自分を後回しにしがちな母たちへ|毎朝5時半、アリシア・キーズが実践する“心を整える”静寂タイム
先日ニューヨークのブルックリンで行われたジャーナリストのホダ・コット主催のウェルネス啓発イベント「Making Space: Wellness Day」に登場したアメリカの歌姫アリシア・キーズは、自分のための時間を持つことの重要性について語った。グラミー賞17冠を誇る彼女が、日々大切にしているのは、意外にもシンプルな“静寂”の時間だという。
「女性は“誰かのため”に動くことが多すぎる…」
「朝の静けさほど、心を満たしてくれるものはない。」アメリカの歌手アリシア・キーズ(44歳)はそう語る。毎朝5時半。まだ街が目を覚ます前、彼女はひとり静かに深呼吸をする。吸って5秒。止めて5秒。吐いて5秒。そのリズムの中で、心のざわめきが少しずつ静まっていく。「朝は必ず静かな時間をつくる。呼吸を整えて、自分の心と向き合う時間。そこで『今日はどんな一日をつくりたいか』を決める」と彼女は話す。
そんな彼女がこの習慣にたどり着いたのは、ある“気づき”がきっかけだった。幼い頃、アリシアの祖母は、夫を亡くして初めて自分の人生に目を向けるようになったという。その姿を見た13歳のアリシアは心に誓った。「年を取ってひとりになるまで、自分のための時間を待つことはやめよう。女性は“誰かのため”に動くことが多すぎる。家族のため、仕事のため、誰かのために尽くす。でも、気づいたら自分という存在が消えてしまうことがある。だから私は、そのパターンを断ち切ることにした。」彼女は「罪悪感を持たずに、自分のために時間をつくる」ことを学んだのだ。
たとえ3分でも朝の瞑想を行うと心のモヤモヤが晴れる
転機は、第2子を出産したあとのこと。友人に誘われて瞑想リトリートへ行くよう勧められたが、最初は「子どもを置いて4日も離れるなんて無理」と拒んだという。それでも友人に「最後に自分のために何かしたのはいつ?」と問われ、言葉が出なかった。「その瞬間、自分がどれだけ『自分を後回しにしていたか』を痛感した。」リトリートで学んだ瞑想法は、今では彼女の朝のルーティンとなった。たった3分のときもあれば、20分のときもある。お気に入りは「11分」。静けさの中で呼吸を整え、心に「今日は穏やかでいられますように」「私は守られている」とアファメーション(肯定的な言葉)を唱える。「不安や焦りを感じたときこそ、『私は安全』『私は大丈夫』と自分に言葉をかける。言葉にすると、心のモヤモヤが少しずつ晴れていくの。」
他人のために動く前に自分を満たすことを大切にしよう
瞑想のあと、彼女はキャンドルを灯し、ジャーナルに思いつくままを書き出す。「3ページくらい書くと、心がすっと軽くなる」と話す。それはまるで、心の中にたまった感情をノートに吐き出して浄化していくような時間。「書き終わる頃には、心も体もリセットされている気がするの。朝の静けさって、1日の“土台”をつくる。」彼女にとって、その時間は単なる習慣ではなく「心のエネルギーを充電する儀式」だ。「私たちは、他人のためにばかり動いて、自分のことを後回しにしてしまいがち。でも、自分を満たすことを忘れないでほしい。そうすれば、誰かに与える力も自然と湧いてくるから。それは1日でも、週に1度でもいい。自分だけの“静けさの時間”をつくってみて」とアリシアは語る。「たとえば金曜日を“ノーミーティングデー”にして、電話もメールもせず、家族や自分と過ごす時間にしてみる。自分が心地いいと感じる時間を“自分でデザインする”ことが大切なの。」それは特別なことではない。たった数分でも、自分のために深呼吸をするだけでいい。「罪悪感を持たないで。静けさを持つことは、誰かを遠ざけることではなく、自分を整えることなの。」朝5時半、静まり返った部屋の中、アリシア・キーズは今日も深く息を吸い込み、目を閉じる。静けさの中で、自分を取り戻す。それが、彼女の一日の始まりなのだ。
出典:
Alicia Keys Details the Morning Meditation She Does Every Day
I’ve Mastered Making Time For Myself Without Feeling Guilty – Alicia Keys
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