腸内環境が悪いと骨がもろくなる?今すぐできる「腸から始める骨活」のススメ|管理栄養士アドバイス
子供も大人も骨折が増えていますーもはや「骨活」は高齢者だけの課題ではありません。原因はコロナ以降の急速に進んだリモートライフによる運動不足、日照時間低下、ストレスなどが挙げられます。 骨といえばカルシウムを摂ればいいのでは?実は、それだけではないんです。
「骨腸相関」:なぜ「骨づくり」に腸が大切なの?
骨と腸は一方向ではなく 双方向に影響し合う関係 になっています。理由は主に、3つあります。
① 吸収の現場が「腸」
カルシウムやマグネシウムは小腸で吸収されます。その吸収を助けるのがビタミンDです。発酵食品は腸内環境を整え、間接的に吸収をサポートする“土台づくり”に役立ちます。
② 腸内細菌が「骨ホルモン」に影響
腸内細菌がつくる短鎖脂肪酸(酪酸など)は、破骨細胞(骨を壊す細胞)の働きを抑え、骨芽細胞(骨をつくる細胞)の働きをサポートすると報告されています。
③ 腸内細菌が骨に必要な「ビタミンD」を活性化。「ビタミンK」を作る。
カルシウムの吸収を高めるビタミンDは、肝臓と腎臓で活性化され、その活性型ビタミンDが腸で作用してカルシウム吸収を助けます。骨タンパク(オステオカルシン)を成熟させる「ビタミンK2」は腸内細菌が一部をつくりますが、食事からの摂取も重要です。
今、「骨活」が必要な理由
「ストレス」の多い現代は、骨にとっても辛い時代
ストレスが続くと副腎から「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されます。コルチゾールは腸内環境を乱し、骨を作る細胞の働きも低下させます。これらが、骨を作る細胞の活性を抑制させるのです。
また、腸内環境が乱れると腸内細菌によるビタミンK2の産生が低下しやすくなります。
睡眠不足、喫煙、アルコール、酸化した揚げ物や甘いものの取りすぎなど、腸内環境を乱す食事も、骨にとっては辛い状況なのです。
味噌汁は「1杯で骨栄養チームをまとめてチャージできる」万能スープ!
そこでおすすめするのが、「お味噌汁」なんです。
お味噌汁のメリット5
● 味噌の麹菌が“腸内環境”を整え、骨ホルモンが活性化するための大切な「土台」づくりができます
●発酵大豆食品にはビタミンK2が含まれます。特に納豆が豊富ですが、味噌にも一定量が含まれています
●味噌に含まれるGABAには、ストレス緩和に関与する可能性が報告されています
●骨の活性化に働く「大豆たんぱく・ミネラル」が発酵によって分解されて吸収されやすくなります
●具材で骨に必要な、「カルシウム」「D」も一緒に摂れます
<おすすめの具>
• 豆腐 、油揚げ→ カルシウム、タンパク質、マグネシウム、
• シャケ缶詰、しらす、きのこ類 、干し椎茸(特に天日干しのもの)、卵→ ビタミンD
• わかめ、あおさ 、小松菜→ ビタミンK
・ごまーカルシウム、マグネシウム
1日1杯のお味噌汁。寒さが増す季節、朝の1杯が「骨活」にもなります。今日からはじめてみませんか?
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