〈北杜市移住〉「どこに住んでも同じ」移住後、夫が言った衝撃の一言の真相 #暮らしの選択肢

〈北杜市移住〉「どこに住んでも同じ」移住後、夫が言った衝撃の一言の真相 #暮らしの選択肢
写真提供: モコ

近年、テレワークの普及やライフスタイルの多様化により、都市と地方の二拠点で生活する人々が増加傾向にあるということをご存知でしょうか。国土交通省の調査によれば、二地域居住等を実践する人は約6.7%に達し、約701万人と推計されているんだとか。また、複数拠点生活を行っている人は全体の5.1%に上るとの報告も。自らの価値観に基づき「暮らしを選ぶ」二拠点生活者たちから、その魅力や課題、リアルな日常を深掘り。理想と現実の狭間で見えてくる「暮らしの選択肢」の今を伝えます。

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今回の「#暮らしの選択肢」は、番外編。山梨県の北西部、国中地方に位置する北杜市に移住したモコさんにお話を伺いしました。夫の長年の夢を叶えるべく、一念発起で移住を決意。「どこに住んでも同じだった」と言う夫とは対照的に、モコさんは想像以上に移住生活を楽しんでいるよう。一方で、「ここに最後までいるつもりはない」と話します。それは、なぜ?モコさんの #暮らしの選択肢に迫ります。

〈移住者プロフィール〉モコさん

料理研究家。2022年11月、横浜から山梨県北杜市に夫婦で移住。趣味は、料理と編み物。著書 『日本人が絶対好きになるタイご飯』『天使が住みたい冷蔵庫悪魔が住んじゃう冷蔵庫』。YouTube: @inaka60 Instagram: @mocokurashi

田舎暮しの夢を実現した夫が放った衝撃の一言

当初はあまり前向きになれなかったモコさんは、予想以上に移住生活が快適だったと感じている。都心での生活が長いだけに、もしかしたら都会が恋しくなるのではないかという心配もあった。今は、都心に出ると、逆に疲れてしまうという。

「北杜市にいる方が、体が楽だなって思って。水のおかげなのか、空気のおかげなのか分からないですが」

実際、自然に近い場所で暮らすことが、心身の健康に良いということはよく耳にすることだ。今年で59歳になるモコさんが、北杜市に来てからはじめた健康習慣は「早起き」。まだ日の出前の、4時から5時の間に目覚める。起きてすぐ、少しぬるめの白湯でのどを潤し、ウッドデッキでヨガをする。その間に空の色がどんどん変わっていくのをぼーっと眺めるのがモコさんのお気に入りの時間だ。まだ冷え込みが厳しい時期には、星が煌めいている光景を目撃することも。

「真っ暗闇から、徐々に明るくなっている様子を見ていると、人間って小さいんだなとか思ってしまいます。そういう習慣があると、小さなことに気づきやすくなっていく気がしますね。こんな花が咲くんだ、とか。葉っぱの緑が濃くなったな、とか」

実は、モコさんはヨガ歴30年。タイに住んでいた頃も、横浜で料理研究家として活躍した頃も、今と変わらずヨガの練習はしてきたと言うが、やはり自然の中でするヨガは格別。だからなのか、横浜時代は物質的なものに惹かれたり、時間を使う時間が多かったが、現在は、精神的な価値や心を重視するようになった。

「横浜にいた頃は、時間があれば、デパートに行ってお洋服を見ていました。そういうのってその時は楽しいんですけど、結局飽きて捨てちゃうようなものも多かったです。今は、そういうことには興味はなくて。自然を観察したり、道の駅で美味しい野菜を見つけたり、旬の食材で料理を作ったりするのが楽しいですね」

 

料理も、北杜市に来てから、変わったことの一つ。以前は、味を複雑に重ねて楽しんでいた一方で、今は素材を活かすようになった。パートをしている食堂では、麹調味料を作っていて、その影響もあってか、シンプルに食材を美味しくすることについて考えるように。採れたての野菜や新米が手に入る環境という恩恵もあって、わざわざ手をかけなくても美味しい料理ができるのだと言う。また、近所にスーパーマーケットも少ないので、現在の食卓は野菜が中心。とても質素だが、それが心地良いと感じている。

ところで、長年の夢だった田舎暮しを実現したモコさんの夫は、今の生活をどう感じているかと言うと、「どこに住んでても同じだった」と話しているという。夫に強要されたわけではないにしろ一大決心をして移住した側のモコさんは、さすがにこの回答に驚きを隠せなかった。

「彼が言うには、結局どこに行っても、やることは同じ。寝て起きて、食べて、働いて、笑う。どこにいても暮らしはある。だから、結局は人は、どこにいるかじゃなくて、どう生きるか、ということなんだと」

ただし、移住したことを後悔しているというわけではない。実際に田舎暮らしをしなければ、今も憧れを抱いたまま、悶々とした生活をしていたかもしれない。

最後まで、北杜市にいるつもりはない。59歳、これからの夢は?

老後は静かな田舎でのんびり暮らしたい、と夢見る人は少なくない。一方で、実際に田舎暮らしをしてみると、「あれ?こんなに大変なの?」というイメージとのギャップに驚く人も多いのではないだろうか。

現実として、モコさんご夫婦も、田舎暮しのハードさは過去3年間、肌で体感してきた。例えば、車社会であること、ゴミ捨て場が遠いこと、そして極めつけは、大きな病院が近くにないということ。今年59歳になるモコさんは、北杜市で年を重ねることに対してどう感じているのだろうか。

 

「私たちの計画としては、最後までここにいるつもりはないんです。だから、逆にここで年を重ねるということに対しての不安というのはありませんね。この辺りは、大きな病院がないですし、車に乗れなくなったら絶対に暮らしていけない場所なので。だから、免許を返すタイミングで、私の実家がある埼玉の方に戻ろうと思っています。それまで、元気な内に、思う存分この田舎暮らしを楽しみたいと思っています」

エリアにもよるだろうが、年齢を重ねて地方で暮らすということは、決して簡単なこととは言えないようだ。タイムリミットがある中、これからの北杜市での暮らしをどんなものにしていきたいか。

「古民家を購入して、そこをうまく改修して、カフェをやりたいと思っています。最初にこちらで物件を探していた頃から古民家には興味があったのですが、やはり最初から古民家を購入するというのは、私たちにとってとても勇気のいることだったんです。ここに本当に長く住めるかというのも分からなかったですし。けど、これまでお話してきた通り、田舎暮らしを通して自信がついてきたと感じてるので、古民家カフェの夢を実現したいと計画しています。それが終わったら、夫婦で日本一周してから、埼玉に戻ろうと思っています」

 

新たな夢に向かって動き出した、モコさんご夫婦。新しいフェーズに行くたびに、その時々に持ってるものは全部手放すと決めている。古民家に移動する時は、今の自宅は売るつもり。特に子供たちに何かを残すというつもりはないと言う。

「何よりも、私たちが健康で元気でやれる間にやれることをやるっていう選択をしながら生きていきたいと夫婦で話しているんです」

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