おいしいだけじゃない!〈唐揚げに大根おろし〉一緒に食べることで得られる効果とは?管理栄養士が解説
子どもにも大人にも人気な唐揚げ。そのままでも美味しいですが、レモンをかけたり、マヨネーズやタルタルソースをつけたりと、味の変化を楽しめるのも魅力の1つですね。実は、唐揚げに大根おろしの組み合わせもおいしいのをご存じですか?しかも、おいしいだけではなく、嬉しい栄養効果も!今回は唐揚げと大根おろしの意外な栄養効果について解説します。
大根にはどんな栄養効果がある?
胃腸の働きを整える
大根にはジアスターゼ(アミラーゼ)やプロテアーゼ、リパーゼといった消化酵素やオキシターゼ(酸化酵素)が豊富に含まれています。消化酵素とは、食べたものを分解し、体に吸収しやすいようにする酵素のこと。これらの消化酵素を豊富に含んだ大根は「自然の消化剤」とも呼ばれ、胃腸の働きを整える効果が期待できます。
・ジアスターゼ・・・炭水化物(でんぷん)を分解する
・プロテアーゼ・・・たんぱく質を分解する
・リパーゼ・・・脂質を分解する
・オキシダーゼ・・・たんぱく質や脂質の消化を助ける、発がん物質を解毒する(焼き魚の焦げなど)
また、大根の辛味成分でもあるイソチオシアネートは胃液の分泌を高め、胃の健康を保ちます。
美肌効果
大根にはビタミンCが含まれています。ビタミンCは抗酸化力が強いことから、老化を防いだり免疫力を上げる効果が期待できます。また、ビタミンCはコラーゲンを生成するうえで欠かせない栄養素です。ビタミンC不足はコラーゲン不足にもつながるので、皮膚がたるんだりシワが増えることもあります。ほかにもシミを防ぐ働きもしていることから、ビタミンCは美肌には欠かせない栄養素です。
生活習慣病の予防
大根には食物繊維も多く含まれています。食物繊維は便通を整える効果のほかにも、コレステロール値や血糖値の上昇を抑制することから、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。
「唐揚げに大根おろし」で栄養効果を発揮!
唐揚げに大根おろしの組み合わせは、油っこい唐揚げをさっぱりと食べることができます。味ももちろんおいしいですが、大根に含まれるさまざまな消化酵素が唐揚げを食べるときに嬉しい効果を発揮します。
唐揚げはたんぱく質(肉)と脂質(揚げ油)が豊富な食べものなので、つい食べ過ぎて胃もたれをしてしまうことも・・・。しかし、大根に含まれる消化酵素やイソチオシアネートの働きにより胃腸の消化・吸収を助けてくれ、胸やけや胃もたれを予防する効果があります。また、これらの酵素は熱に弱い性質をもつため、生食で利用することで効率よく摂取できます。なので、唐揚げに大根おろしはまさにぴったりの組み合わせです!ただし、大根おろしは時間が経つと、イソチオシアネートの効果が薄れたり、独特のにおいが強調されてしまうため、食べる直前に大根をすりおろすのがおすすめです。
魚や天ぷらにもよく大根おろしが添えられていますが、これらも同じ効果を発揮してくれます。唐揚げにレモンやマヨネーズもおいしいですが、せっかく食べるなら栄養効果も期待できる「唐揚げ×大根おろし」もぜひ試してみてくださいね。
【参考文献】
・書籍「栄養素図鑑と食べ方テク」 監修:中村丁次
・書籍「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」 監修:白鳥早奈英、板木利隆
・書籍「旬の野菜の栄養事典」 監修:吉田企世子
AUTHOR
山口ミホ
管理栄養士、腸活アドバイザー。病院の栄養士を経験後、安心しながら美味しく食べられるものを作りたいという思いから、食材の味や旬、無添加を大切にするジャム専門店にて店長として従事。レシピ開発や製造・加工、店舗運営を経験。現在は腸活アドバイザーを取得し、食で体もココロも美しくをテーマに、フリーランス管理栄養士として活動。
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