〈更年期〉頑張り屋さんほど、気づきにくい、更年期に起きている「見えない疲れ」の話
更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。
「なんとなく調子が悪い」
そう感じて病院に行ってみたけれど、「特に異常はありませんね」と言われる。
それでも、とにかく疲れが抜けない。夕方になると動けなくなる。気力も落ちて、今までのように過ごせない。
そんな状態が続いている方は、決して少なくありません。
そして多くの方が、こう思います。
「更年期だから仕方ないのかな」
「年齢的なものかもしれない」
「でも、どこか悪いところがある気もする」
はっきりした原因が分からないまま、不安だけが残っていく。これが、「なんとなく不調」と呼ばれる状態です。
実は「体だけ」の問題ではない
こうした不調があるとき、多くの方はまず「体」に原因を求めます。
もちろん、更年期はホルモンの変化によって体に影響が出る時期ではあります。
ただ実際には、それだけで説明できるケースばかりではありません。むしろ多いのは、体だけでなく、いくつかの要素が重なっている状態です。
たとえば、
- 身体的な疲れ
- 頭の使いすぎによる脳の疲労
- 気づかないうちに抱えているストレス
- 日々の生活や人間関係による負荷
これらが重なり合い、バランスが崩れている。その結果として、「原因がはっきりしない不調」として現れていることが多いのです。
頑張り屋さんほど、気づきにくい
ここで一つ大切な特徴があります。
それは、こうした不調は頑張り屋さんの方ほど起きやすいということです。
- これくらいはできて当たり前
- 周りに迷惑をかけないようにしなければ
- ちゃんとやらなければいけない
そうした意識を持っている方ほど、知らないうちに自分に負荷をかけ続けています。
しかもその負荷は、自覚しにくい形で積み重なっていきます。
気づいたときには、「なぜこんなに疲れているのか分からない」という状態になっている。これが、更年期に多く見られるパターンです。
「夕方に崩れる」のはサイン
特に多いのが、「朝はまだ大丈夫なのに、夕方になると一気に動けなくなる」という状態です。
これは単なる体力の問題ではなく、一日かけて蓄積した負荷が、処理しきれなくなっているサインです。
体の疲れだけであれば、ある程度予測がつきます。
けれど、頭の疲れや、見えないストレスは、限界に近づくまで気づきにくいものです。
そのため、夕方になって急に崩れる、という形で現れます。
よくある「間違った対処」
こうした状態になると、多くの方がまず考えるのは、「何か足りていないのではないか」ということです。
- もっと体にいいものを取り入れた方がいいのでは
- 効果のあるサプリを試した方がいいのでは
- 運動を増やした方がいいのでは
つまり、“何かを足す”ことで解決しようとするのです。
もちろん、それが必要な場合もあります。
ただ、この「なんとなく不調」の状態においては、それが逆効果になることも少なくありません。
なぜなら、すでに負荷がかかっている状態に、さらに新しいことを加えてしまうからです。
本当に必要なのは「やめること」
では、どうすればいいのか。
ここで大切なのは、何をやるかではなく、何をやめるかを決めることです。
- 無理に頑張り続けることをやめる
- 完璧にやろうとすることをやめる
- 必要以上に自分に負荷をかけることをやめる
そしてもう一つ重要なのは、自分の体調を悪化させているものに気づくことです。
たとえば、本当は休んだ方がいいのに無理をしている。考えすぎて頭を使い続けている。気づかないうちにストレスを溜めている。
こうしたものを一つずつ減らしていくことで、体は少しずつ回復していきます。
整える前に、「状態を知る」
多くの方が、「どうすれば良くなるか」を先に考えます。
けれど、その前に必要なのは、「今、自分がどういう状態なのか」を知ることです。
- 体なのか
- 頭なのか
- 気持ちなのか
- 環境なのか
どこに負荷がかかっているのかが分からないままでは、どんな対処をしても、どこかズレてしまいます。
特に頑張り屋さんの方ほど、「自分の状態を見る前に整えようとする」傾向があり、それが結果的に遠回りになることも少なくありません。
最後に
「なんとなく不調」は、決して気のせいではありません。
ただし、それは必ずしも「体だけの問題」でもありません。
いくつかの要素が重なった結果として、今の状態が起きている可能性があります。
だからこそ必要なのは、何かを足すことではなく、まずは今の状態を整理すること。
そして、自分にとって負担になっているものを少しずつ減らしていくことです。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く




