1)認知症診断を受けてから1年。小康を保っていたけれど【父の認知症から学んだ、幸せの秘密】
親の老いに向き合うというのは、ある日突然はじまるものです。わたしの場合、それは父の“夜間の徘徊”というかたちでやってきました。これまでは京都での暮らしや移住生活のことを書いていましたが、その裏では東京にいる父の認知症が進行し、家族で介護体制をどう整えるかに奔走していました。介護というと、大変そう、重たそう…そんなイメージがあるかもしれません。でも、わたしにとっては、家族とのつながりを見つめ直し、人の優しさに心動かされることが増えた、そんな時間でもありました。 この連載では、認知症介護の体験を通して、わたしが出会った「幸せの秘密」を、少しずつ綴っていきたいと思います。
前回は、認知症外来から訪問診療のクリニックに切り替えたのも束の間、脱水症状を起こしたり、救急車のお世話になったりが増えていく。そんな、突然の徘徊から1年が経った頃の父の体調や介護の困りごとについて、徒然にお話しさせていただきました。
通うのを断念した大学病院の眼科から、近隣の眼科への紹介状ももらいましたし、月に一度は、下の妹も訪問してくれるように。介護区分申請は、利用者から何も言わなければ年に一度だそうで、家庭訪問と役所での会議がまた行われ、要介護2に上がることになりました。特別養護老人ホームに入れる要介護3になるまでは、なんとか自宅で父に過ごしてもらえるかと、まだ希望をもっていたのが2025年の4月から5月でした。
大学病院での脱水症状から、ひと月くらいでしょうか。訪問診療のクリニックのスタッフから電話があり、父の易怒性の発作が久しぶりに激しく出たようで、「弱い精神のお薬を使いたいので、許可してほしい」というお話でした。「最近になって、認知症の周辺症状に使うことができるようになったのですが、患者さんのいい面が出るようになるんです」とのことでした。ドクターの判断におまかせすることにした結果、ひどい副作用が出るなどはなかったのですが、木の芽どきということもあったのか、妄想が出たり、自分がわからなくなったり、日によって状況がかなり違いました。

また、さっきまでにこやかだったのに、あまりにも突然にモードが変わるというのもあり、父の易怒性が強く出る日は、東京の天気が悪いのではないかと思いついたのも、この頃。父の怒りが強い日は記録していたので、地元の天気と突き合わせたところ、ほとんどは低気圧や降雨のタイミングだと判明。子どもの頃に柿の木から落ちて、背骨が曲がっていると言っていましたし、雨が異様に嫌いで、機嫌が悪くなる傾向があったことが今更ながらに思い出されました。おそらく、微細なレベルでも、雨によって心身に不調がある人だったのでしょう。実は、わたしはもう十数年、仙骨を調整することで、全身の体調が改善するという療法に断続的に通っていたので、父がもうちょっと元気な頃に気づいていたら、連れていったのにと残念なことでした。
狼男ではないですが、新月や満月のサイクルはもちろん、惑星同士のアスペクト(角度)など星まわりでも、なんとなくこの日はひどくなるんじゃないかなと思っていると、本当にそうなることは、当初からありました。「認知症介護者のための星占い」ができるなあと、わたしも、まだこの頃は呑気に考える余裕がありました。
→【記事の続き】2)誕生会の前日に、まさかの父の転倒事故が発生!はこちらから。
文/Saya
東京生まれ。1994年、早稲田大学卒業後、編集プロダクションや出版社勤務を経て、30代初めに独立。2008年、20代で出会った占星術を活かし、『エル・デジタル』で星占いの連載をスタート。現在は、京都を拠点に執筆と畑、お茶ときものの日々。セラピューティックエナジーキネシオロジー、蘭のフラワーエッセンスのプラクティショナーとしても活動中。著書に『わたしの風に乗る目覚めのレッスン〜風の時代のレジリエンス』(説話社)他。
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Instagram @sayastrology
写真/野口さとこ
北海道小樽市生まれ。大学在学中にフジフォトサロン新人賞部門賞を受賞し、個展・グループ展をはじめ、出版、広告撮影などに携わる。ライフワークのひとつである“日本文化・土着における色彩” をテーマとした「地蔵が見た夢」の発表と出版を機に、アートフォトして注目され、ART KYOTOやTOKYO PHOTOなどアートフェアでも公開される。活動拠点である京都を中心にキラク写真教室を主宰。京都芸術大学非常勤講師。
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