なつめの鉄分・葉酸がすごい！女性にうれしい栄養効果と食べ方の注意｜管理栄養士が解説

なつめとは？

なつめ（棗）は、中国から西アジアを中心に古くから栽培されてきた果実です。外側の皮はしっかりして厚みがありますが、中はふっくらやわらかく、どこか懐かしさを感じる甘さとコクのある味わいが特徴的です。日本ではまだ日常的なイメージが強くありませんが、外国ではスープ・煮込み料理・お茶・おやつなど、さまざまな料理に使われてきています。最近では乾燥なつめをスーパーや食料品店で見かける機会も増えてきたため、健康意識が高い人から注目されている食品です。

なつめの栄養がすごい理由

● 豊富な鉄分で疲れやすさやだるさから回復

なつめに含まれる代表的な栄養素です。鉄分は、酸素を運ぶヘモグロビンの材料となる重要なミネラルです。特に女性は男性よりも多くの鉄を必要としています。似た食品としてプルーンやデーツも有名ですが、100g当たりの鉄分含有量で見るとなつめが一番多く含まれています。

各食材の100g当たりの鉄分含有量

なつめ（乾）ー　1.5㎎
プルーン（乾）ー　1.1㎎
デーツ（乾）ー　0.8㎎

● 葉酸で血液・細胞づくりのサポート

葉酸はビタミンB12と共に赤血球の生産を助けます。また、DNAやRNAなどの核酸、たんぱく質の生合成の促進や、細胞の生産や再生を助けるなど体内での多様な働きをしています。また、妊娠の計画ががある女性は、胎児の神経管閉鎖障害の発生リスクを下げるため、葉酸の摂取が特に推奨されています。葉酸の含有量もプルーン、デーツと比較すると圧倒的に多く含まれています。

各食材の100g当たりの葉酸含有量

なつめ（乾）ー　140μg
プルーン（乾）ー　3㎍
デーツ（乾）ー　19㎍

● 食物繊維で身体の中から健康をサポート

なつめは便通の改善や腸内環境のサポートに役立つ食物繊維も豊富に含まれています。特に不溶性の食物繊維が豊富で、便のカサを増やして便の排出を促します。

各食材の100g当たりの食物繊維含有量

なつめ（乾）ー　水溶性食物繊維2.7g　／　不溶性食物繊維9.8g
プルーン（乾）ー　水溶性食物繊維3.4g　／　不溶性食物繊維3.8g
デーツ（乾）ー　水溶性食物繊維1.5g　／　不溶性食物繊維5.5g

なつめの適量は何個？

なつめは小さいながら、ドライフルーツの中でもトップクラスの栄養が詰まっています。食べ過ぎはもちろんカロリーオーバーや不調の原因となります。目安としては、 乾燥なつめ：1日3〜5個が適量です。なつめは自然な甘みがあり、満足感を得やすいため、少量でも十分に「食べた感」があります。乾燥なつめはベタつきもないので、仕事の合間の間食にもピッタリ！朝食のヨーグルトに入れたり、間にナッツを挟んで食べるのもおすすめです。

まとめ｜毎日のちょっとした習慣で、健康を底上げ

なつめは、鉄分・葉酸・食物繊維など、不足しやすく、女性にうれしい栄養がバランスよく詰まった果実です。毎日の生活に数個プラスするだけで、疲れやすさ、むくみなどさまざまな不調のケアにつながります。1日3〜5個を目安に、取り入れてみてください。

〈参考文献〉

食品成分データベース

ナツメ　Zizyphus jujuba MILLER var. inermis REHDER （クロウメモドキ科）　今月の薬草　社団法人日本薬学会