「しょっちゅう食べてたわ…」骨がどんどん弱くなってしまうNG食習慣|管理栄養士が解説
みなさんは「骨活(ほねかつ)」という言葉をご存知ですか?骨活とは食事や運動などの生活習慣を改善することで骨の健康を保つ活動のことです。例えば骨のためにカルシウムを摂ることも立派な活動のひとつです。しかし、普段何気なくしているその食習慣によってせっかくの骨活がもったいないことになっているかもしれません。今回はそんな骨を弱くしてしまうNGな食習慣についてご紹介します。
骨が弱くなるNGな食習慣
私たちの体を支えている「骨」を強くするか弱くするかは普段の食生活が大きく関わっています。主に以下に述べるような4つの食習慣が骨に悪影響を及ぼします。
濃い味付けのものを好んで食べる
過剰に食塩を摂取することで、カルシウムの尿への排泄を促進してしまい、骨中のカルシウム量低下に繋がる恐れがあります。計算上では毎日の食塩摂取量が2g過剰であると50年間で体内に存在するカルシウムの25%が失われるとされています。
日本人の1日食塩摂取目標量は男性で7.5g未満、女性で6.5g未満に対して、実際日本人の平均1日塩分摂取量は9.8gと目標量よりも上回っています。このことから日本人の食事は塩分を摂りすぎていると言えるでしょう。
加工食品やスナック菓子などをよく食べる
インスタント食品やスナック菓子、清涼飲料水、練り物など加工食品には食品添加物としてよく「リン」が使用されています。このリンを摂りすぎるとカルシウムの吸収を阻害してしまいます。ちなみにリンには「有機リン」と「無機リン」の2種類あります。肉や魚、乳製品などの食品そのものに含まれるものは有機リンで、食品添加物として加工食品に含まれるものは無機リンです。この無機リンは体内への吸収率が高いため摂りすぎないように注意が必要です。加工食品に偏った食事にならないよう気をつけましょう。
コーヒーやお茶などをよく飲む
コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれる「カフェイン」はカルシウムの吸収を阻害します。カフェインは眠気を覚ましたり、集中力を高めたりとメリットもありますが過剰摂取は体に悪影響をもたらします。コーヒーを5杯以上飲むと骨に悪影響が出るとの報告もありますので、飲む量には気をつけましょう。
お酒をよく飲む
アルコールによってカルシウムの吸収を阻害し、尿への排泄が促進されてしまいます。また、骨を強くする働きをもつビタミンDも阻害してしまいます。1日15g以上のアルコールを習慣的に飲むことで骨折率が上昇するという報告があります。日常的に飲酒をする場合は量に気をつけましょう。
骨が弱くなるとどうなる?
骨がスカスカになり、弱く折れやすくなってしまうことを骨粗鬆症と言います。そのような状態でいると、老年期に骨折をきっかけに寝たきり状態となってしまう可能性があり健康的に暮らすことが困難となってしまいます。
骨の密度は20歳頃で最大となり、閉経後はホルモンバランスが変わることで低下していきます。そのため若い頃に骨密度を高めておくことが重要となります。また、骨密度を低下させないように普段から意識することも必要です。
まとめ
骨が弱くなるNGな習慣として、塩分・加工食品・カフェイン・アルコールの摂りすぎがあります。骨が弱くなってしまうことで、健康的な老後を過ごすことが困難となってしまう可能性もあります。「しょっちゅう食べてたわ…」と思った方は骨のために少しずつ改善していけると良いでしょう。未来の健康的な自分のために毎日コツコツ「骨活」していきましょう!
【参考文献】
・公益財団法人 骨粗鬆症財団 どんな病気、骨粗鬆症における栄養、予防について
・食塩摂取とカルシウム排泄
・令和5年国民健康・栄養調査
・日本人の食事摂取基準(2025)
・NPO法人 腎臓サポート協会
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