「眠りが浅い」が続く人ほど知らない、夜中に目覚めてしまう〈意外な原因〉とは?医師が解説
「ベッドに入ってるのに全然寝つけない」「夜中に何度も目が覚めてしまう」——こういう相談、本当に多いです。仕事のストレスや生活リズムも関係しますが、実は原因のトップは“光の浴びすぎによるメラトニン不足” です。医師が解説します。
「眠れないのは性格のせい?」——いいえ、“光”があなたの睡眠を乱している
メラトニンは“睡眠ホルモン”とよく言われますが、正確には「睡眠のスイッチを入れるための合図」のようなもの。
体内時計を整える司令塔であり、夜になると自然に分泌され、脳に「そろそろ寝る時間だよ」と知らせてくれます。
ただ、現代人は一日中ブルーライトにさらされています。スマホ、PC、蛍光灯、LEDの明るい照明…知らないうちに身体の時計がズレ、メラトニンの分泌も乱れやすい。
その結果、“寝つけない→眠りが浅い→疲れが取れない”という悪循環にハマりやすいのです。
なぜ光でメラトニンが減る? 最新医学でわかった3つのポイント
ここ数年の研究で、光と睡眠の関係は驚くほど細かく解明されています。
① 夜のブルーライトは脳を“昼モード”に戻してしまう
メラトニンは暗くなると増えます。しかしブルーライトは、脳が「まだ昼だ」と錯覚する波長。夜のSNSチェックがたった10分でも、メラトニン分泌が遅れることがわかっています。
② 明るい部屋での生活は“眠りの深さ”を浅くする
LED照明は昔の白熱灯より光刺激が強いと言われます。寝る2〜3時間前の明るさが強いと、深い睡眠(ノンレム睡眠)が十分に取れず、「8時間寝たのに疲れが残る」状態になりやすい。
③ 朝の光不足は体内時計を遅らせる
メラトニンは朝の光で“スイッチOFF”になります。ここでリセットされるからこそ、夜に自然に眠くなる。しかし在宅ワークやカーテンを閉めた生活だと、スイッチが切れず体内時計が後ろ倒しに。夜の寝つきが悪くなるのは当然の流れです。
メラトニンが不足すると起こりやすい症状
睡眠の質が落ちるだけでなく、メラトニン不足は全身に影響します。
- 寝つきが悪い(入眠障害)
- 夜中に目が覚める(中途覚醒)
- 朝スッキリ起きられない
- 昼間の集中力が落ちる
- ストレスを感じやすくなる
- 自律神経が乱れやすい
眠れないと精神的にも不安定になり、「なんで眠れないんだ…」と悩むことでさらに寝つけなくなるという悪循環も。
今日からできる「メラトニンを取り戻す」生活
難しいことは不要。研究でも効果が確認されている“再現性の高い方法”をまとめました。
① 寝る1時間前は“スマホ断ち”
ブルーライトがメラトニンを強烈にブロックします。どうしても使うなら、画面を暗くする・ナイトシフトにするだけでもだいぶ違います。
② 夜の部屋は「暗めの間接照明」に
蛍光灯の白い光は脳を覚醒させます。夜は暖色系のライトか、間接照明で“薄暗い空間”を作るのが理想。
③ 朝10分だけでいいから太陽光を浴びる
メラトニンのOFFスイッチが入り、体内時計がリセット。夜の眠気が自然と整います。散歩が無理なら、ベランダでも窓際でもOK。
④ 寝る直前の“ながらスマホ”をやめる
布団の上でSNSを見続けると、脳の覚醒が止まらず、「寝るぞ」というモードに切り替わりません。
⑤ 夜のカフェインは避ける
コーヒー・紅茶・緑茶・エナジードリンクは夕方まで。カフェインがメラトニンの作用を妨げることが分かっています。
まとめ
- 眠れない原因の多くは“メラトニン不足”
- 夜の光(特にブルーライト)はメラトニンの分泌を強力に抑える
- 朝の光で体内時計がリセットされ、夜の眠りに直結
- スマホ断ち・照明調整・朝の太陽光で睡眠の質は劇的に変わる
「睡眠の質って、こんなに光に左右されるの?」と思うほど、光とメラトニンの関係はダイレクトです。
眠れない夜が続いているなら、“光の浴び方”を見直すだけでも、驚くほど楽になるかもしれません。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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