食物繊維不足を防ぐ! 朝、ゆで卵に組み合わせると良い食材とは?|管理栄養士が解説
忙しい朝でも手軽にたんぱく質を摂れるゆで卵は、多くの方に愛されている朝食の定番メニューです。前日の夜に作り置きしておけば、朝は冷蔵庫から取り出すだけで食べられる手軽さが魅力といえます。 しかし、ゆで卵だけでは食物繊維がまったく摂れないことをご存知でしょうか。卵は良質なたんぱく質を含む一方で、食物繊維はゼロの食品です。食物繊維が不足すると、便秘や腸内環境の悪化を招く恐れがあるため、朝食でも意識的に補うことが大切です。 この記事では、朝のゆで卵と組み合わせることで食物繊維をしっかり補える食材について、管理栄養士の視点から科学的根拠を交えてご紹介します。
ゆで卵は手軽だけれど...
卵は「完全栄養食品」とも呼ばれ、たんぱく質やビタミン類を豊富に含む優れた食材です。一方で、食物繊維に関しては含有量がゼロであり、ゆで卵だけでは腸の健康に必要な栄養素を摂ることができません。厚生労働省が示す食物繊維の目標量は成人女性で18g以上、成人男性で21g以上ですが、多くの日本人はこの目標量に達していないのが現状です。食物繊維が不足すると、腸内環境が悪化し、便秘や肌荒れ、免疫力の低下を招く恐れがあります。そこで、ゆで卵に食物繊維が豊富な食材をプラスすることで、朝食の栄養バランスが格段に向上させることができます。
食物繊維補給のカギは「野菜をプラス」
食物繊維を効率よく摂取するには、野菜を朝食に取り入れることがポイントです。野菜には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれており、腸内環境を整える働きがあります。ゆで卵と相性が良く、なおかつ調理の手間がかからない野菜を選べば、忙しい朝でも無理なく食物繊維を補給できます。
おすすめは「ブロッコリー」! 食物繊維とたんぱく質をダブルで補給
ゆで卵と組み合わせる食材として特におすすめしたいのが「ブロッコリー」です。ブロッコリーは100gあたり約4.4gの食物繊維を含み、小房3〜4個(約50g)で約2.2gの食物繊維を摂取できます。さらに注目すべきは、ブロッコリーが野菜の中でもトップクラスのたんぱく質含有量を誇る点です。100gあたり約4.3gのたんぱく質を含み、ゆで卵と組み合わせることで、朝から良質なたんぱく質をしっかり補給できます。コンビニやスーパーで冷凍ブロッコリーが手軽に購入でき、電子レンジで温めるだけで食べられる手軽さも利点です。
ブロッコリーが食物繊維補給に優れている理由
ブロッコリーには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれています。水溶性食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあります。不溶性食物繊維は便のかさを増やし、腸の蠕動運動を促進して便通を改善します。また、ブロッコリーに含まれるスルフォラファンという成分には、解毒作用や抗酸化作用があることが研究で報告されています。ビタミンCも100gあたり約120mgと非常に豊富で、これはレモンの約2倍に相当します。食物繊維だけでなく、総合的な栄養価が非常に高い野菜だと言えます。
ゆで卵とブロッコリーは相性抜群
ゆで卵とブロッコリーは、たんぱく質を効率よく摂取できる理想的な組み合わせです。卵1個で約6gのたんぱく質、ブロッコリー50gで約2gのたんぱく質が摂れ、合わせると約8gものたんぱく質を補給できます。これは成人女性の1食あたりの目安量の約半分に相当します。また、ゆで卵には食物繊維がまったく含まれていませんが、ブロッコリーがその弱点を見事に補ってくれます。味の面でも、ゆで卵のまろやかさとブロッコリーのほのかな甘みは相性が良く、マヨネーズや塩をつけるだけでおいしくいただけます。
どのくらい食べればいい?
ブロッコリーは1日あたり100g程度を目安に摂取するのがおすすめです。朝食ではゆで卵1〜2個とブロッコリー小房3〜4個(約50g)を組み合わせると良いでしょう。冷凍ブロッコリーを活用すれば、必要な分だけ取り出して電子レンジで温めるだけなので、忙しい朝でも手軽に続けられます。毎日の習慣として無理なく取り入れていきましょう。
知っておきたい注意点
ブロッコリーは食物繊維が豊富なため、一度に大量に食べるとお腹が張ることがあります。普段から食物繊維の摂取量が少ない方は、少量から始めて徐々に量を増やしていきましょう。また、ブロッコリーにはビタミンKが含まれているため、ワルファリンなどの抗凝固薬を服用している方は摂取量に注意が必要です。甲状腺に疾患がある方は、アブラナ科の野菜の過剰摂取を避けるよう医師から指導されている場合があるため、心配な方は主治医に相談してください。
おいしく続けられるアレンジ例
ゆで卵とブロッコリーのワンプレート: お皿にゆで卵とブロッコリーを盛り付け、塩とマヨネーズを添えるだけ。シンプルながら栄養満点で、洗い物も少なく済む朝食の定番スタイルです。
ブロッコリーと卵のサラダ: 刻んだゆで卵とブロッコリーを混ぜ、オリーブオイルと塩で和えます。作り置きもできるので、前夜に準備しておけば朝はさらに手軽に食べられます。
ブロッコリーと卵のチーズ焼き: 耐熱皿にブロッコリーと半分に切ったゆで卵を入れ、チーズをのせてトースターで焼きます。チーズのコクが加わり、満足感のある一品に仕上がります。
ブロッコリーと卵のごまマヨ和え: ブロッコリーと刻んだゆで卵を、マヨネーズとすりごまで和えます。ごまの風味が食欲をそそり、和風テイストで飽きずに続けられます。
まとめ
朝のゆで卵にブロッコリーを組み合わせることで、不足しがちな食物繊維を手軽に補うことができます。ブロッコリーは小房3〜4個(約50g)で約2.2gの食物繊維を摂取でき、さらに野菜の中でもトップクラスのたんぱく質を含むため、ゆで卵との相乗効果でたんぱく質もしっかり補えます。冷凍ブロッコリーを活用すれば電子レンジで温めるだけなので、忙しい朝でも無理なく続けられます。ゆで卵とブロッコリーの組み合わせを毎日の習慣にして、食物繊維不足の予防に役立ててみてはいかがでしょうか。
参考文献
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告」
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
記事監修/亘美玲
管理栄養士。病院栄養士として七年間勤務後、食品会社にて約十五年間、メディカルサプリメントや機能性表示食品の商品開発責任者を務める。自身の妊娠・出産、離乳食作りの経験をきっかけに母子栄養の研究を重ね、現在は産前産後ママの栄養サポート、栄養相談、料理教室、レシピ提案、執筆、栄養学講座など幅広く活動している。
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