、同じ状況でも気にならないことがあります。
誰かの成功を見ても、「すごいな」と思える。
それが、少し疲れているときや、余裕がないときには、
「どうして自分はできないんだろう」
「自分だけ取り残されている気がする」
という受け取り方に変わる。
つまり、比較してしまうかどうかは、その人の性格ではなく、そのときの状態に大きく左右されるのです。
「こんな自分はダメ」と思うほど苦しくなる
ここで多くの方がやってしまうのが、比較している自分を否定することです。
「こんなふうに思うなんてダメだ」
「もっと前向きにならないと」
けれどこのとき、すでに心身のバランスが崩れている状態に、さらに負担をかけてしまっています。
また、無理にポジティブになろうとすることも、同じように負担になります。
気持ちが追いついていない状態で、考え方だけを変えようとしても、どこかに無理が生まれてしまうからです。
比較は「状態のサイン」
では、どう捉えればいいのでしょうか。
ここで大切なのは、比較している自分を“状態のサイン”として見ることです。
「また比べてしまった」ではなく、「今は少し余裕がなくなっている状態なんだな」と捉える。
これは、自分を甘やかすことではなく、今の自分のコンディションを把握することです。
自分に還して考える
そしてもう一つ大切なのが、比較を“自分に還して考える”ことです。
たとえば、「あの人が羨ましい」と感じたとき。そのまま「自分はダメだ」と終わらせるのではなく、
・なぜそう感じたのか
・自分は本当にそれを望んでいるのか
を少しだけ見てみる。
もし、「本当に欲しい」と思うのであれば、そこに向けてできることを考えてみる。逆に、よく考えたらそこまで望んでいないのであれば、「自分には必要ないものだった」と気づくこともあります。
こうして整理していくことで、比較は、自分を責める材料ではなく、自分を知るきっかけに変わっていきます。
つらいときは、まずケアを
ただし、比較が強くなりすぎているときは、無理に考えようとしなくても大丈夫です。
その状態は、すでに心や体に負担がかかっているサインでもあります。
そんなときは、
少し休む
少し距離を取る
少し整える
まずは自分の状態を戻すことを優先してみてください。
最後に
人と比べてしまうとき、それはあなたの性格の問題ではなく、今の状態を教えてくれているサインかもしれません。だからこそ、無理にやめようとするのではなく、「今の自分はどういう状態なんだろう」と少し立ち止まって見てみる。
そこから、本当に必要なものが見えてくることもあります。
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