【トップトレーナーが教えるロジカル筋トレ】これが正解!「ウォーキング」の正しいやり方を徹底解説
間違った認識のまま自己流で筋トレをしていると、十分な効果を得られず途中で諦めてしまうことがあります。そこで、メジャーリーガーのトレーニング指導も行うスポーツトレーナーの清水忍先生が、正しいトレーニングの目的とやり方をロジカルに解説。今回は「ウォーキング」の正解を教えていただきました。
真の目的は体の強化。その結果、息切れや肩凝りから解放
ウォーキングを痩せるために行っている人は多いと思いますが、残念ながらその効果はあまり期待できません。30分歩いて消費できるカロリーは約150calで、3カ月間、毎日歩いても1万5000cal程度。エネルギーとして使われるのは、脂肪より炭水化物のほうが多いので体脂肪は500g~700gしか落ちません。ちょっとがっかりしませんか?
ウォーキングを痩せるための運動と思ってやると期待が外れますが、真の目的は「体を強化すること」にあります。体が強化されると階段を駆け上がるのが苦にならず、あるいは筋肉が鍛えられて正しい姿勢を維持でき、肩凝りや腰痛を予防できます。ウォーキングをしっかり行うと活動レベルが上がるので、結果的に一日の消費カロリーが増えて痩せやすい体になります。さっそく体を強化する、ウォーキングのやり方をマスターしましょう。(清水忍先生)
ロジカル筋トレ「ウォーキング」編
ウォーキングで体を強化するには、次の2つのポイントを意識しましょう。
★ポイント1:歩幅を広げる
歩幅を広げるには脚をより前に下ろすことが大切。歩幅が広がるとスピードが上がり、大股で歩くと多くの筋肉が動員されて運動の強度と心拍数がアップ。すなわちトレーニングになります。
〈練習法〉
1.壁に片手をついて体を支え、左脚を振り子のように前後に数回大きく振る。
2.前に振った脚をより前方の床に下ろし、その脚に体重を移動させて戻る。この動きを数回繰り返し、反対側の脚も同様に。
〈注目!〉
・後ろのつま先で地面を強く蹴ろうとすると、ふくらはぎの筋肉を局所的に酷使するので早い段階でふくらはぎに疲労が蓄積します。また前脚がブレーキをかけようとして歩幅が広がらずスピードが出ません。後ろ脚は自然に蹴り出し、脚を前に大きく振り出すことを意識して。
・背中が丸くなると脚が前に出ないので注意。歩幅を広くすると自然と背骨がピンと伸びます。
・腹筋の力が抜けると腰が反って脚が前に出なくなります。お腹を手でポンポンと叩いて硬くなっている感覚がつかめればOK。
★ポイント2:肘をしっかり後ろに引く
右脚が前に出ると体は左回旋、左脚が前に出ると体は右回旋し、体の軸がブレてスピードが出ません。軸を安定させるには、右脚が前に出るときに右手を、左脚が前に出るときに左手を後ろに引くと、回旋しようとする体が中心に引き戻されます。腕を振るというより「肘をしっかり後ろに引く」ように意識して。
〈注目!〉
腕を大きく動かすことで肩甲骨が動き、その周りの筋肉を動員されて運動強度がアップ。
ウォーキングで体脂肪はほぼ減少しないと言いましたが、30分以上のウォーキングで血糖値は下がります。今回はトレーニングを目的としているので30分以上歩くのが理想ですが、時間がとれない人は通勤時などに上記のポイントを踏まえた歩き方をするだけでも徐々に効果を実感できます。
動画で見る
教えてくれたのは…清水 忍先生

株式会社INSTRUCTIONS代表 ストレングスコーチ、トレーニングジム「IPF」ヘッドトレーナー 、K.O.Hプログラムアドバイザー 。「根拠」「理解」「動機」のすべてを満たした指導で、メジャーリーガー菊池雄星投手をはじめ多くのプロ野球選手やプロアスリートのトレーニングを担当。 糖尿病患者会など、内科疾患を持つ方々への運動指導にも精通している。 若手トレーニング指導者のレベルアップを目指すゼミ「清水塾」を主宰するなど、後進の育成にも力を注いでいる。雑誌「Tarzan」の監修やメディア出演のほか、最新刊『ロジカルダイエット 3カ月で「勝手に痩せる体」になる』(幻冬舎新書)ほか監修多数。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く








