「お米=糖質」だと思っていない?【実は多い】お米に含まれるたんぱく質を効率よく摂取する方法
日本人の主食であるお米。炭水化物の主な供給源となっており、エネルギー源としても必要不可欠ですが、低糖質高たんぱく質がブームとなった今、お米の消費量は年々減り続けています。実は、お米は炭水化物だけではなく、たんぱく質もとることができます。今回は、お米の栄養価を紐ときながら、お米に含まれるたんぱく質を効率よくとるにはどうすればよいのか解説します。
お米=糖質だと思っていない?
お米は炭水化物が主成分の穀類です。炭水化物は、摂取すると体内でブドウ糖に分解され、エネルギー源として利用される栄養素です。
お米には炭水化物が多い=糖質が多いから砂糖と同じだ!と言われることがありますが、これは間違いです。お米に含まれている炭水化物は多糖類であるデンプンで、砂糖に比べてゆっくりと消化・吸収されます。
また、お米には炭水化物だけではなく、たんぱく質や食物繊維、一部のビタミンやミネラルも含まれています。
お米の栄養価をチェックしてみよう!
お米にはどのような栄養価が含まれているのでしょうか?
今回は、実際に食べる状態である米を炊いた後の「めし」の状態の栄養価を見ていきましょう。
【めし(精白米・うるち米)の茶碗1杯(150g)当たりの栄養価】
- エネルギー:234kcal
- たんぱく質(アミノ酸組成によるたんぱく質):3.0g
- 脂質(脂肪酸のトリアシルグリセロール当量):0.3g
- 炭水化物(利用可能炭水化物(単糖当量)):57.2g
- 糖質(利用可能炭水化物(質量計)):51.9g
- 食物繊維:2.3g
- カリウム:44mg
- カルシウム:5mg
- マグネシウム:11mg
- 鉄:0.2mg
- 亜鉛:0.9mg
- ビタミンB1:0.03mg
- ビタミンB2:0.02mg
- ビタミンB6:0.03mg
- 葉酸:5μg
(※引用元:文部科学省,日本食品標準成分表2020年版(八訂))
確かに炭水化物の含有量は多いですが、ご飯1杯分にはたんぱく質はもちろん、食物繊維やミネラル、ビタミン類も含まれていることがわかります。また、パンに比べると脂質が少ない傾向にあるので、脂質が気になる方は米食にするのがおすすめです。
お米に含まれるたんぱく質を効率よく摂取するには?
たんぱく質は「質」が大切だといわれています。この「質」を決めているのが、「アミノ酸スコア」です。
アミノ酸スコアとは、食品のたんぱく質の量と構成しているアミノ酸の組成のバランスがどれだけ良いかを数値化したものです。アミノ酸スコアが悪いと、体内におけるたんぱく質の利用効率が悪くなりますが、不足しているアミノ酸が含まれている食品と一緒に食べることで利用効率は良くなります。
お米のアミノ酸スコアは、精白米の場合「93」といわれており、満点の「100」にはわずかに届いていません。この不足分は、肉や魚、豆類と一緒にとることで補うことができます。
そのため、お米だけ食べるのではなく、一緒に肉や魚、豆腐などを使った主菜をとることで、効率よくたんぱく質を摂取することができます。主食・主菜・副菜を組み合わせた食事は、理にかなっている食事というわけです。
【参考文献】
- 文部科学省,日本食品標準成分表2020年版(八訂)
- 農林水産省,年間1人当たりの米の消費量をおしえてください(閲覧日:2022年11月30日)
- 吉田企世子、松田早苗監修,高橋書店,正しい知識で健康をつくるあたらしい栄養学
AUTHOR
宮﨑奈津季
管理栄養士、離乳食アドバイザー、薬膳コーディネーター。 介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、独立。料理動画撮影やレシピ開発、商品開発、ダイエットアプリの監修、栄養価計算などの経験あり。 現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。一児の母。
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