更年期世代の2月に起こりやすい「頭の疲れ」のサイン|何事もおっくうになるときに、体と心で起きていること
更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。
2月に入る頃から、こんな相談が増えてきます。
「特別つらい出来事があったわけではないのに、何をするにもおっくうです」
「考えなきゃいけないことは分かっているのに、頭が動かない感じがします」
「やる気がないわけじゃないのに、なぜか腰が上がらなくて……」
更年期世代の女性からよく聞く声です。そして多くの方が、こう付け加えます。
「怠けているだけでしょうか」
「気持ちの問題ですよね」
でも、この時期に感じやすいその感覚は、性格や気合の問題ではないことがほとんどです。
むしろ2月は、更年期世代にとって「頭が疲れやすい条件」が重なりやすい季節なのです。
2月は「気づかない疲れ」がたまりやすい
1月は、年始という区切りがあり、多少無理をしても「始める力」で動けてしまいます。
一方で2月は、寒さが続き、日照時間もまだ短く、年度末や春を意識し始めるといった要素が重なり、エネルギーを使い続けているわりに回復しにくい時期です。
更年期世代の場合、ホルモンバランスの変化によって「体の回復力」と「頭の切り替え力」が以前より繊細になっています。
そのため、自分では「普通に過ごしているつもり」でも、知らないうちに思考の疲れが蓄積していきます。
この疲れは、頭痛や不眠のように分かりやすい症状として出ないことも多く、代わりにこんな形で現れます。
サイン① 何事もおっくうになる
2月に増える代表的なサインが、「やる気がないわけではないのに、おっくう」という感覚です。
- 買い物に行くのが面倒
- メールを開くのが億劫
- 簡単なことでも後回しにしたくなる
これは、意思が弱くなったわけではありません。
頭の中では「やった方がいい」「やらなきゃいけない」と分かっているのに、そこへ向かうエネルギーが湧いてこない状態です。
この状態は、思考が疲れているサインでもあります。
サイン② 考えること自体が重くなる
更年期世代の2月は、「考える」ことそのものが負担になりやすい時期です。
- 選択肢を比べるのがつらい
- 決めるまでに時間がかかる
- 考え始めると、余計に混乱する
こうした状態になると、人は無意識のうちに「考えなくて済む行動」を避けるようになります。
その結果、先延ばしが増え、最低限のことしかできず、自分を責めてしまうという悪循環に入りやすくなります。
サイン③ 「ちゃんとしなきゃ」が増える
意外に思われるかもしれませんが、頭が疲れているときほど「ちゃんとしなきゃ」という思考が強くなります。
- このままじゃダメ
- もっと頑張らないと
- 周りはちゃんとできているのに
これは前向きさの表れではなく、思考の余白がなくなっているサインです。
余裕があるときほど、人は「今はこれでいい」と考えられます。
2月にこの言葉が頭の中で増えているなら、それはあなたがサボっているからではなく、頭が休みを求めている合図かもしれません。
なぜ更年期世代は「頭が疲れやすい」のか
更年期に入ると、体調の波だけでなく、思考や判断の波も大きくなります。
以前なら自然にできていたこと、たとえば優先順位をつける、切り替える、割り切るといったことに、少し時間がかかるようになる方も多いでしょう。
これは能力が落ちたのではなく、脳がより多くのエネルギーを必要とする状態に変化しているためです。
2月はそこに寒さや疲労、先の見えなさが重なり、「頭の疲れ」が表に出やすくなります。
何事もおっくうなときに、無理にしないこと
この時期に大切なのは、無理に前向きになろうとしないことです。
- やる気を出そうとしない
- 気合で乗り切ろうとしない
- 「怠けている」と決めつけない
代わりに、「いまは頭が疲れているのかもしれない」と、そっと気づいてあげてください。
ヨガの考え方でも、まずは「今の状態に気づく」ことが大切にされます。
整える前に評価を手放す。それだけで、思考の緊張は少し緩み始めます。
2月は「回復の準備期間」
2月は、何かを大きく変える月ではありません。
むしろ春に向けて回復の土台をつくる時期です。
何事もおっくうに感じるときは、「進めない自分」ではなく、「立ち止まって整えようとしている自分」として捉えてみてください。
それは、更年期世代の体と心が出している、とてもまっとうなサインなのです。
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