【玉ねぎ】食べ過ぎると起こる不調とは?注意したいのはどんな体質の人?管理栄養士が解説
玉ねぎは、煮る・炒める・生で食べるなど幅広く使える食材で、食卓に欠かせない野菜の一つです。血液サラサラ効果や抗酸化作用などの健康効果が知られていますが、「健康に良いから」といって大量に食べると、体質によっては不調を引き起こすことがあります。今回は、玉ねぎを食べ過ぎた場合に起こりやすい不調や、注意したい体質について管理栄養士が解説します。
玉ねぎの栄養素
玉ねぎには、健康に役立つ栄養がバランスよく含まれています。硫化アリル(アリシン/含硫化合物):血液をサラサラにし、血管の健康をサポートします。また、抗酸化作用や疲労回復効果も期待されます。
食物繊維:腸内環境を整える作用があり、便通改善に役立ちます。フラクトオリゴ糖:腸内の善玉菌のエサとなり、腸内フローラを整えるサポートするプレバイオティクスの一種です。
ビタミンC:抗酸化作用があり、肌や免疫の健康維持に関わります。
玉ねぎは健康や美容に嬉しい栄養素が多く含まれていますが、食べ過ぎると一部の人には不調を引き起こす可能性があります。
玉ねぎを食べ過ぎると起こる不調
1. 胃腸トラブル(お腹の張りや下痢)
玉ねぎには食物繊維やフラクトオリゴ糖が豊富に含まれています。これらは腸内環境を整える効果がありますが、大量に食べると腸内でガスが発生しやすくなり、お腹の張りや下痢を引き起こすことがあります。特に生で大量に食べると消化が追いつかず症状が出やすくなります。
2. 血液への影響
玉ねぎに含まれる硫化アリルは血液をサラサラにする効果があります。通常は健康面で有効ですが、抗凝固薬(ワルファリンなど)を服用している人が大量に摂取すると、薬の作用が強まるリスクが指摘されています。
3. 口臭や体臭
玉ねぎには硫化アリルが豊富に含まれているため、食べ過ぎると特有の匂いが口や体から強く出ることがあります。適量を守ることが重要です。
注意したい体質の人
・消化器が弱い人・下痢しやすい体質の人
・抗凝固薬を服用中の人
・口臭や体臭が気になる人
玉ねぎの摂取目安
1日に摂る目安は、中サイズ1個(約150g)程度です。炒めたり煮たりして加熱することで消化しやすくなり、胃腸への負担を軽減できます。生で食べる場合はサラダや薬味など、少量から取り入れるのがおすすめです。
まとめ
玉ねぎを食べ過ぎると胃腸トラブルや血液の影響、口臭などの不調を招くことがあります。また、生で食べる場合は、少量ずつ取り入れるのがよく、加熱すると消化しやすくなります。さらに、他の野菜やタンパク質と組み合わせることで、胃腸への負担を分散させることができます。1日中サイズ1個程度を目安に、加熱や他の食材との組み合わせを工夫することで、安心して玉ねぎの健康効果を取り入れていきましょう。
参考文献
文部科学省「日本食品標準成分表」食品成分データベース(玉ねぎ)
農畜産業振興機構(ALIC)「プレバイオティクスとフラクトオリゴ糖」
農畜産業振興機構(ALIC)「オリゴ糖類の機能」(PDF)
記事監修/亘美玲
管理栄養士。病院栄養士を7年経験後、食品会社で約15年間メディカルサプリメントや機能性表示食品の商品開発責任者として従事。2児の母で、自身の妊娠と出産、離乳食作りの経験から母子栄養の研究を重ね、産前産後ママの栄養サポート、栄養相談、料理教室、レシピ提案、執筆、栄養学講座の活動を行っている。離乳食や調理の基本についてSNSでも発信をしている。
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