【理学療法士が指南】「呼吸」を整え身体のつながりを高める方法

【理学療法士が指南】「呼吸」を整え身体のつながりを高める方法
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筋力に依存せず、瞬時にパワーを最大化する!SNS総フォロワー数30万人のスポーツトレーナー/理学療法士・中野崇が、トップアスリート・プロ選手が今、最も注目する「身体操作トレーニング」を解説。書籍『最強の身体操作 プロが実践する連動スキルの磨き方』(かんき出版)より内容を一部抜粋して、プロ向けのトレーニングを実践しやすく紹介します。

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「呼吸」には身体のつながりを高める役割がある

身体操作トレーニングを行ううえで、「呼吸」はとても重要な要素です。単に酸素を取り入れるためのものではなく、動作中に腹圧の向上を介して身体のつながりを高める役割を持っています。そのため、呼吸の状態は身体操作の4つの要素に大きな影響を与えます。呼吸も身体操作の一部であるという意識を持っておきましょう。

呼吸が浅く速くなると、筋肉の緊張が高まる。このことはご存じの方も多いでしょう。浅い呼吸は交感神経を優位にし、無意識に身体を「緊張モード」へと向かわせてしまいます。すると、本来は自由に連携して使いたい身体各部の動きがぎこちなくなり、力みやすくなってしまうのです。一方で、深く安定した呼吸が保てていると、身体内部には適度な柔らかさと張りが生まれ、身体のつながりが高まります。

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腹式呼吸と腰腹呼吸

呼吸法については「腹式呼吸」、理想を言えば「腰腹(こしはら)呼吸」で行ってください。腰腹呼吸は吸気時にお腹だけでなく、腰も同時に膨らませる呼吸法です。効率的に腹圧を高める作用があり、身体のつながりの向上に有効です。多くの武術の達人やトップアスリートが採用していますが、実は脱力上手とも言える赤ちゃんも腰腹呼吸をしています。

トレーニング時の呼吸は、次のことを原則としてください。

息を吐く(=力を入れるとき)⇒口から息を細く、強く吐き続ける
息を吸う⇒鼻から吸う

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注意点としては、「動きながらも呼吸を止めないこと」、そして「呼吸の質を観察し続けること」です。たとえば、ジャンプやステップ動作を繰り返している中で、呼吸が止まっていることがよくあります。呼吸が止まったり、過剰に荒くなったりしていないかを注意深く観察しましょう。身体操作トレーニングをやっているとき、早々に呼吸が乱れたなら、それは動作、あるいは身体の内部でどこかが緊張しているサインと捉えてください。呼吸の観察を通じて緊張を読み取り、必要に応じて呼吸を整えます。

呼吸法は突き詰めていくと、非常に奥深い世界です。武術の領域では、「力を入れるときに吐く」という方法とは逆に、「力を入れるときに吸う」という呼吸法が用いられることもあります。ここでは本題から外れるため詳しい理由は省きますが、呼吸法が異なれば、そこから得られるものや身体に生じる反応も変わります。つまり、呼吸の仕方ひとつでパフォーマンスそのものが大きく左右されるということです。それだけに、呼吸法は長い歴史の中で深く探求されてきた分野であることを、ぜひ知っておいてください。

『最強の身体操作 プロが実践する連動スキルの磨き方』(かんき出版)
『最強の身体操作 プロが実践する連動スキルの磨き方』(かんき出版)

この本の著者…中野崇

スポーツトレーナー。フィジカルコーチ。理学療法士。株式会社JARTA international代表取締役。1980年生まれ。大阪教育大学教育学部障害児教育学科(バイオメカニクス研究室)卒業。2013年にJARTAを設立し、国内外のプロアスリートへの身体操作トレーニング指導およびスポーツトレーナーの育成に携わる。イタリアのトレーナー協会であるAPF(Accademia Preparatori Fisici)で日本人として初めてSOCIO ONORATO(名誉会員)となる。イタリアプロラグビーFiamme oroコーチを務める。また、東京2020パラリンピック競技大会ではブラインドサッカー日本代表フィジカルコーチとして選手を支えた。YouTubeをはじめとするSNSでは、プロ選手たちがパフォーマンスを高めるために使ってきたノウハウを一般の人でも実践できる形で紹介・発信している。著書に『最強の身体能力 プロが実践する脱力スキルの鍛え方』『最強の回復能力 プロが実践するリカバリースキルの高め方』(以上、かんき出版)、『ハイ・パフォーマンス理論 競技場に立つ前に知っておきたい「からだ」のこと』(晶文社)、『40代からの脱力トレーニング』(大和書房)がある。

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『最強の身体操作 プロが実践する連動スキルの磨き方』(かんき出版)