更年期。何事もおっくうなとき、やっていいこと/やらなくていいこと

更年期。何事もおっくうなとき、やっていいこと/やらなくていいこと
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高本玲代
高本玲代
2026-02-26

更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。

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更年期の2月、「おっくうさ」とどう付き合うか

「何もしていないはずなのに、すごく疲れている」「やらなきゃいけないことは分かっているのに、体も頭も動かない」。更年期世代の女性から、こうした声を聞くことは少なくありません。特に2月は、この「おっくうさ」を感じやすい時期でもあります。そして多くの方が、こんなふうに自分を責めてしまいます。「甘えているのかもしれない」「もっと頑張らないといけないのに」。でも、何事もおっくうに感じるとき、問題なのは“やらないこと”ではなく、“やり方を間違えること”です。この時期に合わない行動を選んでしまうと、回復するどころか、さらに疲れを重ねてしまうこともあります。ここでは、更年期世代が「おっくうなとき」にやっていいこと/やらなくていいことを、できるだけ具体的に整理してみたいと思います。

まず知っておいてほしいこと

「おっくうさ」は、やる気や根性が足りないサインではありません。更年期に入ると、体力・気力・集中力の回復に必要なエネルギー配分が変わります。以前と同じように動こうとすると、知らないうちに思考や判断を使いすぎてしまうのです。つまり、「おっくう」はこれ以上、無理を重ねないでほしいという合図でもあります。この前提を知っているだけで、選ぶ行動は大きく変わります。

おっくうなときに【やらなくていいこと】

① 無理に前向きになろうとする

「気持ちの問題だから」「ポジティブに考えよう」。そう思おうとするほど、頭の中は忙しくなります。前向きになるには、実はエネルギーが必要です。おっくうなときは、前向きになることを目標にしなくて大丈夫。落ち込まないようにしよう、ちゃんとしよう、こうした思考は、いったん脇に置いてみてください。

② すべてを“いつも通り”に戻そうとする

「今までできていたんだから」「これくらい普通にやらないと」。この考え方は、更年期世代には負担になりがちです。今のあなたは、以前のあなたとはエネルギーの使い方が違います。おっくうなときに“通常運転”へ戻そうとすることは、ケガをしているときに走ろうとするのと似ています。

③ 正解を探し続ける

何をすればよくなるのか、どの方法が一番なのか。おっくうな状態で正解探しをすると、思考はさらに疲れてしまいます。この時期に必要なのは「正しい答え」ではなく、負担の少ない選択です。

④ 自分を評価する

・今日はこれしかできなかった
・全然進んでいない
・ダメだな
こうした自己評価は、回復の妨げになります。おっくうなときは、評価そのものをお休みしていい時期です。

おっくうなときに【やっていいこと】

① 「今日は省エネモード」と決める

まずやってほしいのは、自分でモードを決めることです。「今日は省エネでいく」「最低限でOK」。こう決めるだけで、判断の回数が減り、頭が少し楽になります。これは逃げではなく、自分に合った運転モードを選ぶ判断です。

② やることを“減らす”ではなく“軽くする”

何もやらないのが難しい人ほど、「量」ではなく「重さ」を変えてみてください。
・完璧にやる → 途中まで
・まとめてやる → 5分だけ
・考えてからやる → 手を動かしてから考える
同じ行動でも、負荷を下げるだけで続けやすくなります。

③ 体を整えようとしすぎない

意外かもしれませんが、おっくうなときほど「運動しなきゃ」「整えなきゃ」と思いがちです。でも、頑張る整え方は必要ありません。
・深呼吸を一回
・肩を回す
・窓を開ける
整えようとしない整えで十分です。

④ 決めない、を選ぶ

この時期にとても大切なのが、決めないという判断です。・今後どうするか・いつまで続けるか・次に何を選ぶか。これらは、元気なときに考えても遅くありません。おっくうなときは、「保留」という選択肢を堂々と使っていいのです。

⑤ おっくうさを“情報”として扱う

「また動けなかった」ではなく、「今日はここで止まった」「この時間帯がしんどい」。そんなふうに、おっくうさを情報として眺めてみる。それだけで、自分との距離感が変わります。ヨガでいう「観察する」という姿勢に近いかもしれません。

更年期の2月は「整える準備の時期」

2月は、何かを完成させる月ではありません。春に向けて、体と心が静かに準備をしている時期です。何事もおっくうに感じるとき、無理に動こうとしなくても大丈夫。その感覚は、今のあなたに必要なペースをちゃんと教えてくれています。

最後に

「できない自分」をどうにかしようとしなくていい。「おっくうな自分」を追い立てなくていい。更年期は、やり方を変えることを学ぶ時期でもあります。今日は省エネでいい。今日は決めなくていい。そう思えること自体が、次の季節へ進むための大切な「整え」なのです。

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