更年期症状の辛さから引きこもり→体重増加→足底筋膜炎に…悪循環から抜け出せたのは〈体験談連載〉

 更年期症状の辛さから引きこもり→体重増加→足底筋膜炎に…悪循環から抜け出せたのは〈体験談連載〉
更年期ing

46歳から様々な更年期症状に悩まされてきた、ショップ&カフェ経営者の佐藤瑛子さん(仮名)。前編では、その中でも一番キツかったという強い自己否定感についてうかがいました。後編となる今回は、そのココロの症状に伴って出てきたカラダの症状、さらにはそこから脱け出すため、思い切って事業を縮小したことなどについて語ってくれました。

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夕方から落ち込む日々

自己否定感に打ちひしがれ、更年期症状の辛さを嫌というほど味わっていた瑛子さん。そんな状況にも関わらず、自身が経営するフラワーショップとカフェの仕事は続けていました。さらに仕事以外にも、コロナ禍の地元の飲食店を盛り上げるという社会活動まで手掛けており、不思議なことに昼間はこれらをきちんとこなせていたのだそう。「仕事だけでもキツいのに社会活動まで頑張ってしまっていたのは、おそらく自他ともに認める責任感強めな性格のせいかと。でも気力が夜まで続かなくて、毎日夕方くらいから落ち込み始め、家に戻った後はホント漫画みたいにずーっと泣いていました。なかなか辛い日々だったけど、今思えば昼間だけでもやるべきことがあったのは良かったのかも!? もし何もなかったら一日中凹みまくって、ココロの病気になっていたかもしれません」。

引きこもり生活で足底筋膜炎に

そんな毎日が1年近く続き、47歳となった彼女はついに仕事以外は外に出なくなってしまいます。「家に引きこもると動かないからどんどん太って。太った自分が恥ずかしくて外に出ないからまた太る・・・みたいな悪循環にハマり、最終的には太り過ぎにより足裏の痛みが悪化したんです」。あまりの痛さに歩くのも困難となり、病院に行くと足底筋膜炎と診断されました。

足底筋膜炎
photo by Adobe Stock

実はこれ、エストロゲンや骨密度が減る更年期に出やすい症状のひとつでもあります。瑛子さんも専門の治療院に通い、歩き方の矯正やマッサージなどを受けましたが、しばらくの間は立ち仕事ができなくなってしまいました。「必然的に自分でできる仕事量は減ったものの、多忙な状態は変わりませんでした。というのも更年期以前からの計画で、この時期に店舗もスタッフも増やすことになっていて。カラダ的には厳しい状態でしたが、忙しくしていないと鬱々とした気持ちになるし、仕事が終わる夕方までは気分が凹まないので、オンタイムはとにかく頑張って、残りのオフの時間はほとんど家で寝るという生活を送っていました」。

症状緩和のために仕事の縮小を計画

更年期の始まりから2年を経て48歳になっても、瑛子さんの倦怠感や体の痛み、鬱っぽさやイライラが消えることはありませんでした。そこで彼女は思い切って仕事の縮小を検討し始めます。「自分の好きな仕事だし事業も拡大したばかりだったけど、症状を緩和するにはこの仕事量では無理だなと。実際体の痛みで仕事がしづらく、店舗が増えたことによる新たな悩みも出てきていましたし」。忙しくしていないと症状が出やすいとわかっていたけれど、それを上回るストレスを実感しており、仕事を減らさずに根本的な解決はできないと気づいたのです。

ついに更年期症状緩和の兆しが!

そこで49歳を迎える頃には少し業務を整理してコンパクトに。それに伴い、ようやく更年期症状の緩和を実感できました。「お店のお客さんからも、顔が明るくなったと言われるようになり、自分でも視界が広がった気がしました。というのも、症状が酷いときは下を向いて鬱々と暮らしていたし、太り過ぎて浮腫んでいたので、実際に視界が狭くなっていたんです」。

昔はすることがないという状態が苦手で、仕事を減らすなんて考えたこともなかった瑛子さん。「50歳となった今、手一杯だった仕事の業務を縮小したことで、本当にやるべきことに目が向くようになり、無駄な動きもなくなりました。むしろ仕事的にも更年期的にもひと皮向けた感じがして、いろいろなことがいい方向に向かっている気がします」。

家族や周囲の助けも後押し

更年期症状で苦しんでいた時期にもお店で接客をしていたおかげで、同世代や更年期を経験したお客さんにも助けられていたそう。「どよ〜んとした表情や足の痛みで歩きづらい姿などを見て、お客さんがよく心配してくれていました。自分が更年期をオープンにしていたのもあって、症状の辛さや悩みなどを話し合えたのもありがたかったですね。あと、今思えば愛犬の介護や新たに迎えた子犬の世話なども助けになっていた気がします。お世話に目が向く分、余計なことを考えずに済みますし」。

加えて夫からの協力も大きな助けだったと言います。「仕事を整理する際にも愛犬の世話にも色々と動いてくれていたので、症状が酷い中で仕事を続けるには、夫の助けは大きかったです。しかも協力し合うことで感謝の気持ちが増えたのか、更年期以前に多かった夫婦喧嘩が減りました。これは更年期の数少ないメリットだったかもしれませんね(笑)」。

何よりも打ち込めることを

酷かった症状から抜け出しつつある瑛子さんに、現在更年期真っ只中で悩んでいる人に伝えたいことを聞いてみました。「まず、明けない夜はないということでしょうか。あと、自分がこれなら集中できる、みたいなことがあると役立つかも。私にとってはそれが仕事でしたが、そのおかげで症状が食い止められていた部分があったと思います」。辛い症状の緩和のため、何かしなければと思いつつ、何もする気がおきない人もいるでしょう。でも遅かれ早かれ症状には終わりが来るはず。そのためにも夢中になれる何かを見つける、それが更年期とうまく付き合うコツのひとつかもしれません。

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山田メノポ

山田メノポ

更年期歴5年のアラフィフライター。出版社勤務を経て、ファッションやライフスタイル誌の編集やライティングなど、フリーランスとして活動。本業の傍ら、更年期症状という同じ悩みを持つ人に、リアルな声と情報をお届けするべく奮闘中。趣味はネットでセレブのゴシップと発言小町を読み耽ること。



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