【キャベツ】食べ過ぎると腸に負担?注意すべき体質と適量を管理栄養士が解説

【キャベツ】食べ過ぎると腸に負担?注意すべき体質と適量を管理栄養士が解説
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キャベツは、サラダや炒め物や煮物など幅広い料理に使える身近で栄養豊富な野菜です。食物繊維やビタミンC、ビタミンKなどが含まれ、腸や体の健康に役立つことで知られています。しかし、「腸に良い」と思われがちなキャベツも、食べ過ぎると体質によっては腸トラブルを引き起こすことがあります。今回は、キャベツの食べ過ぎによる腸への影響と、注意すべき体質について解説します。

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キャベツの栄養素

キャベツには、腸や体に嬉しい栄養がバランスよく含まれています。

食物繊維(不溶性・水溶性):便通を整え、腸内環境をサポートします。
ビタミンC:抗酸化作用があり、免疫力や肌の健康維持に関与します。
ビタミンK:骨や血液の健康に役立ちます。
カリウム:体内の余分な塩分を排出し、むくみや高血圧予防に役立ちます。
イソチオシアネート(加熱前の生の場合):抗酸化作用があり、腸や体の健康維持に関与します。

健康や美容に嬉しい栄養素が多く含まれていますが、腸への負担にも注意が必要です。

キャベツ
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キャベツを食べ過ぎると腸に起こる不調

1. ガスの増加やお腹の張り

キャベツに豊富に含まれるキャベツの食物繊維は腸内細菌によって発酵しやすく、大量摂取でガスが増え、お腹の張りやおならが出やすくなります。

2. 下痢や軟便

食物繊維は便通を整える働きがありますが、大量に摂取すると便が柔らかくなりすぎ、下痢や軟便を引き起こすことがあります。特に腸が敏感な方や過敏性腸症候群の方は症状が出やすくなります。

3. 甲状腺への影響(生で大量に摂取する場合)

キャベツには「ゴイトロゲン」という成分が含まれています。生で大量に食べると、甲状腺ホルモンの合成に関わるヨウ素の働きを妨げる可能性があります。加熱することでゴイトロゲンは減少するため、過剰摂取のリスクは低くなります。

注意が必要な体質や疾患

・腸が敏感でガスや下痢が出やすい人
・過敏性腸症候群など腸疾患を持つ人
・甲状腺に疾患がある人(特に生で大量に摂る場合)

一日の目安量

1日に摂る目安は、約100g~150g(生でサラダ1皿分程度)です。加熱調理するとカサが減り食べやすくなり、同時に胃腸への負担は軽減されます。炒め物や煮物、スープなど、調理法を工夫しながらバリエーション豊富に取り入れるのがおすすめです。

スープ
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不調を防ぐための食べ方の工夫

・生で食べる場合は少量からスタートし、腸の反応を確認する
・加熱して繊維を柔らかくすることで腸への負担を軽減する
・他の野菜やタンパク質と組み合わせてバランスよく摂取

まとめ

キャベツは腸や体に嬉しい栄養を多く含む野菜ですが、食べ過ぎるとガスや下痢、まれに甲状腺への影響が出ることがあります。1日100g~150gを目安に、加熱や他の食材との組み合わせを工夫して、安心してキャベツの健康効果を取り入れることができます。

参考文献

記事監修/亘美玲

管理栄養士。病院栄養士を7年経験後、食品会社で約15年間メディカルサプリメントや機能性表示食品の商品開発責任者として従事。2児の母で、自身の妊娠と出産、離乳食作りの経験から母子栄養の研究を重ね、産前産後ママの栄養サポート、栄養相談、料理教室、レシピ提案、執筆、栄養学講座の活動を行っている。離乳食や調理の基本についてSNSでも発信をしている。

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