炭酸水の飲みすぎに注意!?“良かれと思って”飲んでた人に伝えたいリスク|管理栄養士が解説
胃腸が弱い人・歯を守りたい人は要注意。毎日飲むなら知っておきたい落とし穴とは。炭酸水は「水分補給にもなる」「ダイエットにいい」と人気の飲料。特に無糖タイプは“健康に良さそう”というイメージもあり、毎日の習慣にしている人も多いのではないでしょうか。でも、実は炭酸水には体質や飲み方によっては逆効果になるリスクも。そこで今回は、炭酸水を日常的に飲んでいる人こそ知っておきたい「落とし穴」と、上手な付き合い方を管理栄養士の見解をもとにお伝えします。
炭酸水の“体にいい”イメージの正体
一時的な胃腸刺激や爽快感はあるが、万人向けとは限らない
炭酸水は飲んだ瞬間の爽快感や、軽い満腹感が得られることで人気があります。また、炭酸によって胃の働きが一時的に刺激され、消化を助ける効果も知られています。一方で、この“刺激”こそが、ある条件のもとでは体に負担になることもあるのです。
注意点① 胃腸が弱い人には刺激が強すぎることも
胃酸過多・逆流性食道炎の人は悪化の可能性も
炭酸水は炭酸ガスで胃をふくらませるため、
- 胃酸の逆流による胸やけ
- 空腹時の胃もたれ
- ゲップや膨満感
などを引き起こす可能性があります。特に、胃腸の不調が出やすい方や冷えやすい体質の人は、いわゆる強炭酸と呼ばれるタイプのものではなく微炭酸か常温の水に切り替えることをおすすめします。
注意点② 歯のエナメル質を溶かすリスクも
酸蝕症(さんしょくしょう)との関係に注意
炭酸水はpHがやや酸性です。歯の表面のエナメル質はpH5.5以下で溶け始める性質があり、市販の炭酸水の多くはpH5.0前後の弱酸性のため、長時間口の中に滞留させる飲み方は歯の健康に悪影響を及ぼすことがあります。
たとえば、
- 食後や就寝前にダラダラ飲む
- 歯磨き後の飲用
- ちびちび飲む習慣
これらは、歯のエナメル質を溶かす「酸蝕症」の原因となるため、口の中に残さない飲み方(飲んだら口をゆすぐなど)が大切です。
炭酸水と上手に付き合うためのポイント
「自分に合うかどうか」で見極めを
炭酸水は、飲み方次第で体にやさしいリフレッシュ飲料になります。以下のポイントを押さえて、自分に合ったスタイルで取り入れてみましょう。
- ✔ 空腹時や就寝前は避ける
- ✔ 胃腸が敏感な人は常温に
- ✔ 飲んだ後は口をゆすいで歯を守る
どんなに健康によいとされるものでも、それが“自分の体質に合っているか”が最も重要です。「なんとなくお腹の調子が悪い」「最近、胃もたれが増えた」などの小さなサインを見逃さず、炭酸水の飲み方も見直してみてはいかがでしょうか?
参考文献
記事監修/亘美玲
管理栄養士。病院栄養士を7年経験後、食品会社で約15年間メディカルサプリメントや機能性表示食品の商品開発責任者として従事。2児の母で、自身の妊娠と出産、離乳食作りの経験から母子栄養の研究を重ね、産前産後ママの栄養サポート、栄養相談、料理教室、レシピ提案、執筆、栄養学講座の活動を行っている。離乳食や調理の基本についてSNSでも発信をしている。
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