【大根おろし】時間が経つと「ビタミンC」が半減…抗酸化作用やビタミンCを守るための調理ポイントとは?管理栄養士が解説

【大根おろし】時間が経つと「ビタミンC」が半減…抗酸化作用やビタミンCを守るための調理ポイントとは?管理栄養士が解説
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和食の付け合わせや薬味として広く使われている大根おろし。消化を助けてくれる働きの他に、抗酸化作用のあるビタミンCが含まれていますが、おろしてから時間が経つと半減してしまうのがデメリット。そこで今回は、ビタミンCを守るために活用したい調味料やポイントについて解説します。

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大根おろしの健康効果

大根おろしのピリッとした辛みのもとは、グルコシノレートから発生したイソチオシアネートという抗酸化成分です。抗炎症作用のほか、がんの予防効果も期待されています。イソチオシアネートは、切ったりすりおろしたりすることで発生します。大根をすりおろした時とカットした時では、すりおろした時の方がイソチオシアネートが約7倍も活性化するといわれています。抗酸化物質が多いとされる下部の先端部分を使うのがおすすめです。また、大根にはでんぷんを分解するアミラーゼという酵素が豊富に含まれています。でんぷんを分解する作用で消化を助け、胃腸の働きを整えてくれる効果が期待できます。胃もたれや胸やけ、二日酔いの予防にも役立ちます。たんぱく質を分解する働きがあるプロテアーゼ、脂肪を分解するリパーゼも含まれているため、代謝を助けながらダイエットサポートとしても活用できます。

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ビタミンCを守るための調味料

大根に含まれるビタミンCには強い抗酸化作用の他、コラーゲンの生成を助け皮膚や髪を丈夫に保ったり、免疫力の向上、鉄分の吸収率を上げる、など様々な効能があります。せっかくなら損失することなく摂りたい成分ですよね。大根のビタミンCは酵素や空気中の酸素とや反応することによって酸化が進むため、おろしてから10分で約2割が減少してしまうといわれています。イソチオシアネートの効果とともにビタミンCの効果も最大限に摂るために加えたい調味料は、ずばりお酢です!お酢の酸性のクエン酸にはビタミンCを安定させてくれる性質があるため、ビタミンCを酵素の分解から守り、味が落ちるのも防いでくれます。また、ビタミンCの吸収もサポートしてくれるため、相乗効果が期待できるのです。穀物酢、米酢、黒酢、りんご酢など、種類は何でもOKです。

《大根おろしの調理ポイント》

・抗酸化成分の多い先端部分を使う
・食べる直前にすりおろす
・お酢を加える

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夏と冬の栄養価の違い

大根の旬は冬。これからがおいしくなる季節ですね。辛み成分が多いのは春~夏に収穫されるもので、甘みが少なく煮てもさっぱりとした味なので、サラダとして生食で食べるのに適しています。冬の大根は糖分が多くなり、煮物やおでん、鍋物に最適。加熱した大根は栄養価が減ると考えられてきましたが、抗酸化作用が上がることが最近わかってきました。また、食物繊維も加熱した方が消化吸収しやすくなるため、加熱調理も合わせて活用しましょう。

大根おろしの場合は、冬に獲れるものだと皮付近にイソチオシアネートが増えるので、硬い皮周辺も捨てずに良く洗い、すりおろして食べるようにすると栄養を丸ごと摂ることができます。一年を通して大根の色々な食べ方を楽しみたいですね。

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《参考文献》
完全版その調理、9割の栄養捨ててます!/世界文化社
野菜の栄養素まるごと便利帳/吉田企世子

《ライター》やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量料理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて、給食管理、献立作成、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、ヘルスケア栄養指導士の資格を取得。育児をしながら栄養に関する記事執筆を行っている。

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