【大根の葉っぱ、捨てないで!】根より栄養が多い「葉の栄養価」と「大根の長期保存法」を栄養士が解説

 【大根の葉っぱ、捨てないで!】根より栄養が多い「葉の栄養価」と「大根の長期保存法」を栄養士が解説

大根は年中スーパーで手に入り、色んな料理に使えて重宝する食材ですよね。時々葉付きの大根が売られているのを見かけますが、大根は栄養価が高く新鮮である葉付きが断然おすすめです。今回は葉付き大根の栄養などの魅力について解説します。さらに大根の冷凍保存について紹介もしていますので、1本無駄なく使って栄養を余すことなく摂りましょう。

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葉付き大根は新鮮

大根の葉は切り落とさないと根がしおれたり、スが入ってしまっておいしさが損なわれてしまいます。収穫された大根は成長を続けており、葉が成長するために根から水分や栄養を吸収してしまうからです。そのため葉付きの大根は仕入れたばかりで鮮度が良いものが多く、葉から根の先までピンとした大根を選ぶことがポイントです。購入後は鮮度を保つため、すぐに葉と根を切り離して保存しましょう。

photo by Yuko Kimachi
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葉は根より栄養が多い

鮮やかな緑色の大根葉には白い根に比べ色々な栄養が多く含まれています。βカロテンは根に含まれませんが、葉にはおなじみの緑黄色野菜であるほうれん草に匹敵するほど豊富に含まれています。ビタミンCや食物繊維の量も根に比べ約3~4倍、カルシウムは約11倍と、根より葉の方が多い栄養がたくさんあります。

ほうれん草や小松菜より豊富な栄養がある

栄養が多い葉野菜としてほうれん草や小松菜がありますが、実は大根葉にはそれら葉野菜より多く含まれる栄養があり優秀な葉野菜です。ほうれん草、小松菜と比較して特に多い栄養成分について紹介します。(※100gあたりの栄養成分で、ほうれん草は「通年平均」となります。)

・鉄分(大根葉:3.1mg)
ほうれん草(2.0mg)の1.6倍、小松菜(2.8mg)の1.1倍

・カルシウム(大根葉:260mg)
ほうれん草(49mg)の5倍、小松菜(170mg)の1.5倍

・ビタミンC(大根葉:53mg)
ほうれん草(35mg)の1.5倍、小松菜(39mg)の1.4倍

・食物繊維(大根葉:4.0mg)
ほうれん草(2.8mg)の1.4倍、小松菜(1.9mg)の2倍

鉄分やカルシウムが豊富で、貧血や骨粗しょう症のリスクが大きい女性にうれしい栄養が豊富なことがわかります。また美肌や抗酸化作用のあるビタミンCや腸活に欠かせない食物繊維も多く、捨てられることもある大根葉ですが利用する価値は大いにあります。炒めてふりかけに、チャーハンやみそ汁の具など料理の彩りに、色々な使い方をしておいしく食べましょう。

photo by Yuko Kimachi
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冷凍保存を利用して1本を使い切ろう

葉付きの大根を丸ごと一本購入すると、使い切れないかも…と不安になるかもしれませんが、大根は冷凍保存が可能です。その場合、葉はゆでる等の下処理後に、根は用途に応じて輪切りや一口大に切る、大根おろしなどの処理後に冷凍します。ジップ付き袋へ入れる、1回利用分をラップに包むなど空気を抜いて保存し3週間を目安に使い切りましょう。根は解凍後に食感が変わってしまうため煮物に向いており、解凍すると栄養や旨味がある水分が流れ出てしまうため、解凍せずに利用するがおすすめです。

使い方に合わせて上手に保存し、しっかり使い切りましょう。

photo by Yuko Kimachi
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【参考文献】
・文部科学省:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
・独立行政法人農畜産業振興機構:今月の野菜 大根
・農林水産省:簡単な「冷凍ワザ」で、野菜を新鮮に!おいしく!

ライター/木町ゆうこ  
管理栄養士として病院や自治体で様々な病気や年代の方の栄養管理を経験。現在はフリーで栄養相談やコラム執筆などの活動をしている。

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NS Labo(栄養サポート研究所)

NS Labo(栄養サポート研究所)

全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の 商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事 業を行っている。 また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢 献活動を行っている。



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