豆乳を飲みすぎると起こる不調とは?注意が必要なのはどんな体質の人?管理栄養士が解説

豆乳を飲みすぎると起こる不調とは?注意が必要なのはどんな体質の人?管理栄養士が解説
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豆乳は、大豆を原料とした植物性飲料で、特に女性を中心に美容や健康目的で飲まれることが多い人気の飲み物です。タンパク質やイソフラボン、カルシウムなど栄養素が豊富で、牛乳の代替としても取り入れやすい食品です。しかし、健康に良いとされる豆乳も、飲みすぎると体質によっては不調を引き起こすことがあります。今回は、豆乳を飲みすぎた場合に起こりやすい体調の変化や、注意したい体質について管理栄養士が解説します。

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豆乳に含まれる主な栄養素と働き

たんぱく質:筋肉や臓器、皮膚の健康維持に欠かせません。

イソフラボン:大豆由来のポリフェノールの一種で、女性ホルモンのエストロゲンに似た作用(エストロゲン様作用)があり、更年期対策や骨の健康維持に役立つ可能性があります。

カルシウム(加強豆乳の場合):骨や歯の健康維持に必要です。無調整豆乳よりも強化タイプの方がカルシウムを多く含みます。

ビタミンB群:代謝を助け、疲労回復やエネルギー生成に関わります。

美容や健康に良い効果が多く、朝食や間食、料理に使いやすい飲料ですが、飲みすぎには注意が必要です。

豆乳を飲みすぎると起こる不調

1. 消化器トラブル(お腹の張り、下痢)
豆乳は大豆由来のたんぱく質やオリゴ糖を含むため、飲みすぎると腸内でガスが発生しやすく、腹部膨満感や下痢を引き起こすことがあります。特に消化器が弱い人は少量ずつ試すなどして、注意が必要です。

2. ホルモンバランスへの影響
豆乳に含まれるイソフラボンは、エストロゲン様作用を持ちます。通常の食事レベルでは安全ですが過剰摂取により、月経不順や乳腺への影響が出る可能性が指摘されており、特にホルモン治療中の方や、甲状腺ホルモンと女性ホルモン(エストロゲン)は体の代謝や免疫バランスに密接に関係しているため甲状腺機能が低下している方は、医師に相談してから摂取するのが安心です。

3. カロリーオーバーによる体重増加
無調整豆乳でも100mlあたり約40〜50kcal程度あります。甘味のついた調整豆乳やフレーバー付きのものでは60〜80kcal程度あります。嗜好品として多量に飲むと、摂取カロリーが増え、体重増加につながることがあります。

4. 大豆アレルギー
大豆アレルギーのある方は、少量でもアレルギー症状(皮膚のかゆみ、蕁麻疹、呼吸困難など)が出る場合があります。初めて飲む場合やアレルギー体質の方または小児が初めて摂取する場合は注意が必要です。

豆乳
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注意したい体質の人

消化器が弱く、お腹が張りやすい人
ホルモン治療中や月経不順のある人
体重管理中の人
大豆アレルギーやアレルギー体質のある人
甲状腺機能低下症のある人(イソフラボン過剰摂取に注意)

豆乳の適量目安

1日あたり200〜300mlが目安です。無調整豆乳を中心に、朝食や間食で取り入れると良いでしょう。甘味やフレーバー付き豆乳はカロリーに注意しながら嗜好品として適量を心がけましょう。

まとめ

豆乳は、美容や健康、たんぱく質補給に役立つ優れた植物性飲料ですが、「良いものも摂りすぎれば不調のもと」になります。適量を守り、バランスの取れた食事の一部として取り入れるのが理想です。スムージーや料理に少量ずつ使うなど、日々の生活の中で無理なく続けられる工夫をするとよいですね。

参考文献

文部科学省「食品成分データベース」豆乳の栄養成分
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=4_04052_7

厚生労働省「大豆及び大豆イソフラボンに関する Q&A」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0202-1a.html

記事監修/亘美玲

管理栄養士。病院栄養士を7年経験後、食品会社で約15年間メディカルサプリメントや機能性表示食品の商品開発責任者として従事。2児の母で、自身の妊娠と出産、離乳食作りの経験から母子栄養の研究を重ね、産前産後ママの栄養サポート、栄養相談、料理教室、レシピ提案、執筆、栄養学講座の活動を行っている。離乳食や調理の基本についてSNSでも発信をしている。

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