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【ウォーキングとヨガの組み合わせ運動】2型糖尿病患者の血糖コントロールに最も効果的｜研究結果で明らかに

山口華恵 2025-12-04

ウォーキングとヨガを組み合わせることで、日常生活の中で手軽に血糖値の改善が期待できることがわかった。

激しい運動は不要、身近な習慣が糖尿病改善の鍵

日常生活で血糖値の管理に頭を悩ませる2型糖尿病患者に朗報とも言える研究結果が登場した。インドのアッサム州の農村部で行われたパイロットスタディで、ウォーキングとヨガという取り入れやすい運動を組み合わせることで、血糖値がより効果的に改善されることが明らかになった。この研究は医学誌『Cureus』に掲載され、研究者たちは20人の2型糖尿病患者を対象に、3カ月間にわたり血糖の変化を追跡した。参加者は、ヨガだけを行うグループ、ウォーキングだけを行うグループ、両方を組み合わせるグループ、そして生活習慣を変えないグループに分けられ、すべての参加者は経口薬による治療を受けていた。なお、インスリン治療中の人は対象から除外されている。この研究の最大の特徴は、過度な運動や特別な環境を必要とせず、日常生活に取り入れやすい運動を比較した点にある。通常、糖尿病の血糖管理といえば薬や食事制限に注目が集まりがちだが、最近では「続けやすい運動こそが改善の鍵になる」という考え方が広まっている。まさにこの研究は、その考え方を裏付けるものといえる。

ウォーキングとヨガを組み合わせると血糖改善の効果が相乗的に最も高まった

3カ月間の追跡の結果、各グループで血糖値に明確な変化が見られた。ウォーキングだけを行った人たちは空腹時血糖が下がり、ヨガだけを行った人たちは空腹時だけでなく食後血糖にも改善が見られた。最も驚くべき結果は、ウォーキングとヨガの両方を組み合わせたグループで、平均血糖値を示すHbA1cの低下幅が最も大きく、総合的に血糖改善の効果が高かったことだ。

なぜこの組み合わせが効果的なのか。専門家によれば、ウォーキングは体が血糖をエネルギーとして消費するため血糖値を下げる一方で、ヨガは呼吸と動作を通して自律神経を整え、インスリンの働きが出やすい状態を作る。この２つの作用が合わさることで、血糖改善の効果が相乗的に高まると考えられる。つまり、体が血糖を使う力をウォーキングで高めつつ、ヨガで血糖を取り込みやすい体の状態を整えることで、単独の運動よりも高い効果が得られるのだ。さらに、今回の研究では血糖値だけでなく生活の質にも変化が見られた。ウォーキングを続けた人は気分や人間関係に前向きな変化が生まれ、ヨガを取り入れた人は心身の落ち着きや生活満足度が高まった。このことから、血糖管理に取り組むことが、単に数値の改善だけでなく、日々の生活の充実やメンタル面にもプラスの影響を与える可能性があることが示唆された。

「続けられる運動が最も強い血糖管理の武器となる」

専門家たちは「続けられる運動が最も強い血糖管理の武器となる」と口をそろえて言う。では、今日から何をすればよいのだろうか。まず、通勤や買い物の際に少し早歩きを意識するだけでも、血糖改善には効果的だ。階段を使ったり、駅まで歩いたり、昼休みに散歩を取り入れたりするだけでも、体は血糖をエネルギーとして使う。このとき少し息が上がる程度で十分であり、無理に速く歩く必要はない。時間に余裕がある日は、ヨガで深呼吸をしながらゆっくりとした動きを取り入れることで、心身のリラックス効果とともにインスリンの働きやすい体を作ることができる。ウォーキングで血糖を消費し、ヨガで血糖を取り込みやすい状態を整える。この２つを日常生活に組み込むだけで、血糖管理は確実に前に進む。もちろん、運動だけでは血糖管理は完璧にはならない。医師は、食事のバランスや体重管理、糖質の取り方にも注意するよう勧めている。

今回の研究は規模こそ小さいものの、ウォーキングとヨガという手軽で続けやすい運動を組み合わせることが、2型糖尿病の血糖改善に有効である可能性を示した。忙しい日常の中でも、ほんの少しのウォーキングと、深呼吸をしながらのヨガを取り入れるだけで、薬や食事管理と並ぶ“第三の柱”として血糖管理の力を高められそうだ。