尿酸値が高い人は要注意!プリン体が多い意外な食べ物とは?管理栄養士が解説

 尿酸値が高い人は要注意!プリン体が多い意外な食べ物とは?管理栄養士が解説
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尿酸値が高い人にとって、食材に含まれるプリン体の量は気になりますね。レバーや白子はプリン体が多い食べ物として知られていますが、そのほかにもプリン体が多く含まれる食品が存在します。この記事では、意外とプリン体が多い食品を紹介するので、尿酸値が気になる人は参考にしてください。

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かつお節や煮干しのだし汁は飲みすぎないで

尿酸値が高い人が気になるプリン体は、動植物の細胞内に存在する成分です。あらゆる生物の細胞内に在るため、プリン体は肉・魚・野菜・海藻・きのこといったほとんどの食品に含まれており、ヒトの体内にも存在しています。

プリン体は通常、肝臓で処理されて尿酸という物質に変わり、体の外に排出されます。しかしプリン体を多く摂りすぎると血液中に尿酸がたまり、高尿酸血症を起こしてしまうのです。高尿酸血症の状態が続くと、結晶化した尿酸が関節に沈着し、炎症を引き起こします。これが、いわゆる痛風です。尿酸の結晶が腎臓や尿路に沈着して、腎臓障害や尿酸結石を起こすこともあります。 

プリン体の1日の摂取目安量は、400mg程度までとされています。プリン体が多い食べ物として有名なのは、鶏レバーやあんこうの肝、白子ではないでしょうか。これらの食べ物は、食品100gあたりプリン体が300mg以上含まれる、プリン体含有量がとても多い食品に分類されます。牛レバーや豚レバー、えびはプリン体が200〜300mg/100g含まれており、プリン体がやや多めです。 

ほとんどの魚類のプリン体は100〜180mg/100g程度ですが、カツオとマイワシは200mg/100gを超えるため、食べすぎないよう注意が必要です。さらにカツオを加工したかつお節、マイワシの仲間であるカタクチイワシを原料にした煮干しは、かなり多くのプリン体を含んでいます。

プリン体含有量が多い理由は、かつお節や煮干しは加工過程で乾燥させており、食品100g当たりで比較した場合、相対的に数値が高くなってしまうためでしょう。またかつお節や煮干しは一度にたくさん口にする食品ではないので、危険性はあまり高くないとも考えられます。

しかしプリン体は水に溶け出す性質があるため、かつお節や煮干しを煮出しただし汁には、大量のプリン体が含まれている可能性があります。これらの食材から取った濃厚なだし汁はおいしいのですが、飲みすぎないように気をつけてください。

だし汁
だし汁は飲みすぎないよう注意!
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健康食品のプリン体に要注意

健康づくりのために、積極的に健康食品を摂っている人もいるでしょう。しかし健康食品のなかには、プリン体を多く含むものがあるので注意が必要です。 

健康食品のひとつにDNAやRNAといった核酸がありますが、核酸の構成成分にはプリン体のもとになる物質が含まれています。そのためDNAやRNAのプリン体含有量は、サプリメントのような少量の摂取であってもやや多くなります。

ほかにもビール酵母サプリやローヤルゼリーといった健康食品はプリン体が多めです。摂取する場合は1日の目安量を守り、特に尿酸値が高い人は、摂取する前に医師に相談するようにしてください。

プリン体は決して悪者ではなく、私たちの体を作る細胞の合成や分解に必要不可欠なものです。しかしプリン体を体が処理しきれないほど摂りすぎると、悪影響を及ぼす物質になってしまいます。プリン体を多く含む食品を食べる際は、適量の摂取を心掛けるようにしましょう。

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AUTHOR

いしもとめぐみ 管理栄養士

いしもとめぐみ

管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。



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