「気疲れしがちな人」の特徴とは?心のケアと柔軟な捉え方の練習で、人付き合いで疲れにくい自分へ|心理士が教える

「気疲れしがちな人」の特徴とは?心のケアと柔軟な捉え方の練習で、人付き合いで疲れにくい自分へ|心理士が教える
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「あの一言、気を悪くさせていないだろうか」「もっと良い対応ができたはず」。そんなふうに、必要以上に気を遣って、気疲れしてしまう人は少なくありません。生活するうえで人付き合いは避けられないからこそ、気疲れしにくい自分になりたいものですよね。そこで本記事では、心理士の視点から人付き合いで疲れがちな人の特徴と、改善のための心理的アプローチをご紹介します。

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人付き合いで疲れやすい人は「私がなんとかしなくては」と考えすぎる

人付き合いで過剰に気を使ってしまう人は、起こった出来事を”ストレス”としてみなす範囲が通常より広いと考えられます。心理学では、この状態を「認知的評価が偏っている」と考えます。例えば、「同僚がため息をついている」という場面に遭遇したときを想像してみてください。多くの人は「疲れているんだな」で済ますような場面です。しかし認知的評価が偏っている人は「私が声をかけなければ」「フォローしなくては」と自分で対処しようとしがちです。同僚のため息を「これは私のストレスになる」と判断し、ストレスの源に対処しようとがんばってしまうのです。この場合、声掛けで同僚が笑顔になってくれればストレスも減るかもしれません。しかし、あまりに多くの出来事をストレスとしてみなしているとどうしても自分で対処できなくなりがちです。ストレスに対処しきれなくなると、倦怠感や頭痛といったストレス反応が出てきます。こうして人付き合いによる疲れが溜まっていってしまうのです。

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人付き合いで疲れにくくなるための心理的アプローチ

ここからは人付き合いで疲れやすい人に向けた、実践しやすい対処法を紹介します。

考え方の幅を広げる

先述したように、気疲れしやすい人は「これは私のストレスになる」とジャッジする範囲が広い傾向があります。つまり「これは私のストレスではない」と切り分けられれば、気疲れしにくくなるのです。相手の言動をストレスと捉えない練習として、”コラム法”などを用いた柔軟な考え方の練習が挙げられます。起こった出来事に対する感情や思考を記録し、「他の人ならどう考えるかな」と考え方の幅を広げていくのです。例えば、「同僚のため息に遭遇したとき」であれば「寝不足なのかもしれない」「友達の機嫌は私の責任ではない」「何か頼まれてから行動すればいい」と、いつもの自分とは違う視点で捉え直します。この練習を継続することで、ストレスとみなす出来事自体が少なくなっていくでしょう。

アサーションを練習

「相手の気持ちを思いやりすぎて、自分の言いたいことが言えない」という人におすすめなコミュニケーション方法が”アサーション”です。アサーションとは、相手に配慮しつつ自分の伝えたいこともしっかり伝えることのできるスキルのこと。以下の2つのポイントを押さえることで、お互いの気持ちを尊重し合った対話ができるようになっていきます。

1 I(私)メッセージで伝える
相手にしてほしいことなどを伝える際、「あなたは〜〜すべき」と言うのではなく「私は、あなたに〜〜してほしい」と伝える方法。例えば、「相手からの返信が遅かったため次からは早く返信して欲しい」という場合、「あなたはもっと早く返信すべきだった」と言うのではなく「次からはもっと早く返信してもらえると、私は助かる」と伝えるといった具合です。

2 DESC法で伝える
DESC法とは「Describe(具体的かつ客観的に状況を伝える)→Express(自分の感じていることを伝える)→Suggest(相手に望む具体的な行動を提案する)→Choose(提案した行動を受け入れてもらえた場合とそうでない場合それぞれに選択肢を示す)」という流れで伝える方法。

例えば、同僚が仕事を手伝ってほしいと言ってきた場合を考えてみましょう。

  • Describe:同僚があなたに仕事を手伝ってほしいと伝えてきた。
  • Express:手伝いたい気持ちはあるが、今日は残業せずに帰りたい。
  • Suggest:今日は急ぎの仕事が溜まっていて難しい。明日なら手伝えるかもしれない。
  • Choose:今日すぐに手伝ってもらいたいなら、Aさんにお願いしてはどうか。

相手との関係を壊すことなく、無理のない伝え方ができます。

気疲れしたときにすぐできる心のケア方法

人付き合いに疲れにくくなる練習をしていても、やはり気疲れしてしまうことはありますよね。そんなとき、その場ですぐ実践できる心のケアの方法をご紹介します。

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呼吸法でリラックス

人付き合いで疲れてしまったときのケア方法としておすすめなのが、リラックスするための呼吸法。簡単にできるのは”腹式呼吸”です。ゆっくり息を吸って、ゆっくり吐く。これだけで心身の緊張がやわらぎ、余裕が戻りやすくなります。

漸進的筋弛緩法

漸進的筋弛緩法とは、体の各部位に力を入れたり抜いたりを繰り返すことで副交感神経を優位にし、リラックスする方法です。気づかぬうちにこわばっていた体の緊張をゆるめることが可能です。

まとめ

人に気を使って疲れてしまうのはごく自然なこと。欠点などではなく、むしろ相手を思いやれる優しいところは長所でもあると言えます。とはいえ、過剰に相手に気を使いすぎてしまうと疲労も溜まりやすくなってしまうため、適切な心のケアと柔軟な考え方の練習で改善していきましょう。AI×心理学のメンタルケアアプリ「Awarefy(アウェアファイ)」を活用するのもおすすめです。

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