【旬のブドウ】食べ過ぎ注意!血糖値も中性脂肪も急上昇?適切な量は?管理栄養士が解説

【旬のブドウ】食べ過ぎ注意!血糖値も中性脂肪も急上昇?適切な量は?管理栄養士が解説
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秋を代表する果物のひとつ「ブドウ」。シャインマスカットや巨峰など、甘くてジューシーな人気品種が揃い、ふるさと納税の返礼品や旬の値下がりで一房を丸ごと食べてしまう方も少なくないのではないでしょうか。栄養たっぷりのブドウですが、食べ過ぎは血糖値や中性脂肪の上昇など思わぬ不調につながることがあるフルーツです。今回は管理栄養士の視点から、ブドウの栄養と食べ過ぎに注意したい理由を解説します。

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実は効能がたくさん!ブドウが持つ栄養パワー

1. 強力な抗酸化作用「ポリフェノール」
ブドウに含まれるレスベラトロールは、抗酸化作用がとても強く、動脈硬化や老化の予防に役立つ可能性があるといわれています。

2. 脳と体を支える「ブドウ糖」
吸収が早く、すぐにエネルギー源となるブドウ糖。運動後や疲労時のエネルギー補給にも効果的です。

3. 摂りすぎ注意の「果糖」
果糖もエネルギー源になりますが、過剰に摂ると肝臓で中性脂肪に変わりやすいため注意が必要です。

4. むくみ予防に役立つ「カリウム」
余分な塩分を体外に排出し、むくみや高血圧の予防に働きます。

5. 腸内環境を整える「食物繊維」
皮ごと食べることで食物繊維をしっかり摂取でき、腸内環境の改善に寄与します。

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ブドウの食べ過ぎで起こる不調

血糖値の急上昇
ブドウに豊富なブドウ糖は吸収が早く、血糖値が短時間で上がります。大量摂取するとインスリンの分泌が増え、その後に血糖値が急降下。結果として眠気やだるさを感じやすくなります。

中性脂肪の増加
果糖は肝臓で代謝されると中性脂肪に変わりやすく、食べ過ぎは内臓脂肪型肥満や脂質異常症のリスクを高めます。

お腹の不調
皮ごと食べると食物繊維やポリフェノールを効率よく摂れますが、大量に食べると下痢や腹痛につながることがあります。

皮ごと食べるブドウ・皮をむいて食べるブドウの特徴と注意点

皮ごと食べるブドウ(シャインマスカットなど)
種なしで皮ごと食べやすく、満腹感を得る前に量を食べ過ぎてしまいがち。皮には食物繊維やポリフェノールが豊富ですが、一度に大量に摂りすぎると消化不良や腹痛の原因になることもあります。

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皮をむいて食べるブドウ(巨峰やピオーネなど)
皮をむいて食べるタイプは、皮由来の食物繊維やポリフェノールの摂取量が減ります。その分満腹感を得にくいため「ついつい食べすぎ」につながりやすく、糖質やカロリー過多になりやすい傾向があります。

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ブドウの1日の適量

厚生労働省と農林水産省の《食事バランスガイド》によれば、果物の目安量は1日200g。ブドウの場合、1房の半分程度(100〜150g、15〜20粒前後)が目安になります。

健康的にブドウを楽しむための工夫

・デザートとして小皿に盛り付け、最初から食べる量を決めておく
・皮ごと食べられる品種はよく噛んで、満腹感を得る
・午後など活動が多い時間帯に取り入れるとエネルギー消費につながりやすい
・糖尿病やメタボが気になる人は、「一度に大量」ではなく「小分け」で楽しむ

まとめ

ブドウはポリフェノールやカリウムが豊富で、美容や健康に役立つ秋の代表的な果物です。ただし、「皮ありはお腹を壊しやすい」「皮なしは食べ過ぎやすい」という、それぞれの落とし穴があるのも事実。「一日半房程度」を目安に、品種の特性を理解しながら取り入れることで、旬のブドウを安心して楽しむことができるでしょう。

参考文献

記事監修/亘美玲

管理栄養士。病院栄養士を7年経験後、食品会社で約15年間メディカルサプリメントや機能性表示食品の商品開発責任者として従事。2児の母で、自身の妊娠と出産、離乳食作りの経験から母子栄養の研究を重ね、産前産後ママの栄養サポート、栄養相談、料理教室、レシピ提案、執筆、栄養学講座の活動を行っている。離乳食や調理の基本についてSNSでも発信をしている。

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