〈体験談〉吐き気が止まらず人前で吐いたことも…彼女が見つけた、しんどさの対処法は #更年期ing

 〈体験談〉吐き気が止まらず人前で吐いたことも…彼女が見つけた、しんどさの対処法は #更年期ing
更年期ing

更年期症状には、ホットフラッシュのように明確なものもあれば、もともとあった不調が悪化するというような、ちょっとわかりにくいものも。今回インタビューした山口千奈津さん(52歳・仮名)は後者のタイプだったため、体の不調が更年期のせいなのか、他の理由があるのか判断がつきにくかったそう。その具体的な症状や、辛い時期の切り抜け方についてうかがいました。

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現在は、更年期の一番辛い時期は抜けた気がするという千奈津さん。会社員として働く彼女が、更年期症状らしきものを感じたのは47歳。生理周期の乱れからでした。「生理が不定期になっただけでなく、ひとたび生理が来ればベッドに血の海ができるほどの出血があり、明らかに今までと違っていて。でも当時は自分が更年期だとは意識しておらず、年齢的に閉経に向かう段階だから仕方ないのかなと思っていました」。

ところが、そこから更年期由来と思われる症状が、次々と出始めます。「生理の度に大量に出血するせいか貧血になり、上半身は暑いのに手先は冷たいというような、体温コントロールができないことが増えたのもこの頃です。さらに何よりもきつかったのが、頭痛と吐き気でした。普段から偏頭痛とそれに伴う吐き気が時々あったのですが、それが悪化した感じというか、薬を飲んでも頭痛がなかなかおさまらず、吐き気を併発することが増えてきて・・・」。応急処置に飲んだ薬も吐いてしまうので効果を得られず、寝てやり過ごそうにも吐いて眠れない、なんてこともしょっちゅうでした。

そんなとき、たまたま卵巣嚢腫が発覚して婦人科に通院することになったため、更年期らしき症状についても相談してみると、貧血改善のための薬が処方されました。さらに卵巣嚢腫の切除手術をするまでの間、ホルモン剤も飲むことになったのですが、これが千菜津さんの体には合わず、悩みの種だった吐き気がさらに増すという状態に。

「今までのような頭痛からの吐き気だけでなく、薬の作用と更年期症状の相乗効果なのか、一日中ずっと吐き気に悩まされていました。6時間ほど吐き続けて起き上がれなかった日も何度もあったし、人前で吐き気が止まらず、咄嗟にコップに向かって吐いた時はかなり辛かったですね。とにかくひたすら吐き気と闘っていた記憶しかありません」。一番ひどかった時期には、頭痛と吐き気のせいで起き上がれず、体はだるくやる気も起きないという日が週に何度もあったのだとか。

その後、卵巣嚢腫の手術で卵巣を片方切除し、閉経を迎えた千菜津さん。さらにコロナ終息も重なり、心身の負担が徐々に減ってきたせいか、現在では辛い症状が少しずつおさまってきているのを実感しているそう。そんな中、自身が見つけた更年期症状との付き合い方を教えてくれました。

「頭痛があるときなどは、家事をサボったり意識して自分を癒したりするようにしています。例えば家事だったらご飯はウーバーで調達できるし、掃除だって1週間しなくても生きていけますよね。しんどいなら自分が嫌な家事はサボってもいいと思います。また、私は一番体調が辛かったときがちょうどコロナ禍だったので、仕事でリモートを活用できたのがありがたかったですね。仕事ってなかなか休めない人も多いけれど、迷惑をかけない程度に許される範囲で、手を抜けるところは抜く、みたいなことも自分の身体のためにはありかもしれません」。

ちなみに体調が悪くて食事の用意ができない日も、愛犬の散歩だけは負担に感じなかったといいます。「そもそも生き物を飼う責任があるから、むやみにサボるのは良くないと思うのですが、何より気分転換にもなるので、吐き続けて起き上がれないという時以外は行っていました。今思えば、外に出てお日様を浴びて自然の中を歩き、四季を感じることが、心身にもいい影響を与えてくれていた気がします」。

ほかにも自分を癒すために習慣としているのは、マッサージと温泉に浸かること。「体の凝りがほぐれると頭痛も和らぐことがあるので、月に2、3回はマッサージに行きます。温泉は2〜3ヶ月に1回は行くようにしています。ゆっくりお湯に浸かると心身ともに癒される気がします。お気に入りの那須の鹿の湯には湯治のつもりで通っています」。

結果として、特に積極的な治療をしないまま更年期症状と付き合い、そのピークを超えたという千奈津さんですが、もし今悩んでいる人に相談されたら、もう少し積極的な治療をおすすめするそう。「私が病院に行かなかったのは、偏頭痛からの吐き気は昔からあり、更年期で症状が悪化していると気づかなかったからです。また日頃から弱みを人に話すタイプでもないし、家族も私が不調の時に家事をしないことを許容してくれていたので、ひたすら休むことでやり過ごしていました。でも後から更年期症状にプラセンタ注射が効いた、などという人の話を聞いたとき、知っていたらやりたかったと思ったし、更年期のようにたくさんの人が経験してきたことは、やはりその対処方法を先人に学ぶ方が、より生きやすい気がします」。

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山田メノポ

山田メノポ

更年期歴5年のアラフィフライター。出版社勤務を経て、ファッションやライフスタイル誌の編集やライティングなど、フリーランスとして活動。本業の傍ら、更年期症状という同じ悩みを持つ人に、リアルな声と情報をお届けするべく奮闘中。趣味はネットでセレブのゴシップと発言小町を読み耽ること。



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