「牛乳を飲むと背が伸びるって本当?」身長アップに必要な栄養を管理栄養士が解説
「牛乳を飲むと背が伸びる」という言葉を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。子どもの成長を願って、毎日欠かさず飲ませている人も多いでしょう。しかし、牛乳さえ飲めば背が伸びるわけではありません。この記事では、背が伸びる仕組みや、身長を伸ばすために必要な栄養と生活習慣について、管理栄養士が解説します。
知っておきたい牛乳のメリット
「牛乳を飲むと背が伸びる」という言葉を、かつて親から言われたり、子どもに言ったりした経験はありませんか?牛乳は、骨の成長に欠かせないカルシウムを豊富に含む食品の代表です。だからこそ、身長の伸びと深く関わると考えられてきたのかもしれません。
牛乳は、骨の主成分となるカルシウムに加え、カルシウムが定着する土台や柱の役割を果たすたんぱく質も豊富に含んでいます。
また、手軽さは牛乳の大きなメリットです。コップ1杯(180ml)の牛乳を飲むだけで、約200mgのカルシウムと約6gのたんぱく質を補えます。さらに、カルシウムの吸収率がほかの食品より優れている点も見逃せません。
一見、牛乳は優秀な飲み物のように思えますが、実は牛乳だけに頼っていても、背が伸びるとは一概にはいえないのです。
牛乳を飲むと背が伸びる?成長のために本当に必要なこと
身長が伸びるのは、骨が成長するためです。骨には「骨端線(こったんせん)」と呼ばれる組織があります。骨端線にある軟骨が大きくなって骨に変化することで、骨は成長し、身長が伸びます。
骨端線を活性化させるために必要な要素のひとつが、「栄養」です。骨の健やかな成長には、以下のような栄養素が必要となります。
・カルシウム:骨の主成分となる
・たんぱく質:骨の土台となる
・マグネシウム、亜鉛:骨の形成を助ける
・ビタミンD、ビタミンK:カルシウムの吸収と定着を促す
・ビタミンC:たんぱく質の合成をサポートする
個人差はありますが、一般的に20歳までに骨端線が閉じて成長が止まるとされています。そのため、骨端線が閉じるまでにこれらの栄養素を十分に摂ることが、身長の伸びをサポートするうえで重要です。
牛乳は栄養豊富な飲み物ですが、それだけで骨の成長に必要なすべての栄養素を補えるわけではありません。
さらに、骨の成長には遺伝や睡眠、運動などの要素も関係しています。子どもの身長の伸びを促すためには、牛乳だけに頼るのではなく、生活環境全体を整えてあげることが大切であると考えられます。
骨の成長を支える栄養素の取り入れ方
骨の成長にはさまざまな栄養素が関わりますが、とくに意識したいのがカルシウムと、その吸収・定着を促すビタミンD、ビタミンKです。
カルシウムは日本人にとって不足しがちな栄養素です。牛乳を飲む習慣がない人だけでなく、日頃からよく牛乳を飲む人も、次のような食品からカルシウムとビタミンD、ビタミンKを摂取するよう意識しましょう。
・カルシウム:小魚(ちりめんじゃこ、煮干しなど)、桜えび、さば・いわしなどの缶詰、大豆製品(豆腐、厚揚げなど)、小松菜、チンゲン菜、水菜
・ビタミンD:魚類(さけ、いわしなど)、きのこ類(きくらげ、まいたけなど)
・ビタミンK:納豆、葉野菜(こまつな、水菜、ほうれん草など)
ちりめんじゃこや煮干し、さばやいわしなどの缶詰は、魚を骨ごと食べられるためカルシウムの補給源になります。さらに、カルシウムの吸収を促すビタミンDも一緒に摂取できるおすすめの食材です。
また、ちりめんじゃこや桜えびをご飯に混ぜたり、おかずに振りかけたりすれば、調理の手間なくカルシウムの摂取量をアップできます。
「牛乳を飲むと背が伸びる」という言葉がありますが、牛乳はあくまで、身長の伸びを助けるための選択肢のひとつにすぎません。さまざまな食品から栄養をバランスよく摂取できるように工夫し、さらに睡眠や運動などの生活習慣を整えてあげることが、子どもの骨の成長を助け、身長を伸ばす後押しとなるでしょう。
【参考文献】
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
雪印メグミルク株式会社「身長が伸びる仕組みは?」
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