ほうれん草だけじゃない?意外と「葉酸」を多く含む15の食材とは|管理栄養士が解説

 ほうれん草だけじゃない?意外と「葉酸」を多く含む15の食材とは|管理栄養士が解説
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葉酸は妊娠前後の女性が摂るべき栄養素、と考えていませんか?葉酸は子供から大人まで、男女ともに健康維持に必要な栄養素です。レバーやほうれん草に豊富なことは知られていますが、ほかにはどのような食材に含まれているのでしょうか。効率よく葉酸を摂取する方法も合わせて見ていきましょう。

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葉酸はあらゆる年代の男女に必要な栄養素

葉酸には「妊娠中・妊娠を控えた女性が摂るべき栄養素」というイメージがありませんか?

葉酸は、遺伝情報をもつDNAやたんぱく質の合成に関わり、細胞が作られるのをサポートする栄養素です。妊娠中は胎児の細胞が活発に増殖しており、この時期に葉酸が不足すると、胎児が神経管閉鎖障害になるリスクが高まります。そのため、女性は妊娠前から葉酸を積極的に摂る必要があるのです。

胎児だけではなく、大人にとっても葉酸は大切な栄養素です。人の体では、肌や粘膜の細胞は常に生まれ変わっています。葉酸には細胞の生まれ変わりを助けるはたらきがあるので、不足すると肌や粘膜が炎症を起こすおそれがあります。

葉酸は、血液に含まれる赤血球の合成にも関わっているため、葉酸不足は貧血の原因のひとつです。また葉酸が不足すると、動脈硬化のリスクを高めるホモシステインというアミノ酸の血中量が増加します。葉酸の摂取は、動脈硬化の予防にもつながるのです。

このように葉酸は、健康を維持するためになくてはならない栄養素です。成人男女は、1日に240μgの葉酸を摂取することが推奨されています。毎日の食事に、葉酸が豊富な食材を取り入れていきましょう。

葉酸は野菜に豊富!

ほうれん草だけじゃない?「葉酸」を多く含む意外な食材とは
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ブロッコリー、ほうれん草、モロヘイヤ、枝豆、アスパラガス

葉酸は野菜に多く含まれており、特にブロッコリーやほうれん草、モロヘイヤは葉酸が豊富な野菜として知られているのではないでしょうか。アスパラガスも、葉酸が多い食材です。ブロッコリーには及ばないものの、190μg/100gもの葉酸を含んでいます。

お酒のおつまみでおなじみの枝豆には、葉酸が豊富に含まれています。100g当たりの含有量を比べると、ブロッコリーの220μgに対して枝豆には320μgもの葉酸が含まれているのです。

納豆、きなこなどの大豆製品

また枝豆は未成熟な大豆でもあるので、大豆製品にも葉酸が豊富に含まれています。納豆(120μg/100g)は葉酸が多くて食事にも取り入れやすい、おすすめの食材です。きなこ(220μg/100g)も葉酸が多く含まれますが、一度にたくさんの量を摂るのは難しいため、ヨーグルトや牛乳に混ぜるなどして工夫して摂取してみましょう。

葉酸には水に溶けやすい性質があり、食材をゆでると葉酸が湯に溶け出てしまうことに注意してください。食材によっては、6割もの葉酸が失われてしまう場合もあります。葉酸を無駄にしないためには、電子レンジでの加熱調理や炒め調理がおすすめです。

いちご、アボカド

食材を加熱せず、生で食べるのも葉酸を効率的に摂取する方法のひとつです。いちご(90μg/100g)やアボカド(83μg/100g)は比較的葉酸が多く、生で食べられます。そのような食材も活用して、葉酸を上手に摂取していきましょう。

葉酸が多い意外な食品は?

ほうれん草だけじゃない?「葉酸」を多く含む意外な食材とは
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レバー、ウニ、すじこ、いくら、鶏卵、ほたて

葉酸が豊富な動物性食品はレバーがよく知られていますが、レバーが苦手な人は少なくありません。葉酸を多く含む意外な動物性食品という点では、ウニ(360μg/100g)やすじこ(160μg/100g)、いくら(100μg/100g)がありますが、日常的に食べるのは難しいですね。

これら以外の肉や魚といった動物性食品には、基本的に葉酸はあまり含まれていません。毎日の食事に取り入れるなら、鶏卵(49μg/100g)がおすすめです。また、ほたて(87μg/100g)もたまに食事へ取り入れてみるとよいでしょう。 

葉酸は妊娠前後の女性だけではなく、すべての年代の男女に必要な栄養素です。体の細胞の生まれ変わりを助け、貧血や動脈硬化を防ぐために、葉酸を摂取していきましょう。

【参考文献】
吉田企世子. 食べ方&保存のコツ辞典. ナツメ社, 2020
厚生労働省 e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント 神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

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いしもとめぐみ 管理栄養士

いしもとめぐみ

管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。



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