レモンだけじゃない?「ビタミンC」を多く含む意外な食材6つ|管理栄養士が解説
肌を美しく保ち、健康にも役立つビタミンC。レモンなどの柑橘類に多いことはよく知られていますが、それ以外にビタミンCが豊富な食材をご存知でしょうか?この記事では、ビタミンCを多く含む意外な食材を紹介します。食材の色による含有量の違いや、おすすめの調理法なども参考にしてください。
美容や健康維持に大活躍のビタミンC
ビタミンCには、美容に効果的なイメージがありませんか?肌のハリを作るコラーゲンの合成には、ビタミンCが不可欠です。さらにビタミンCはメラニン色素の沈着をおさえて、肌にシミができるのを防ぐ効果が期待できます。
強い抗酸化作用を持つことも、ビタミンCの特徴です。過剰な活性酸素による体の酸化は、老化や生活習慣病の原因となるおそれがあります。ビタミンCには活性酸素のはたらきをおさえて、酸化から体を守る作用があるのです。
ビタミンCにはほかにも、ストレスに対抗するホルモンの合成を助けたり、免疫力を高めたりする作用があります。
このように美容や健康に役立つビタミンCは、たくさん摂取しても体に貯めておけません。成人男女は、1日に100mgのビタミンCを摂取することが推奨されていますが、摂り過ぎたビタミンCは尿とともに排出されてしまいます。そのためビタミンCは、毎日こまめに摂取する必要があります。
ビタミンCが豊富な食材といえば、レモンを思い浮かべる人は多いでしょう。しかし、毎日レモンを食べ続けるのは難しいですよね。そこで、レモン以外でビタミンCを多く含む意外な食材を紹介します。日々の食事に取り入れて、ビタミンCをしっかり摂取していきましょう。
ビタミンCが多い意外な食材は?
ビタミンCは、主に果物と野菜に多く含まれる栄養素です。
キウイフルーツはビタミンCが豊富な果物ですが、黄色と緑色のもので含有量が大きく異なります。黄色のキウイフルーツは100g当たり140mgものビタミンCを含んでいる一方、緑色のものには71mgしか含まれていません。それでもレモン(50mg/100g)よりも多く、緑色のキウイフルーツもビタミンCが豊富といえます。少量で効率よくビタミンCを摂取するなら、黄色のキウイフルーツがおすすめです。
秋に旬を迎える果物、柿もビタミンCを多く含んでいます。柿にはさまざまな種類がありますが、種なし柿として知られる平核無柿などの渋抜き柿(55mg/100g)よりも、富有柿や次郎柿といった甘柿のほうがビタミンCは多めです(70mg/100g)。
ビタミンCは熱に不安定で、水に溶けやすい性質があるため、ゆでたり水にさらしたりすると失われる可能性があります。しかし果物はそのまま生で食べることが多いので、無駄なくビタミンCを摂取できますね。
ビタミンCを含む野菜は調理方法に注意
ビタミンCを多く含む野菜には、パプリカがあります。鮮やかな色が特徴のパプリカは、黄色(150mg/100g)やオレンジ色(150mg/100g)よりも赤色(170mg/100g)のもののほうがビタミンCを多く含んでいます。
ブロッコリーもビタミンCが多い野菜ですが、調理方法に注意が必要です。ブロッコリーは、生の状態では100g当たり140mgものビタミンCを含んでいます。しかしゆでると、55mgにまで減少してしまうのです。これは、ビタミンCが湯に溶け出てしまうことが原因です。ビタミンCの損失をおさえるには、電子レンジで加熱調理しましょう。
じゃがいも(28mg/100g)やさつまいも(29mg/100g)はそれほどビタミンCが多くないように思われますが、ほかの野菜にはない特徴があります。いも類に含まれるビタミンCはでんぷんに包まれているため、加熱調理による損失が少ないのです。じゃがいもは電子レンジ調理、さつまいもは蒸しいもにすることをおすすめします。
野菜や果物、いも類などいろいろな食材を活用して、ビタミンCを積極的に摂取してください。
【参考文献】
吉田企世子. 食べ方&保存のコツ辞典. ナツメ社, 2020
厚生労働省 e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」
厚生労働省 e-ヘルスネット「活性酸素と酸化ストレス」
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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