善玉菌を育てる!「キムチ」で腸内環境をととのえる効果的な食べ方【管理栄養士が解説】
脂肪燃焼には「運動すること」が基本だと思いますよね。もちろんそれも大事ですが、それ以上に注目されているのが「腸の状態」。実は最近の研究で、腸内の善玉菌が優位な人ほど、代謝が高く、脂肪がつきにくい傾向があることがわかってきました。この状態こそが、「痩せ腸」。腸そのものがスリムになるわけではなく、脂肪を燃やしやすい腸内環境に切り替わるという意味なんです。今回は、そんな瘦せ腸になる手助けをする食材「キムチ」の脂肪燃焼効果と食べ方について紹介します。
キムチが痩せ腸になる理由

乳酸菌が腸内環境を整える
キムチは発酵食品の代表格。特に乳酸菌が豊富で、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を抑制し腸内環境を整える働きがあります。腸が綺麗になることで、便通の改善や免疫力の向上だけでなく、代謝の促進にもつながり、痩せやすい体へとサポートしてくれます。また、腸内環境が良いと、脂肪の蓄積を防ぐ作用や、脂肪の燃焼を高める働きがある短鎖脂肪酸が増え、どんどん「痩せ腸」へと変化していきます。
食物繊維で「痩せ腸」に
キムチに使われている白菜や大根などの野菜には、水溶性・不溶性の食物繊維が含まれています。これらの食物繊維は、腸内の不要な老廃物を絡め取って排出しやすくしてくれます。特に水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌のエサになり、短鎖脂肪酸の産生を助けます。「痩せ腸」とは、善玉菌が優位で、腸内の代謝物質が活発な状態。キムチを日常的に取り入れることで、その状態に近づいていきます。
カプサイシンで脂肪燃焼を促進
キムチの辛味成分である唐辛子には、「カプサイシン」という辛味成分が含まれています。カプサイシンには交感神経を刺激して脂肪の分解を促す作用があり、エネルギー消費を高めてくれます。さらにカプサイシンは、体温を一時的に上げることで、冷え性の改善や、運動時の脂肪燃焼効率アップにもつながるとされています。しかしカプサイシンは、過剰に摂取すると胃腸に負担をかけ、腸内環境を乱すこともあるため注意が必要です。
効果を高めるキムチの食べ方
ただキムチを食べるだけではもったいない。ダイエットを意識するなら、以下のポイントを押さえた食べ方がおすすめです。
加熱しすぎないこと
キムチの乳酸菌は熱に弱いため、炒め物や鍋で長時間加熱すると、その効果が半減してしまいます。「痩せ腸」になるためには生のまま、あるいは加熱する場合は最後に加えて温める程度にしましょう。たとえば、サラダに刻んでトッピングすることで、キムチの乳酸菌と野菜の食物繊維を同時に摂取でき、効果的な組み合わせとなります。また、「キムチ×ヨーグルト」という一見意外な組み合わせも、どちらも発酵食品であることから腸活効果が高く、ダブル発酵食品として注目されています。
たんぱく質と一緒に摂る
筋肉量を維持し、基礎代謝を高めるためには、良質なたんぱく質の摂取が欠かせません。たとえば、「キムチ納豆」「キムチ豆腐」「キムチと卵の和え物」などは、栄養バランスもよく、手軽に取り入れられるおすすめのメニューです。さらに、朝食に少量のキムチを加えることで、腸を目覚めさせ、1日の代謝をスムーズに高めるサポートにもつながります。
発酵が進んだキムチを選ぶ
市販のキムチの中には、発酵していない「浅漬け風」のものもあります。また、国内製造の多くは品質保持のため発酵が進まないように向上剤やアルコールの添加が入っています。本来の発酵キムチには、植物性乳酸菌がしっかり含まれています。“熟成キムチ”や“本格発酵”と記載されたものを選ぶのがおすすめです。
まとめ
キムチは、乳酸菌・食物繊維・カプサイシンのトリプルパワーで、「痩せ腸」へと導いてくれる頼れる発酵食材です。しかし、いくら健康に良いキムチでも、食べ過ぎてしまうと、塩分が高いため高血圧や浮腫みの原因となるため、1日50〜100g程度(約小鉢1杯)を目安にしましょう!毎日の食事にちょこっとキムチを取り入れて、腸からスリムな体を目指してみませんか?
【参考文献】
漬物における乳酸菌の働き
スパイスの化学受容と機能性
「日本人の食事摂取基準」(2025年版)
日本食品標準成分表2020年版(八訂)
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